本作はキャスティングの概念を一新させ、ハリウッドで長年活躍したその先駆者マリオン・ドハティ(1923-2011)を中心に、キャスティングという仕事に迫るドキュメンタリー。
絶妙なセンスと直感的な先見の明を頼りに、白人男性至上主義の根強いスタジオシステム方式から、ユニークで多様なアンサンブルキャストへ移行する道筋をつけ、革新的なアメリカン・ニューシネマの到来を告げたマリオン。彼女がいなかったら、あの有名な俳優も世に出ていなかったかもしれない…とハリウッドの別の歴史を想像することだろう。
本作はまた、キャスティングへの再評価と、現在アカデミー賞が取り組む変革(2025年開催の第96回以降は作品賞候補に“インクルージョン(包摂性)”の評価も条件に入る等)にも重要な役割を果たしたと高く評価されいる。2019年に英国アカデミー賞(BAFTA)がキャスティング部門を新設したことも話題となっており、今回が日本初公開となる。
『キャスティング・ディレクター ハリウッドの顔を変えた女性』
4月2日(土)よりシアター・イメージフォーラム ほか全国順次公開
2012年/アメリカ/89分/カラー/DCP/原題「Casting By」
出演:マリオン・ドハティ、マーティン・スコセッシ、ロバート・デ・ニーロ、ウディ・アレン、クリント・イーストウッド、ロバート・レッドフォード、ダスティン・ホフマン、アル・パチーノ、メル・ギブソン、ジョン・トラヴォルタ、グレン・クローズ
監督:トム・ドナヒュー
製作:トム・ドナヒュー、ケイト・レイシー、イラン・アルボレダ、ジョアナ・コルベア
配給:テレビマンユニオン 配給協力・宣伝:プレイタイム
©︎Casting By 2012