“ター・ロー村”は、本作の終盤で戦いの舞台となる場所。シャン・チーの母の故郷でもあるター・ロー村のセットが建設されたのは、オーストラリアのシドニーのとある貯水池。
プロダクション・デザイナーのスー・チャンは「どの建物にも石の土台を造った。セットをリアルに作ることは重要よ。中国の建築を研究して本物らしく仕上げた」と、歴史を踏まえて細部まで造り込んだセットについて説明。
また、シャン・チーの親友ケイティ役オークワフィナは「クルーは村全体を造り上げた。トイレがあるような家を何軒もよ。配管までちゃんとしてる」とスタッフの熱意にただただ感嘆。さらに、シャン・チーたちの村への旅を助けるトレヴァー・スラッタリー役ベン・キングズレーは「ある家屋の床でさえ、恐らく映らないのに深緑色のタイルが敷かれてた。怠け者の作り手ならそこまでしない。だが俳優はそれを見て活力とし、この村の空気をまとうことができる。感銘を受けたよ」と大絶賛している。
『シャン・チー/テン・リングスの伝説』プロダクション・ノートより
■カンフーには“床”が重要!
プロダクション・デザイナーのスー・チャンは先見的な中国人映画監督チャン・イーモウの作品やアン・リー監督の映画を参考にしたほか、香港映画のアクション大作も見直し、それらの映画が構造的にどのように撮影されていたのかについて研究した。「カンフーなどの武術を撮影するためには、多くのショットが必要になることになるため、床がとても重要であることに私は気づきました」とチャンは続ける、「また、壁や柱や小道具や備品といったものも使うことができるようにセットを組まなければなりません」と語っている。
■衣装チームは80人!
衣装デザイナーのキム・バレット率いるチームには、この映画の様相を作り上げるために80名もの人々がいた。裁縫をする人々から、染色やエイジング、コンピュータを使って3Dのレンダリングやプリントを行なう人々まで様々だ。このチームは独自の成形工場と小さな衣装用小道具部門も持ち、刺繍技師や靴や帽子の製造者もいた。この映画に登場する衣装の9割は、衣裳部門チームによって作られたものだ。
■様々なシーンのために作られた200個ものウィッグ!
メイクアップ&ヘア・デザイナーのリック・フィンドレーターは、全ての出演者と多くのエキストラの様相を作り上げるために、ローテーションで使う50個のウィッグを含む200個のウィッグのストックを制作した。様々な場所で、ヘアスタイルに取り組むスタイリストの姿が最大50人は見ることができた。特定のアクション・シーンに適したヘアに変えることはとても重要なことだった。特に弓の射手たちにとっては、その射手が弓を引く方の頬側に髪の毛が全くないようにすることが規則で決められていたこともあり、アクションのスタントをするほとんどの人物が、その特定のアクションをするにあたって安全な髪形をしている。
細部まで突き詰めたこだわり、そして高い技術力をもって制作されたセットのメイキング映像は必見だ。同メイキング映像のほか、12月10日(金)発売のMovieNEXには貴重な映像が収録される。本編鑑賞後にぜひ楽しんでみてほしい。
『シャン・チー/テン・リングスの伝説』
デジタル配信中/12月10日(金)MovieNEX発売
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発売/ウォルト・ディズニー・ジャパン