2022年4月8日(金)〜4月28日(木) ヒューマントラストシネマ渋谷にて開催される、フランスを代表する映画監督「ジャック・リヴェット映画祭」(配給: マーメイドフィルム、コピアポア・フィルム) の予告編が完成した。ジャン=リュック・ゴダールやフランソワ・トリュフォーらと並んでヌーヴェルヴァーグの中⼼的⼈物であり、1991年には『美しき諍い⼥』で第44 回カンヌ国際映画祭審査員グランプリを受賞、80 歳を過ぎても精⼒的に活動を続けていたリヴェット監督。
今回上映するのは、ある時はパリの街⾓、またある時は孤島の海辺、さらには空間と時間をも⾶び越えた場所を舞台に繰り広げられる、魅惑的な遊戯に満ちた初期傑作5 作品。完成した予告編は、砂浜で打ちひしがれている⼥海賊モラグの姿を映した『ノロワ』のワンシーンから始まる。ジャズの⾳⾊に合わせ、ジョー・ダレッサンドロとマリア・シュナイダーが演じる男と⼥が追いかけっこをする『メリー・ゴー・ラウンド』、太陽の⼥と⽉の⼥が対決する『デュエル』と、⽇本劇場初公開となる三作品の摩訶不思議な魅⼒をたたえた各シーンで織り成されてゆく。「夢と 魔法と 冒険と リヴェット映画の真の魔術がついに明かされる」のテロップに続き、最後は『デュエル』の美しい決闘シーンが。彼⼥たちが退場すると共に【ジャック・リヴェット映画祭】のロゴが浮かび上がる。同時上映は⼈気作『セリーヌとジュリーは⾈でゆく』と『北の橋』。
画像: ジャック・リヴェット映画祭 予告編 youtu.be

ジャック・リヴェット映画祭 予告編

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【上映作品】

『セリーヌとジュリーは⾈でゆく』 (1974) Céline et Julie vont en bateau
出演:ジュリエット・ベルト、ドミニク・ラプリエ、ビュル・オジェ
公園のベンチで魔術の本を読んでいた司書のジュリーが魔術師セリーヌと出会ったことから始まる奇妙な冒険。「不思議の国のアリス」的迷宮を思わせる冒頭から始まる本作はセリーヌ役のジュリエット・ベルトとジュリー役のドミニク・ラブリエが書き始めた台本から出発し構成された。幻想と現実の境界線を軽やかに⾶び越えて⾃由に⼊れ替わる主⼈公たちのユーモラスなやりとりや70 年代を象徴するサイケデリックな⾐装も楽しく、遊び⼼に溢れたファンタジーの傑作にしてリヴェットの⼈気作。

画像: 『セリーヌとジュリーは舟でゆく』 ©︎1974 Les Films du losange

『セリーヌとジュリーは舟でゆく』 ©︎1974 Les Films du losange

『デュエル』(1976) Duelle ※⽇本劇場初公開
出演:ジュリエット・ベルト、ビュル・オジェ、ジャン・バビレ
現代のパリを舞台に、地上での⽣を受けるため魔法の⽯をめぐって太陽の⼥王と⽉の⼥王が対決するファンタジー。リヴェットはジェラール・ド・ネルヴァルの⼩説に着想を得て、ラブストーリー、犯罪劇、⻄部劇、ミュージカル・コメディといった内容の<⽕の娘たち>と称した4 部作を構想し、本作はその“犯罪劇”にあたる。奇想天外なおとぎ話のような題材を挑戦的なフィルム・ノワールの要素を盛り込んで表現し、超現実的で詩的な美しさを達成した。

画像: 『デュエル』 ©︎1976 SUNSHINE / INA.Tous droits réservés.

『デュエル』 ©︎1976 SUNSHINE / INA.Tous droits réservés.

『ノロワ』(1976)Noroît ※⽇本劇場初公開
出演:ジェラルディン・チャップリン、ベルナデット・ラフォン
⼥海賊モラグは弟の仇を討つために孤島の城を占拠する海賊団のリーダー、ジュリアに復讐を誓う。『デュエル』と同様、対決するふたりの⼥性を描く本作は4 部作<⽕の娘たち>の2 作⽬であり⻄部劇として作られたが、リヴェットの魔術にかかれば時代やジャンルを問わない作品へと変貌する。ブルターニュ沿岸の12 世紀の要塞と17 世紀に再建された城といった壮観なロケーションで繰り広げられる物語の中で虚構と現実がぶつかり合い、死の舞踏が振り付けられてゆく。

画像: 『ノロワ』©︎1976 SUNSHINE / INA.Tous droits réservés.

『ノロワ』©︎1976 SUNSHINE / INA.Tous droits réservés.

『メリー・ゴー・ラウンド』(1981)Merry-Go-Round ※⽇本劇場初公開
出演:マリア・シュナイダー、ジョー・ダレッサンドロ
ベンジャミン(ベン)は元恋⼈エリザベスから電報を受け取りパリへ向かうが、そこにいたのは彼⼥の妹レオだった。ふたりのライバルが『デュエル』『ノロワ』とは異なり今度は男と⼥になり、謎に⽀配された舞台で終わることのない追いかけっこが繰り広げられる。レオ役を演じたマリア・シュナイダーやリヴェット⾃⾝の個⼈的な問題により撮影は⻑引き混乱を極めるも、⻑編第⼀作である『パリはわれらのもの』で導⼊されたテーマを家族間の復讐やパラノイアを絡めメランコリックなミステリーとして⾒事に再構築した。

画像: 『メリー・ゴー・ラウンド』  ©︎1979 SUNSHINE / INA.Tous droits réservés.

『メリー・ゴー・ラウンド』  ©︎1979 SUNSHINE / INA.Tous droits réservés.

『北の橋』(1981)Le Pont du Nord
出演 : ビュル・オジェ、パスカル・オジェ、ピエール・クレマンティ、ジャン=フランソワ・ステヴナン
ビュル・オジェと実娘のパスカル・オジェの共演作である本作はリヴェット版現代の「ドン・キホーテ」。ビュルとパスカルは撮影前にリヴェットに渡された「ドン・キホーテ」に魅了されたのだと⾔う。突然現れた閉所恐怖症の⼥テロリストのために、彼⼥の昔の恋⼈との連絡を引き受ける少⼥バチストは鎧の代わりに⾰ジャンを⽻織り、⾺の代わりにバイク、兜の代わりにヘルメットをかぶってドン・キホーテを演じてみせる。パリの街と符号する双六ゲームの上で、⽇常を⽣きながらにして幻想に駆られた俳優たちの⾝体と、現実の中から⽴ち現れてくるファンタジーが結びつく興味深い⼀編。

画像: 『北の橋』©1981 Les Films du losange

『北の橋』©1981 Les Films du losange

ジャック・リヴェット映画祭
4/8(⾦)〜4/28(⽊)ヒューマントラストシネマ渋⾕にて開催!他全国順次公開

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