カバー画像:Photo by Nicholas Hunt/Getty Images for STARZ
杉山すぴ豊
アメキャラ系映画ライター。雑誌や劇場パンフレットなどにコラムを執筆。アメコミ映画のイベントなどではトークショーも。大手広告会社のシニア・エグゼクティブ・ディレクターとしてアメコミ映画のキャンペーンも手がける。
サイン会へのご来場ありがとうございました!
東京コミコン2022が盛況のうちに終わりました。SCREENさんのブースでの僕のサイン会に来てくれた皆さんありがとうございました! コミコンは本当に見どころいっぱい&買い物もしたということで時間が足りなくなりますが、そうした中僕のために時間を割いてくださって本当に感謝です。来年は大阪コミコンと東京コミコンとダブルなのでまたぜひ盛り上がりましょう!
ネタバレ注意! 『 ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』のトリビア
まずは公開から1ヶ月以上経つので『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』についてのネタバレ・トリビアについて2つほど解説したいと思います。
エンド・クレジットのおまけシーンでティ・チャラの息子が登場します。彼のハイチでの名は“トゥーサン”ですが、これはフランスと戦ってハイチの独立を確保した、ハイチ革命の英雄トゥーサン・ルーヴェルチュール将軍に由来。コミックにもティ・チャラの息子はいるのですが、別バースにいて、名前はAzari(アザリ)。母親はX-MENのストーム!(そう初期の映画版ではハル・ベリーが演じていた天候を操るミュータント)。従って今回のトゥーサン/ティ・チャラ王子はMCUオリジナルのティ・チャラの息子です。
ワカンダのためにアメリカを裏切り逮捕されたエージェント・ロス。彼を護送する車のナンバープレートが“CB112976”なのはチャドウィック・ボーズマン氏の誕生日1976年11月29日に由来するのです。
アメコミ映画だけじゃない! 2023年はホラー映画も続々公開
さて2023年も沢山のアメコミ・ヒーロー映画が公開されますがここではそれ以外の話題についてとりあげましょう。2023年はホラー映画の話題作も続々公開。中でも僕が期待しているのが『M3GAN/ミーガン』『セーラムズ・ロット(原題)』『イビル・デッド・ライズ(原題)』の3本。
『M3GAN/ミーガン』はあの『死霊館』シリーズのジェームズ・ワンと『透明人間』(2020)『ハロウィン』(2018)を成功させたジェイソン・ブラムという、いまのホラー映画界を牽引する2人が久しぶりにタッグを組んだSFホラー映画。
両親を亡くした少女ケイティをなぐさめるためにAI搭載の少女型人形〈ミーガン〉が彼女のコンパニオンとして採用されますが、ミーガンのケイティ愛が暴走し惨劇が。アナベルちゃんみたいなベイマックスがチャッキーになってしまうような映画(笑)。このミーガンも美しく、美少女ホラーのバリエーションかもしれません。
『セーラムズ・ロット(原題)』は、スティーヴン・キングの吸血鬼小説「呪われた町」の映画化。かつてあのトビ・フーパー監督によってTVのミニシリーズ・ドラマ化され、日本ではそれを編集して『死霊伝説』(1979)というタイトルでひっそりと公開されました。
小説自体は面白いですが『死霊伝説』は元々長尺のテレビ・ドラマをぶったぎっているし、表現もTV放送用なので若干マイルド。そんなに評判はよくなかったですが、個人的には吸血鬼のデザインや独特の動き(逆まわし撮影を使って人間ではない歩き方とか工夫したらしい)が相当怖かった印象があります。『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』シリーズなみにしっかり映画化してくれることを期待します。
『イビル・デッド・ライズ(原題)』は、なんと『死霊のはらわた』最新作! 『死霊のはらわた』(1981)『死霊のはらわたⅡ』(1987)『キャプテン・スーパーマーケット』(1992)『死霊のはらわた(リメイク版)』(2013)に次ぐ5作目の劇場映画となります。本作の生みの親サム・ライミとブルース・キャンベルが製作総指揮。サム・ライミは脚本も手掛けます。
『死霊のはらわた』がまたスクリーンで楽しめることは大きな喜びですが、このシリーズは“死者の書”という禁断の魔書によって邪悪な者たちが蘇るというお話です。そう!サム・ライミが手掛けたマーベル・シネマティック・ユニバース作品『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』もまさにそういう話でしたよね。だからファンの間では『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』も『死霊のはらわた』シリーズの1つと言われているのです(笑)。