『理大囲城』『時代革命』と共に台湾アカデミー賞を席捲した衝撃作!
2019年6月9日よりはじまった香港民主化デモから3年、2020年7月に「香港国家安全維持法」が施行され2年が経とうとしている。中国当局の締め付けで自由が失われつつある香港では、映画への検閲、規制も厳しくなり、香港の言論と表現の自由が一段と狭まってきている。
そうした中で、香港では上映禁止となった映画が、海外映画祭で上映され、多くの注目を集めている。2021年カンヌ国際映画祭、フィルメックスにてサプライズ上映された『時代革命』(監督:周冠威)、山形国際ドキュメンタリー映画祭で最高賞となるロバート&フランシス・フラハティ賞を受賞した『理大囲城』(監督:香港ドキュメンタリー映画工作者)は、日本でも大きな話題となった。台湾アカデミー賞(金馬奨)では、これらの作品と共に、香港の無名の新人監督・任俠と林森の映画『少年たちの時代革命』が最優秀新人監督部門、最優秀編集賞部門にノミネートされる快挙となった。香港民主化デモを描いたドキュメンタリー映画が注目される中、フィクション映画でも香港映画の新たな才能が出現していることは、香港映画界にとっても大きな希望となっている。
2019年、民主化デモで示した民意が香港政府に受け止められていないことに対し、無力感や絶望感を募らせ、抗議の自殺をする若者が相次いだ。本作は、18歳の少女YYがSNSに書き込んだメッセージをきっかけに、デモ参加者たちが彼女を救出しようと集う。デモに参加する10代の若者、そして参加者たちを後方支援するソーシャルワーカーやなど、年齢も職業もちがう人々が助け合い、時にぶつかり合いながら、少女YYを探し香港の街を駆け巡る。実際のデモ映像を織り交ぜた緊迫感あるストーリー展開で、少女YYの絶望する心、仲間を失いたくないと願うデモ参加者たちの悲痛な思いが描かれた、香港の若者の心が映し出された青春映画だ。
香港では、毎年6月4日に天安門事件の追悼集会が開催されていたが、国家安全維持法施行後は、そうした集会も許可されなくなった。今年の6月4日(土)5日は、是非ユーロライブで新たなる香港映画の出現を目撃してほしいという。
レックス・レン監督とラム・サム監督から、緊急特別上映会開催に寄せるコメントが到着
監督:レックス・レン(任俠)
いままで映画上映後のトークにあまり興味が持てなかった。映画を見ることはとてもプライベートなことで、あまり解釈を加えたくないと思うからだ。しかし台湾で『少年たちの時代革命』が劇場公開され、オンライントークに参加してから考えが変わった。観客との絆を深く感じたからだ。それは『少年たちの時代革命』という映画の特殊性によるかもしれない。この映画を創作したことで、僕も少年の精神を取り戻せた。どんなに悲しい体験をして深く傷付けられたとしても、すぐに前を向き、元気に遊んだり、頑張ろうと思えるような、無邪気な精神だ。『少年たちの時代革命』を見て、あなたは泣くかもしれない。でも今度オンライントークで会うとき、僕は冗談を言ってあなたを笑わせるつもりだ。実は年齢的に、僕はもう少年ではない。でも永遠に少年のように若くありたい。あなたもそうなるように。
監督:ラム・サム(林森)
『少年たちの時代革命』が日本で上映されることを、とてもうれしく思う。2019年夏、ちょうど香港民主化デモが始まった頃、日本へ旅行に行った。あるレストランで、僕が香港人と知り、店長が挨拶に来た。「香港のデモを見て、香港人の勇気に感動した」という彼の励ましの言葉に、とても心強くなった。日本人も香港で起きていることに関心を持ってくれていることを知った。3年後の今日、香港は変わった。世界も変わった。『少年たちの時代革命』が日本で上映されることで、現在とても悲観的な状況で生きている香港人に、光を与えることができるのではないかと思う。この映画を通じて、日本、そして世界中、自由を愛する人々と繋がることができたら、そして、我々からなにか生きる力を分かり合うことができたらと思う。ありがとう。
■映画『少年たちの時代革命』緊急特別上映会
■2022年6月4日(土)・5日(日)ユーロライブにて緊急特別上映決定!
■全日10:00回のみ。上映後、レックス・レン監督、ラム・サム監督によるオンライントークイベントあり(予定)
(C) 映画「少年たちの時代革命」上映企画会