半世紀前の1972年、公開されるや社会現象にまでなる大ヒットを記録した映画『ゴッドファーザー』。それまで映画であまり描かれたことのなかったマフィア界の人間模様を重厚に描き、アカデミー賞作品賞を受賞。さらに続編『ゴッドファーザーPARTⅡ』『ゴッドファーザーPARTⅢ』と3部作が誕生し、映画史に残るシリーズとなった。公開50周年となった本年、7月17日(日)より3週連続でこの名作が蘇る! とくに『ゴッドファーザー〈最終章〉:マイケル・コルレオーネの最期』はBS初放送。この機会をお見逃しなく。

日曜ロードショー(BS日テレ)放送スケジュール
『ゴッドファーザー』
2022年7月17日(日)18:30~21:54
『ゴッドファーザーPARTⅡ』
2022年7月24日(日)19:00~22:54
『ゴッドファーザー〈最終章〉:マイケル・コルレオーネの最期』※BS初放送
2022年7月31日(日)19:00~21:54

『ゴッドファーザー』シリーズの歩みを振り返る

なんと! アカデミー賞にシリーズ合計21部門がノミネート

劇場で大きな話題を呼んだ映画を日曜日のご家庭に高画質でお届けするBS日テレの日曜ロードショー。7月17日からは3週連続で『ゴッドファーザー』シリーズが放送される。

マリオ・ブーゾの原作をもとに、ニューヨーク5大ファミリーのひとつコルレオーネ一家の犯罪と家族の絆を描き、1972年3月に全米で公開されるや(日本では1972年7月公開)歴史的ヒットとなり、アカデミー賞では作品賞ほか全3部門を受賞したフランシス・フォード・コッポラ監督の『ゴッドファーザー』は、その後製作された『PARTⅡ』(1974年公開、同作品賞ほか全6部門受賞)、『PARTⅢ』(1990)と共に映画史に残る名作として今も多くのファンに愛され続けている。

出演はマーロン・ブランド(1作目でアカデミー主演男優賞受賞) 、アル・パチーノ、ロバート・デ・ニーロ(第2作でアカデミー助演男優賞受賞)ほか。ニーノ・ロータの作曲した「愛のテーマ」も時代を超えるヒット曲となった。

2020年には『PARTⅢ』にコッポラ自身がタイトルも含めて幾つもの変更を加え、当初の希望通りに再構成した『〈最終章〉』を完成。今回、日曜ロードショーでは、この『〈最終章〉』がBS初放送される。

キャスティングにこだわった若手時代のコッポラ監督

すべての始まりは1969年。40代の無名作家マリオ・プーゾが、3年を費やして書き上げた小説「ゴッドファーザー」を出版したことだった。裏社会に生きるイタリア系アメリカ人、ビトー・コルレオーネとその家族の物語は瞬く間にベストセラーとなり、ハリウッド大手のパラマウントがわずか8万ドルで映画化権を獲得する。

しかしパラマウントは、直近のギャング映画が当たらなかったことから、舞台を現代に移して低予算での映画化を計画。それが裏目に出て、フレッド・ジンネマン、アーサー・ペン、オットー・プレミンジャー、エリア・カザンらの名匠たちから、ことごとく監督を断られてしまう。

その結果、千載一遇の機会を手にしたのが、若手のフランシス・フォード・コッポラだった。当時、コッポラは脚本家として『パットン大戦車軍団』(1970)でアカデミー賞を受賞しているとはいえ、監督としてはまだ3本の駆け出し。彼の登板は明らかにプロデューサーの経費節減計画の一部であった。

“現代を舞台にした低予算映画”というプランを撤回させたコッポラは、プーゾと共同で脚本を執筆。『PARTⅠ』の製作費は700万ドル、コッポラ自身がプロデュースした『PARTⅡ』は1,400万ドル、『PARTⅢ』ではなんと4,500万ドルと『ゴッドファーザー』は未曽有の大作シリーズとなってしまった。

出演者にも注目が集まり、ビトー役にはジョージ・C・スコット、アーネスト・ボーグナイン、ジャン・ギャバン、ヴィットリオ・デ・シーカ、ジョン・ヒューストン、カルロ・ポンティ、息子マイケル役にはライアン・オニールやロバート・レッドフォードなどが候補に挙がる。だが、コッポラはそれぞれ、当時低迷していたマーロン・ブランド、映画界では無名だったアル・パチーノを推薦。反対するパラマウントと粘り強い交渉の末、希望通りのキャスティングを実現した。

その他、さまざまな困難を乗り越えて完成した映画は1972年に公開されると空前の大ヒットを飛ばし、当時の全米興行記録を更新。アカデミー賞では8部門で候補となり、作品賞、主演男優賞(マーロン・ブランド)、脚色賞の3冠に輝いた。

その一方、時代を先取りし過ぎて評価が追い付かなかった部分も。まず、今や万人が認める陰影を強調した映像美は、当時の常識からかけ離れていたため抵抗が大きく、撮影監督のゴードン・ウィリスはアカデミー賞撮影賞の候補にすら入っていない。47歳のブランドを年老いたビトーに変貌させたメイクアップ担当のディック・スミスも、当時は該当する部門がなく、アカデミー賞の対象にはならなかった。

2022年7月17日(日)放送
『ゴッドファーザー』(1972)あらすじ

画像1: 『ゴッドファーザー』(1972) ©2022 BY PARAMOUNT PICTURES CORPORATION. ALL RIGHTS RESERVED.

『ゴッドファーザー』(1972)

©2022 BY PARAMOUNT PICTURES CORPORATION. ALL RIGHTS RESERVED.

イタリアのシチリア島出身でニューヨークに一大ファミリーを築いたドン・ビトー・コルレオーネ(マーロン・ブランド)は、敵対するファミリーから命を狙われていた。

1947年、マフィアのドン、ビトー・コルレオーネの屋敷内で末娘コニー(タリア・シャイア)の結婚式が行われた。コルレオーネ家の一族、“ファミリー”と呼ばれるマフィア組織の面々ら総勢数百人が会す壮大な挙式だった。邸内のブラインドが下ろされた書斎で、タキシード姿の右胸に血のような真っ赤な薔薇を刺したビトーが、訪ねてきた友人の嘆願に耳を傾けていた。自分をすがってくる者には愛と権力、知力で十分に報じた。それがドン(ゴッドファーザー=名付け親)としての義務、尊厳であった。

対立するブルーノ・タッタリア(トニー・ジョルジオ)の息のかかった麻薬の売人ソロッツォ(アル・レッティエーリ)が取引の話を持ちかけてきた。ビトーは丁重に断ったが、ある日、何者かの手によって銃撃され重体に陥る。その復讐を果たしたのは、一家のなかで最も裏社会から遠いと思われていた三男のマイケルだった。マイケルはシチリアに身を隠すが、マフィア同士の血で血を洗う抗争劇はますます深刻なものになっていく……。

©2022 BY PARAMOUNT PICTURES CORPORATION. ALL RIGHTS RESERVED.

『ゴッドファーザー』
1972年度SCREEN誌 評論家ベストテン第8位 読者選出ベストテン第1位作品
監督:フランシス・フォード・コッポラ 
脚本:フランシス・フォード・コッポラ、マリオ・プーゾ
出演:マーロン・ブランド、アル・パチーノ、ジェームズ・カーン、ロバート・デュヴァル、ダイアン・キートン

コルレオーネ・ファミリー 人物図鑑

画像2: 『ゴッドファーザー』(1972) ©2022 BY PARAMOUNT PICTURES CORPORATION. ALL RIGHTS RESERVED.

『ゴッドファーザー』(1972)

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>> 左から

ソニー (ジェームズ・カーン)
ビトーの長男。女にだらしなく、妻サンドラの他に愛人ルーシーを持つ。気の短い性格は彼の死後もファミリーに波紋を投げかけることに

ドン・ビトー・コルレオーネ(マーロン・ブランド)
幼少時代に不幸な出来事を体験しシチリアから移民としてニューヨークへ。そこでマフィアの偉大なドンに

マイケル(アル・パチーノ)
ビトーの三男でコルレオーネ・ファミリーの二代目ドン。冷徹な性格が彼を孤独な境遇に追いやる

フレド (ジョン・カザール)
ビトーの次男。遊び人でマフィアの仕事には不向きとベガスに送り込まれていたが…

画像: 『ゴッドファーザーⅡ』(1974) ©2022 BY PARAMOUNT PICTURES CORPORATION. ALL RIGHTS RESERVED.

『ゴッドファーザーⅡ』(1974)

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トム・ヘイゲン(ロバート・デュヴァル)※写真右
ドイツ系だが信用されビトーの養子に。コルレオーネ一家の相談役から顧問弁護士に

画像1: 『ゴッドファーザーPARTⅢ』(1990) ©2022 BY PARAMOUNT PICTURES CORPORATION. ALL RIGHTS RESERVED.

『ゴッドファーザーPARTⅢ』(1990)

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コニー (タリア・シャイア)※写真右
ビトーの一人娘。結婚生活は夫の暴力で不遇だったが、やがて一家を見守る存在に

画像2: 『ゴッドファーザーPARTⅢ』(1990) ©2022 BY PARAMOUNT PICTURES CORPORATION. ALL RIGHTS RESERVED.

『ゴッドファーザーPARTⅢ』(1990)

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ケイ(ダイアン・キートン)※写真左
マイケルと結婚し二児が生れるが、ファミリーの過酷な事態に我慢できず、後に離婚

『ゴッドファーザー』シリーズの歩みを振り返る 続きは2022年7月18日(月)配信予定です!

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