これまで誰も体験したことのない作品を作ろうと必死でした
『ミッション:インポッシブル フォールアウト』以来、4年近くも来日できなかったトム。「コロナ禍によって、公開が延期され何年も日本に来ることができませんでしたが、ようやくこの『トップガン マーヴェリック』と共に帰ってこられて感動しています。また日本に行くからね、とずっと言い続けてきたので、実現して感動しています」と語る彼はまさにベスト・オブ・ザ・ベストの風格がにじみ出ている。
「劇場の大きなスクリーンで楽しんでもらうためにこの映画を作りました。多くの方々に以前から『トップガン』の続編をいつ作るのかと聞かれましたが、準備ができていませんでした。他の企画もあったし、また正しい続編を見つけるのに時間がかかりました。でもジェリー(ブラッカイマー)と共にこれまで誰も体験したことのない作品を作ろうと必死でした。これは単なる映画でなく自分の限界をさらに超える努力をして、必ずやみなさんに楽しんでいただける作品になったと確信します」
と続けるトムは成し遂げたものの大きさを嚙み締めている様子だ。
限界を超える撮影について、戦闘機のコックピットの中に日本製の超高性能IMAXカメラを6台搭載したという前代未聞の撮影について問われると、
「前作でもトニー・スコット監督が5分だけ機内が撮影できるカメラを開発していたんだ。でも自分なりにその後も研究を重ねてきた。『バリー・シール/アメリカをはめた男』ではカメラを機内に着けて撮影したし、『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』ではヘリコプターにぶら下がる空撮スタントをしたりして、空撮でどんなことができるのかを考えていた。今回も撮影を繰り返しながら、さらに良いものを突き詰めていたので、スタジオが何回も何を撮影しているのかと怒りだした。そこで短いフッテージを見せたら「オーケー」と了解してくれてね(笑)」
と詳細に撮影に至る経緯を明かしてくれる。ブラッカイマーも、
「トムは朝早く起きて自分で飛んでみてみんなとその日の撮影のブリーフィングを行うんですが、実際には飛んでみないとどんな映像が撮れるのかわからない。ソニーがこの作品用に開発した6台のIMAXカメラをコックピットに詰め込んで、飛び立って撮影し、降りてきて、だめだったらもう一度、という風にね。同時に22台のカメラで撮影したこともありましたが、こんなことは2度とないでしょうね(笑)」とトムが「複雑なんだ」といった撮影の方法を証言してくれる。
そんな常識破りのトムも7月3日で60歳となるが、本作でも輝きを失っていない。
「特別に何かしているわけではないよ。ただひたすら仕事をしているだけ。僕は本当に恵まれた仕事をしている。映画を作って世界中を旅して。そんな喜びを観客と分かち合いたいんだ。観客に喜んでもらえるような映画を作るためにどんな要求にもこたえられる体づくりをする。人間に興味があって、人世が好きで、常に自分を高めたいんだ。努力するのは美しいことで、乗り越えたら次の大きな山ができているものなんだ」
と常に観客サービスのために努力する姿勢をアピールした。
その成果が詰め込まれたといえる『トップガン マーヴェリック』はまもなくトムの愛する観客のもとに届けられる!
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