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杉山すぴ豊
アメキャラ系映画ライター。雑誌や劇場パンフレットなどにコラムを執筆。アメコミ映画のイベントなどではトークショーも。大手広告会社のシニア・エグゼクティブ・ディレクターとしてアメコミ映画のキャンペーンも手がける。
ウィリアム・ハートの跡を継ぎ、ハリソン・フォードがロス将軍に!
マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)のキャスティングで大きなニュースがありました。ハリソン・フォードがついにMCUに参入! 彼が演じるのはサディアス・ロスというキャラクター。もともとハルクのコミックに登場するキャラで陸軍の将軍。その激しさからサンダーボルト・ロス(電撃のロス)とも呼ばれています。
MCUでは2008年の『インクレディブル・ハルク』に登場。ウィリアム・ハートが演じ2016年の『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』で国務長官のロスとして復帰。以後『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018)『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)『ブラック・ウィドウ』(2021)に姿を見せます。
そして今年の夏、再びロスについての関心が集まる発表がありました。サンディエゴ・コミコンにて『サンダーボルツ』が映画化されると正式に発表されたことです。
コミックの設定に基づけば赤いハルクになる可能性も!
コミックにおいて“サンダーボルツ”を名乗るチームは複数あるのですが、2012年にはサンダーボルト・ロスが組織した“サンダーボルツ”というチームが描かれます。もしMCU版がロス版サンダーボルツなら当然ロスが率いることになるわけです。
しかしこの発表の前にウィリアム・ハートが死去。誰がロス役を引き継ぐのか?にも注目が集まりました。結果ハリソン・フォードと発表されたわけです。さらにハリソン・フォード版ロスは新キャプテン・アメリカ映画(サムがキャプテン・アメリカとなる)『キャプテン・アメリカ:ニュー・ワールド・オーダー』(原題/2024年5月3日米国公開)にも登場し、『サンダーボルツ』(原題/2024年7月26日全米公開)へとつながるようです。
ここで一つ気になることが。コミックではロスはレッド・ハルクという赤いハルクに変身するのです(レッド・ハルクとしてサンダーボルツで活躍)。ハリソン・フォードもこの赤いハルクに変身? その可能性はかなりあるかも。
というのも『キャプテン・アメリカ:ニュー・ワールド・オーダー』は超人血清をめぐる話になりそうですし、ドラマ「シー・ハルク:ザ・アトーニー」でも“赤いハルク”のことが言及されています。そう、レッド・ハルク登場への伏線は既に散りばめられているのです。
「死霊館」ユニバースは2作進行中! 生みの親は“恐怖の工場”と強力タッグ
さてMCUと並ぶぐらいシネマティック・ユニバース化しているのがジェームズ・ワン監督仕掛けの「死霊館」ユニバース。2013年の『死霊館』から始まり、そのスピンオフでアナベルちゃん人形をテーマにしたアナベル物を含め計8作が公開。
公開順にタイトルをあげると『アナベル 死霊館の人形』(2014)『死霊館 エンフィールド事件』(2016)『アナベル 死霊人形の誕生』(2017)『死霊館のシスター』(2018)『ラ・ヨローナ〜泣く女〜』(2019)『アナベル 死霊博物館』(2019)『死霊館 悪魔のせいなら、無罪。』(2021)となり、なんと全世界で20億ドル稼いでいます。そしてこのシリーズの新作が2本作られる模様。
まず2023年9月8日に『死霊館のシスター』の続編が米国公開予定。そして本家『死霊館』の4作目(『死霊館 悪魔のせいなら、無罪。』のストレートな続編)が作られる模様。『死霊館』は実在した女性霊媒師と心霊学者のウォーレン夫婦がキーとなるお話で、この夫婦をヴェラ・ファーミガとパトリック・ウィルソンが演じています。当然この4作目も彼らが続投。
どんなお話になるのか未定ですが一応このシリーズは“実話”がベースなので、ウォーレン夫婦の記録を調べれば「この事件の映画化かな?」と目星はつくかも。今回もジェームズ・ワンはメガホンをとらずプロデュースにまわる模様。
一方ジェームズ・ワンは『透明人間』(2020)等のホラーの大御所ブラムハウスと手を組み『M3GAN/ミーガン』なるSFホラー物もプロデュース。すでに予告がリリース。少女型のAIロボット“ミーガン”が巻き起こす恐怖を描く。
人形系ホラーとも言えますが動き回る分アナベルというよりチャッキーに近いかな? ワン監督が手掛けた傑作ホラー『マリグナント 狂暴な悪夢』(2021)並みの暴れっぷりをミーガンには期待したいですね。