2023年1月20日より開催される「大映4K映画祭」。4K初披露の目玉作品の一つとして『夜の河』が世界初上映される。さらに2月16日より開催の第73回ベルリン国際映画祭クラシック部門(Berlinale Classics section)でインターナショナル・プレミア上映(海外では初上映)が決定した。

「女性映画の巨匠」吉村公三郎監督の代表作のひとつ

KADOKAWA(大映)作品が本映画祭に選出されるのは2015年の第65回フォーラム部門で市川崑監督の『炎上』『おとうと』『雪之丞変化』が上映されて以来8年ぶり。選考委員会の選出理由は二つ。伝統を現代へと継承する中で強く生きる女性の物語を雄弁に物語る映像に魅了されたこと、日本のカラー映画初期の本作のレストレーションの質の高さに感銘を受けたことが挙げられている。

ドイツと日本でのダブル上映を記念して、『夜の河』の当時の予告編を4K映像で制作しなおしたもの、および4K化にあたってどのくらいの違いが出ているかを確認できる場面写真4点(4K―Before/After 合成写真)が解禁された。

画像1: 「女性映画の巨匠」吉村公三郎監督の代表作のひとつ
画像2: 「女性映画の巨匠」吉村公三郎監督の代表作のひとつ
画像3: 「女性映画の巨匠」吉村公三郎監督の代表作のひとつ

『夜の河』は「女性映画の巨匠」とも呼ばれている吉村公三郎監督の代表作のひとつ。溝口健二、黒澤明、小津安二郎、市川崑など日本を代表する巨匠の作品の撮影をつとめた名キャメラマン・宮川一夫が撮影、主演にミス日本初代グランプリの山本富士子を迎え、叶わぬ恋を切なく描くラブストーリー。
現代にも通ずる恋と仕事のはざまに悩むヒロインの揺れる心情を繊細に描いた傑作として有名だが、こちらの予告は今回の上映に合わせてリマスターしたもので、当時の京都の街並みや和装・洋装の着こなしがクリアに確認できるのも見どころのひとつ。1956年公開当時の予告編は現在よりも秒数が多く、より本編の内容を垣間見られるのも特徴。

画像: 【大映4K映画祭】夜の河/予告編 youtu.be

【大映4K映画祭】夜の河/予告編

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『夜の河』(1956年/カラー/104分/スタンダード) 
監督:吉村公三郎 原作:沢野久雄 脚本:田中澄江 撮影:宮川一夫 美術:内藤昭 音楽:池野成
出演:山本富士子、上原謙、小野道子、阿井美千子、川崎敬三

老舗京染屋の長女で、染物職人のきわ(山本)は新しい感性で手腕を発揮し評判を博していた。ある日彼女は大学教授の竹村(上原)と出会い恋に落ちるが、男には娘と病床に伏す妻がいた。

©KADOKAWA1956

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