メイキング動画「和やかな楽章」
映画『七人樂隊』は、ジョニー・トー監督のプロデュースで、長らく香港映画界を牽引してきた七人の名匠が集結。1950年代から未来まで、10年ずつ年代を分けて担当した短編7本から成るオムニバス映画。
七人の監督が特別なノスタルジーをこめ、腕によりをかけて映像化した7つの物語は、デジタルカメラが主流の現代にあえて35mmフィルムでの撮影を行い、過ぎ去りし“フィルムの時代”への敬意を表明していることでも注目されている。
この度、本作の撮影現場を映した約90秒のメイキング動画が日本で初めて解禁となる。このメイキング動画は2本からなり、もう一編も後日解禁が予定されている。
今回、先んじて解禁されるメイキング動画は「和やかな楽章」と名付けられ、香港が誇る七人の名監督たちが久しぶりに再会し、和気あいあいと現場での創作を楽しむ様子が伝わってくる内容となっている。
冒頭、ジョニー・トー監督が本作の企画意図を語る背景では、実際に35mmフィルムで撮影されている撮影現場が映され、デジタルの今では珍しい光景となった「フィルム交換」の作業を目撃することができる。
続いて登場したツイ・ハーク監督が「大勢の監督による共同制作は映画史的にも珍しい」と振り返れば、本作を撮り終えたのち、惜しくも逝去したリンゴ・ラム監督の姿も少しだけ見ることができる。また、ディレクターズ・チェアから「カメラを回せ!」と叫ぶサモ・ハン監督が「我々には映画への愛がある」と確信に満ちた表情で語る姿には、頼もしさを感じる。
「各自が自由に創作できた」と語るのはパトリック・タム監督。現在、日本でも特集上映が好評を博しているウォン・カーウァイ監督の『欲望の翼』『楽園の瑕』で香港電影金像奨の最優秀編集賞を2度獲得した香港ニューウェーブの旗手・タム監督の表情には、楽しかった時間に名残を惜しむような雰囲気もある。
最後に登場するのはユエン・ウーピン監督。「回帰」で“七小福”の一人であったユン・ワーを主演に迎え、カンフー映画全盛の時代から取り残されてしまったような好々爺と孫娘の交流を描いたウーピン監督が、まさにユン・ワーのような佇まいで「スタイルの違う監督が集まって賑やかだ」と微笑みながら語る様子は、見るものを幸せな気持ちにしてくれることだろう。
『七人樂隊』
2021年/香港/広東語/111分/ビスタ/5.1ch/原題:七人樂隊/英題:Septet:The Story of Hong Kong/配給:武蔵野エンタテインメント
監督:サモ・ハン/アン・ホイ/パトリック・タム/ユエン・ウーピン/ジョニー・トー/リンゴ・ラム/ツイ・ハーク
プロデューサー:ジョニー・トー/エレイン・チュー
出演:ティミー・ハン/フランシス・ン/ジェニファー・ユー/ユン・ワー/ン・ウィンシー/サイモン・ヤム/チョン・タッミン/ラム・シュ
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