1963年の『野のユリ』で黒人俳優として初めてのアカデミー賞主演男優賞を受賞したことで知られるシドニー・ポワチエが2022年1月6日亡くなったことがわかった。
シドニー・ポワチエはバハマ人で(アメリカ合衆国との二重国籍)、バハマの外務大臣がこの事実を認めたと米各メディアが報じている。享年94。
1946年にブロードウェイでデビュー。55年の映画『暴力教室』で知名度を上げ、57年の『手錠のままの脱獄』でベルリン国際映画祭銀熊賞(男優賞)を受賞し、オスカー初ノミネート。63年の『野のユリ』で主演男優賞を受賞した初の黒人俳優となった。この記録は02年に『トレーニング・デイ』でデンゼル・ワシントンが主演男優賞を受賞するまで唯一の受賞だった。
その後1967年には『夜の大捜査線』『いつも心に太陽を』『招かれざる客』の3作が大ヒットして興行的にも大物俳優となり、72年には『ブラック・ライダー』で監督にも進出。81年の監督作『スター・クレイジー』は1億ドルを超える大ヒットとなった。80年代後半からまた俳優業にも戻り、『リトル・ニキータ』(88)『スニーカーズ』(93)などに出演した。
またバハマ特命駐日大使を任じられた時期もある(日本への赴任はしていない)。プライベートでは76年に女優のジョアンナ・シムカスと結婚したことも話題を呼んだ。