フランス映画に新しい波を呼び起こす運動ヌーベル・バーグをけん引した『勝手にしやがれ』(59)などのジャン=リュック・ゴダール監督が2022年9月13日、91歳で死去したことを仏メディアが報じた。

ゴダール監督は1950年代にフランソワ・トリュフォー、エリック・ロメールらとヌーベル・バーグを起こし、映画評論や短編映画製作などを行ってきたが、59年に初の長編『勝手にしやがれ』を監督し、これがベルリン国際映画祭で銀熊賞を受賞したことから新世代の旗手として注目を集めた。
その後も『女と男のいる舗道』(62)『軽蔑』(63)『はなればなれに』(64)『気狂いピエロ』(65)『男性・女性』(66)『ウイークエンド』(67)などを次々製作し、高い評価を得ていたが、67年急に商業映画との絶縁を宣言し、映画を政治的メッセージを伝えるためのツールとして使用するように。また68年、5月革命のさなか、カンヌ国際映画祭を中止に追い込む事態を起こしたことも有名。

79年『勝手に逃げろ/人生』で商業映画に復帰すると『パッション』(82)『カルメンという名の女』(83)『右側に気をつけろ』(87)など次々新作を監督。続いて『ゴダールの映画史』という一連のシリーズ(ビデオ作品だが、劇場公開も)で世界中の映画の歴史を草創期から振り返るという作業に邁進。これが終わって後は『さらば、愛の言葉よ』(14)『イメージの本』(18)など高齢になっても精力的に映画を作りだしていた。

私生活では女優アンナ・カリーナと61年結婚、65年離婚。同じく女優アンヌ・ヴィアゼムスキーと67年結婚、76年離婚。シネアストのアンヌ=マリー・ミエビルと非公式ながらパートナーとして一緒に暮らしていた。2002年高松宮殿下記念世界文化賞を受賞。2010年にはアカデミー賞名誉賞を受賞した。

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