イタリアの偉大なる異端児、生誕100周年記念!
2022年はパゾリーニ生誕100年の記念すべき年。故郷イタリア・ボローニャでの大規模な回顧展や、ロサンゼルス・アカデミー映画博物館での特集上映、そして第72回ベルリン国際映画祭クラシック部門での『マンマ・ローマ』4K修復版のワールドプレミアなど、世界中で再評価の動きが進んでいる。日本でも【パゾリーニ・フィルム・スペシャーレ1&2】と題した特集上映が開催され、『テオレマ 4Kスキャン版』と『王女メディア』の2作品が現在も全国公開中だ。
今回の日本最終上映では、非業の死を遂げて45年以上の時を経た今もなお、世界中のシネフィルに支持されている代表作2作品を上映する。
一本目は、マタイによる福音書に基づくキリストの伝記映画『奇跡の丘』。キリストの誕生から律法学者らによる迫害、ユダの裏切り、ゴルゴダの丘における磔刑、そして復活までのエピソードが、無神論者であるパゾリーニによって淡々と描き出されている。
それまで下層プロレタリアートの若者を描いてきたパゾリーニが、斬新なテーマと実験的な撮影方法で新たな映像表現を確立し、ヴェネツィア国際映画祭審査員特別賞ほか数々の賞に輝き、世界的な評価を高めた出世作。
二本目は、詩人ソフォクレスのギリシャ悲劇「オイディプス王」を映画化した『アポロンの地獄』。荒野に捨てられた赤ん坊のオイディプスが運命の神託に従って、父を殺し母と交わり、逃れることのできない運命と戦う姿が描かれている。世界各国の民族音楽と、荒涼とした砂漠が広がるモロッコの風景が、呪術的で神秘的な唯一無二の映像美を生み出している。母を深く愛し、父と敵対したパゾリー二の自身の自伝的要素がつまった傑作だ。
日本最終上映にあわせて2作品のポスタービジュアルも解禁!『奇跡の丘』はイエスが十字架を抱える神秘的なカットを、『アポロンの地獄』はオイディプス王の衝撃的なカットを使用。パゾリーニ独特の世界観がさらに際立つポスターが完成した。
『奇跡の丘』『アポロンの地獄』
2022年6月18日(土)~新文芸坐ほか2館にて日本最終上映
配給:ザジフィルムズ
【東京】新文芸坐:6/18(土)~6/29(水)
【京都】京都みなみ会館:6/10(金)~6/30(木)
【長野】松本CINEMAセレクト:6/3(金)・12(日) *2日間
※その他詳細は各劇場のHPにてご確認ください。