昨2021年から会場を日比谷・有楽町・銀座エリアへ移し、地域との連携を深めた街ぐるみの映画祭として会場を大幅拡大し、更なる飛躍を遂げた東京国際映画祭。2022年10月24日(月)東京ミッドタウン日比谷にて第35回東京国際映画祭が開催となった。

フェスティバル・アンバサダーの橋本愛が華やかなモノトーンのドレス姿で登場

東京ミッドタウン日比谷のステップ広場から仲通りにかけて敷かれた165mのレッドカーペットには、トップバッターとしてガラ・セレクション作品『月の満ち欠け』より廣木隆一監督、大泉洋、柴咲コウが登場。その後、国内外から総勢137名の豪華ゲストが3年ぶりとなるカーペットを彩り、国内外のマスコミと観客計454名による熱気に包まれた。

画像: 『月の満ち欠け』の廣木隆一監督、大泉洋、柴咲コウ ©2022 TIFF

『月の満ち欠け』の廣木隆一監督、大泉洋、柴咲コウ ©2022 TIFF

画像: ジュリー・テイモア(中央)ら審査員の一団 ©2022 TIFF

ジュリー・テイモア(中央)ら審査員の一団 ©2022 TIFF

終盤には、本年度のコンペティション部門審査委員長であるジュリー・テイモアが登場し、映画祭に込めたメッセージを語り、冒頭と最後には「こんにちわ」「よろしくお願いします」と日本語挨拶を披露。続けて、フェスティバル・アンバサダーの橋本愛が華やかなモノトーンのドレス姿で登場し、その美しさでレッドカーペットを飾った。ラストはオープニング作品『ラーゲリより愛を込めて』より、二宮和也、瀬々敬久監督が登場し、会場のボルテージも最高潮となり、大いに盛り上がりを見せるレッドカーペットとなった。

第35回東京国際映画祭フェスティバルアンバサダー 橋本愛のコメント

画像: 橋本愛 ©2022 TIFF

橋本愛 ©2022 TIFF

・アンバサダーとして1年ぶりにレッドカーペットを歩いてみていかがでしたか?
一年ぶりなのですが(去年は屋内だったので)野外での華やかなレッドカーペットは新型コロナウィルス以来なのかなと思うと、今年はなんだか感慨深いですし、特別な一年になるのかなという気がしてとてもうれしかったです。

・世界に対して日本の映画のアピールポイントはどんなところだと思いますか?
一口に日本の映画と言っても、いろいろな映画があるので一概には言えないと思うのですが、日本という小さい島国の中で閉鎖的な印象が強い国だなと自分自身も常日頃思うんですけれど、その中でこれだけ豊かで繊細な感性が育っているんだなとしみじみと感じますし、日本映画の湿度の高いところがとても好きで、なんだか映像なのにその場所の空気のにおいや湿度、自然の豊かさみたいなものがダイレクトに肌に伝わってくるというか、生活を感じられるのがとても好きです。

・今回は「飛躍」がテーマですが、 日本の映画が世界でもっと飛躍するためには、何が必要だと思いますか?
それぞれの立場でどうしたらいいかを日々考えていらっしゃるんだと思うのですが、私自身はどんどん飛躍していくためにまずは世界を見渡すこと、世界を知ることがまず一番初めに大事なことなのかなと思います。世界を見渡して自分の始点を振り返ったときに、日本の映画の自分の現在地というのを見つめて、これからどうしたら埋めていけるのか、または世界を超えていけるのかということを地道に見つめることが大事かなと思います。

・観客へのメッセージ
(映画を観ることは)今は自分で時間を作って自分で好きな作品を選んで例えばお家で観るという、とても個人の主体性が強いものだと思うんですが、映画祭で映画を観るという体験は、決まった時間に決まった作品が決まった場所で上映されているという、ある種の制約に自分が向かっていくことで出会える、とても特別なご縁になると思います。みなさんぜひ気軽に遊びにいらしていただけたら嬉しいです。

オープニングアクトで宝塚OGの柚希礼音、紅ゆずる、美弥るりか、七海ひろきが登場

画像: 美弥るりか、柚希礼音、紅ゆずる、七海ひろきによるオープニングステージ ©2022 TIFF

美弥るりか、柚希礼音、紅ゆずる、七海ひろきによるオープニングステージ ©2022 TIFF

レッドカーペットイベント終了後、東京宝塚劇場にて行われたオープニングセレモニーでは、オープニングアクトとして宝塚OGである柚希礼音、紅ゆずる、美弥るりか、七海ひろきが登場し、宝塚歌劇で上演された映画原作の舞台『オーシャンズ11』から「FATE CITY」を一夜限りのコラボレーションによるスペシャルパフォーマンスで披露した。
その後、橋本愛が登壇し、2度目のアンバサダーを務める映画祭に向けた想いや見どころを語り、続けて、今年の審査委員が紹介され、コンペティション部門の審査委員長であるジュリー・テイモアの挨拶では、コロナや戦争で世界が分断された今この時期に行われる映画祭に向けて、コンペ部門審査の意気込みが込められた素晴らしいスピーチを披露。
またオープニング作品『ラーゲリより愛を込めて』から二宮和也、瀬々敬久監督が登場し、ぜひとも多くの観客に見てほしいという挨拶を。最後は映画祭チェアマンの安藤裕康による開催宣言で締めくくり、会場からは大きな拍手が沸き上がった。

オープニングアクター 柚希礼音、紅ゆずる、美弥るりか、七海ひろきのコメント

【柚希礼音コメント】
本日は東京国際映画祭開幕おめでとうございます。本当にこのような機会をいただき、映画祭の皆さま、宝塚歌劇団の皆さまに感謝申し上げます。そして配信をご覧の皆さまも楽しんでいただいていますか?映画祭が盛り上がることをお祈りしています。本日は本当にありがとうございました。

【紅ゆずるコメント】
東京国際映画祭のオープニングセレモニーの舞台に立たせていただくというとても光栄な機会をいただけましたこと、とても感謝しております。3年前に退団をいたしましたが、
3年ぶりに舞台に立って懐かしい想いと、一歩踏み出している、そして古巣で切磋琢磨してきた豪華なメンバーの方々と舞台に立たせていただくことを本当に楽しみにしてまいりました。東京国際映画祭、本当におめでとうございます。

【美弥るりかコメント】
映画を心から愛していらっしゃるみなさまと、こうして素敵な場に過ごせたこと心から光栄に思っています。これから始まっていく東京国際映画祭の成功を心から祈っております。

【七海ひろきコメント】
このような形で東京国際映画祭のセレモニーに少しでも携われたこと、そして尊敬する宝塚のOGの方々と共演できましたこと、大変光栄に思っています。ありがとうございました。

画像: 『ラーゲリより愛を込めて』 二宮和也、瀬々敬久監督 ©2022 TIFF

『ラーゲリより愛を込めて』 二宮和也、瀬々敬久監督 ©2022 TIFF

『ラーゲリより愛を込めて』 二宮和也、瀬々敬久監督のコメント

二宮:この度はこの『ラーゲリより愛を込めて』が東京国際映画祭のオープニング作品に選出していただきまして、ありがとうございます。僕らはオープニングに見合うような作品ができたなと自負しておりますので、どうぞご覧いただければと思います。よろしくお願いします。

瀬々監督:コロナになり映画祭開催に際して非常にご苦労なことなどあると思います。
この地(日比谷)に移って2年目で、今年はレッドカーペットも再開することができたとお聞きしました。
こういう状況の中でも、映画というエンターテイメントの力で皆さんのお役に立てたらと思っておりますので、『ラーゲリより愛を込めて』も含め、東京国際映画祭のご発展をお祈りいたします。今日はありがとうございます。

・レッドカーペットを歩いてみていかがでしたか?
二宮:緊張しますし、僕たちは最後に歩かせていただいたんですが、レッドカーペットの最後は結構華やかといいますか、大所帯で歩くとイメージしていたんですけど、今日現場来たら二人(瀬々監督)でした。
ちょっと皆さんのご想像とは違う最後になってしまったんではないかなという気持ちもあるんですけども、でも本当にレッドカーペットができて、カーペットを観に来ていただいている方に声援を頂きながら、その反対側ではマスコミ取材を受けるという光景が、3年ぶりに(映画祭を)やっているんだなっていう実感と共に込み上げてくるものがありました。やっぱりうれしかったです。

瀬々監督:コロナの状況の中でお客さんを限定するなど色々大変な工夫の中で開催されている感じが伝わってきました。そういう意味ではもう少しこういう状況も続くとは思うのですが、創意工夫で映画祭というものが盛り上がっていければいいなと感じることができて、よかったなと思います。

・映画とはどんな存在ですか?
二宮:もちろん作品や役者の技術、撮影技術など、どんどんどんどん前に進んでいるエンターテイメントの1つだと思いますが、色々な国の映画がありますけど、僕は日本の映画を観るとやっぱり日本の映画っていいなって回顧できる面白いエンターテイメントだなと思っています。
いくら最新の技術を目の当たりにしても最新のお芝居を見ても、それを日本の人たちが作っていると考えながら観ると、日本の映画はやっぱこれだよなって、日本の顔の一つではないですけど、そういうエンターテイメントの1つになっているのかなと思いますね。

・『ラーゲリより愛を込めて』に込めた思い、伝えたいメッセージについて
二宮:本当に日本の映画いいなと思ってもらえると思います。今回の映画は戦争ののちにもたらされた後遺症を描いた話ではあるんですけども、もちろんそういった部分もですが、人間らしさや人間の持つ全ての感情が詰まっているのではないかなと思いますので、そこを見ていただきたいですね。
辛くて苦しくて重たくてしんどいのが続くんですけど、だからこそその先にある希望だったりとか愛だったりとか日本人の絆というものが深く刺さるんではないかなと思いますので、多くの方にご覧いただきたいなと思います。

瀬々監督:二宮くんは非常に辛い状況でも希望を捨てなかった男・山本さんを演じたわけであります。いま実際にウクライナでは戦争が起こっている状況があります。平和って当たり前だなと思っていた部分もあったとは思うのですが、(世界で)実際に起こっている現状を前に、この作品を通してどうやって生きていけばいければいいのかを、77年前に実際に起きた話であり日本の過去の出来事をもう1回捉えなおすことによって、今の時代をもう一度捉えなおすことができたらなあと思って作りました。そういう意味では遠い世界のことではないと思いますので、是非ご覧いただければと思います。

・最後に一言
二宮:沢山の国の素晴らしい作品が集まったお祭りです。ですので楽しんでいただきたいですし
僕らの作品が楽しむということに特化していないので、コメントがちぐはぐにはなりますが、本当に映画祭を楽しんで頂きたいですし、色々な映画を観られる期間となっておりますので、楽しんでいただければなと思います。そしてもしよろしければ、我々の作品も楽しんでいただければなと思います。本日はありがとうございました。
瀬々監督:コロナや戦争など辛い状況ですけども、そんな中でも生きる希望を語り続けていった二宮くん演じる山本幡男という人物を描いた映画です。最後にはものすごい愛の奇跡みたいなものも待ち受けている展開となっております。作品を通してエンターテイメントの力を是非感じて頂き、明日をまた生きようと思っていただければと思っております。時間がありましたら是非ご覧ください。今日はどうもありがとうございました。

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