『テオレマ 4Kスキャン版』
北イタリアの大都市、ミラノ郊外の大邸宅に暮らす裕福な一家の前に、ある日突然見知らぬ美しい青年が現れる。父親は多くの労働者を抱える大工場の持ち主。その夫に寄りそう美しい妻と無邪気な息子と娘、そして女中。何の前触れもなく同居を始めたその青年は、それぞれを魅了し、関係を持つことで、ブルジョワの穏やかな日々をかき乱していく。青年の性的魅力と、神聖な不可解さに挑発され、狂わされた家族たちは、青年が去ると同時に崩壊の道を辿っていく…。
原案 / 監督 / 脚本 : ピエル・パオロ・パゾリーニ
撮影 : ジュゼッペ・ルッツォリーニ 音楽 : エンニオ・モリコーネ
出演 : テレンス・スタンプ、シルヴァーナ・マンガーノ、アンヌ・ヴィアゼムスキー
1968年 / イタリア / 99分 / カラー / 1:1.85 ビスタビジョン /
日本初公開:1970年4月11日 / 日本語字幕:菊地浩司
※上映は4K素材から制作された2Kマスターとなります。
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『王女メディア』
イオルコス国王の遺児イアソンは、父の王位を奪った叔父ペリアスに王位返還を求める。叔父から未開の国コルキスにある〈金の羊皮〉を手に入れることを条件に出され旅に出たイアソンは、コルキス国王の娘メディアの心を射止めて〈金の羊皮〉の奪還に成功。しかし祖国に戻ったイアソンは王位返還の約束を反故にされ、メディアと共に隣国コリントスへ。そこで国王に見込まれたイアソンは、メディアを裏切って国王の娘と婚約してしまう。メディアは復讐を誓い…。
監督 / 脚本:ピエル・パオロ・パゾリーニ 製作:フランコ・ロッセリーニ
撮影:エンニオ・グァルニエリ 衣装:ピエロ・トージ
出演:マリア・カラス、ジュゼッペ・ジェンティーレ、マッシモ・ジロッティ
1969年 / イタリア=フランス=西ドイツ / 111分 / カラー / 1:1.85 ビスタビジョン /
日本初公開:1970年7月17日 / 日本語字幕:関口英子
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ピエル・パオロ・パゾリーニ
1922年3月5日、イタリアのボローニャに生まれる。39年、飛び級でボローニャ大学文学部に進学。55年5月に長編小説『生命ある若者』を発表。マリオ・ソルダーティ監督作『河の女』(54)の脚本執筆を機に映画界へ進出、以降、フェデリコ・フェリーニ監督『カリビアの夜』(57)『甘い生活』(60)や、マウロ・ボロニーニ監督『狂った夜』(59)『汚れなき抱擁』(60)、ベルナルド・ベルトルッチ監督のデビュー作『殺し』(62)など数多くの脚本(共同脚本も含む)を執筆。61年『アッカトーネ』で映画監督デビュー。「マタイによる福音書」を映画化した『奇跡の丘』(64)はヴェネチア国際映画祭で審査員特別賞を受賞し、米アカデミー賞でも3部門ノミネートを果たす。「生の三部作」と呼ばれる、『デカメロン』(71年ベルリン映画祭銀熊賞受賞)、『カンタベリー物語』(72年同映画祭金熊賞受賞)、『アラビアンナイト』(74年カンヌ映画祭審査員大賞受賞)で高い評価を得る。75年春に『ソドムの市』を撮影。同年11月2日未明、ローマ郊外のオスティア海岸で他殺体となって発見される。享年53歳。その死については諸説あり現在も謎に包まれている。