監督自身の二面性も反映されたキャラクター設定の真相に迫る
田舎の広大な敷地の牧場経営で生計を立てる一家。長男オーティス・ジュニア(ダニエル・カルーヤ)は、家業をサボり市街に繰り出す妹エメラルド(キキ・パーマー)にウンザリしているところ、突然、空から異物が降り注ぐ。止んだかと思うも束の間、直前まで会話していた父親が息絶える。オーティス・ジュニアは父親の不可解な死の直前に、雲に覆われた巨大な飛行物体のようなものを目撃したことを妹に明かし、やがて兄妹はその飛行物体の物的証拠を収める“バズり動画”を撮影することを思いつく。 「絶対に見つめてはいけない」“ヤツら”の存在・・・、彼らには想像を絶する事態が待ち受けていた――。
日本に先駆けて公開を迎えたアメリカではランキング初登場NO.1を獲得!各映評でも高評価を得た本作がいよいよ今月公開を控える日本でも本作へ一際“熱い眼差し”が向けられている。
今回到着したのは、ジョーダン・ピール監督や田舎町で牧場を営む兄OJを演じるダニエル・カルーヤ、その妹エメラルドを演じるキキ・パーマーが、作品の核にある2人の兄妹の物語について語る特別映像。
本作の物語は、映画やテレビの撮影に使われる馬の調教が行なわれている牧場を経営するOJの父が、飛行機の落下物によって事故死するという悲劇から始まる。目の前に居合わせたOJはその“最悪の奇跡”を受け入れられず、同時に空に現れた巨大な飛行物体を一瞬目撃し、そのことを異様に思っていた。亡き父の後を継ぎ牧場主となったOJだが、もともと苦しかった経営はさらに悪化。そんな中、目撃した飛行物体らしき“何か”が再び現れ、やがて真の“最悪の奇跡”を巻き起こしていく。
映像内でキャスト陣が語るように、寡黙で曲がったことを嫌い、人知れず独りで穏やかに過ごすのを好む兄OJ、公衆で脚光を浴びることを好み、自由奔放で外交的な妹エメラルドと、全く異なる性格を持ち、ろくに連絡も取り合ってこなかった2人は、最悪の状況下のなかで互いの絆=兄弟愛に気づいていく。「この作品の核にあるのは兄妹の物語であり、繋がりのない状態から、互いを理解し合って、互いをずっと見ていたと認め合う状態へと変わるふたりの力を紡いでいる。もちろんこれはスペクタクルや、僕ら人間がつい抱いてしまうスペクタクル依存についての映画だけど、自分を見てほしい、ありのままに認めてほしいという内なる思いについても描いている」とピールは補足している。
さらに、この全く真逆な性格の兄妹は、映画業界の実態だけでなくジョーダン・ピール監督自身の二面性も反映しており、ピールは「僕はプライバシーを大事にしたい。大勢の人が一斉に振り返って僕を見るなんてことがあったら恐怖だよ。たいていの人がそう感じるのではないかな。なのに、こうして人前に出るような仕事に就いてしまった。そういう要素がとんでもない形で隣り合わせになっている僕の人生が、このキャラクターたちを通して描かれてもいる。」と明らかにしている。
果たして、兄妹は突然訪れた“最悪の奇跡”をどう乗り越えていくのか? 映像内でピールが太鼓判を押す、2人の抜群なコンビネーションと演技力にもぜひ注目したい。
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