この冬、実際に起こった“事件”が契機となり生まれた社会派映画の注目作が続々公開される。高校銃乱射事件、少女誘拐事件、9.11テロ、性的暴行事件。それぞれの事件に関わる人々の感情の機微に、きっと心が震えるはずだ。

銃乱射事件から6年後。被害者家族と加害者家族が“対峙”する・・・
『対峙』2月10日(金)全国公開

アメリカのある高校で生徒による銃乱射事件が発生し、多くの同級生が死亡。犯人の少年もそのまま校内で自ら命を絶った。それから6年、事件で息子を殺された“被害者”の両親と、事件を起こした“加害者”の両親が、セラピストの勧めで対面することになる――

監督を務めるのは映画『キャビン』などで知られる俳優出身のフラン・クランツで、本作が監督・脚本デビュー作。クランツは、2018年にパークランドの⾼校で起きた銃乱射事件のニュースで泣きながらインタビューに答える⽗兄の⾔葉に激しく動揺し、学校内銃撃事件について深く掘り下げるようになり、銃撃犯の両親と犠牲者の両親との会談に関する報告書と出会う。本作自体は実際の事件を描いたものではないが、4⼈の会話のみを通じて銃乱射事件の現場の状況やそれぞれの苦悩をまるですぐそばで目撃しているかのようなそのリアルな臨場感は、様々な事件について行った緻密で入念なリサーチの賜物といえる。

画像: 2.10(金)公開『対峙』加害者両親と被害者両親による人生をかけた対話|本予告 www.youtube.com

2.10(金)公開『対峙』加害者両親と被害者両親による人生をかけた対話|本予告

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ほぼ全編に渡って主要キャスト4人よる密室の会話劇という斬新でチャレンジングな設定ながら、英国アカデミー賞をはじめ各国の映画賞81部門でノミネート、釜山国際映画祭フラッシュフォワード部門観客賞をはじめ各国の映画賞43部門で受賞した必見作だ。

『対峙』
2023年2月10日(金) TOHOシネマズ シャンテほか全国公開
配給:トランスフォーマー
© 20207 ECCLES STREET LLC

娘が拉致され、母は自力で取り戻すことを誓う
『母の聖戦』1月20日(金)より全国順次公開

メキシコ北部の町で暮らすシングルマザー、シエロのひとり娘である十代の少女ラウラが犯罪組織に誘拐された。冷酷な脅迫者の要求に従い、20万ペソの身代金を支払うも、ラウラは帰ってこない。相談した警察にも相手にされないシエロは、自力で娘を取り戻すことを胸に誓い、犯罪組織の調査に乗り出す――

本作は、犯罪組織に誘拐された娘を奪還するために命がけの闘争に身を投じた女性の実話をベースにした衝撃作。ごく平凡なシングルマザーの主人公がたどる想像を絶する運命を映し出していく。プロデューサーには、世界的名匠のダルデンヌ兄弟やルーマニアのクリスティアン・ムンジウ監督などが参加。第74回カンヌ国際映画祭で大反響を呼び「ある視点」部門で勇気賞を受賞し、第34回東京国際映画祭でも審査委員特別賞を受賞した注目作となっている。

画像: 【公式】映画『母の聖戦』特報映像ついに解禁!                      誘拐ビジネスが蔓延するメキシコ。激昂した母は、娘を取り返すために修羅と化したー www.youtube.com

【公式】映画『母の聖戦』特報映像ついに解禁!                      誘拐ビジネスが蔓延するメキシコ。激昂した母は、娘を取り返すために修羅と化したー

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『母の聖戦』
1月20日(金)より全国ロードショー
配給:ハーク
© MENUETTO FILM, ONE FOR THE ROAD,LES FILMS DU FLEUVE, MOBRA FILMS,TEOREMA All rights Reserved.

9.11テロ発生後、犠牲者の命をドル換算した男がいたー
『ワース 命の値段』2月23日(木・祝)全国公開

アメリカを襲った未曾有の大惨事9.11テロの発生直後、途方もない仕事に挑んだ人々がいた。それは約7000人ものテロ被害者に補償金を分配する国家的な大事業。このプログラムを束ねる弁護士ケン・ファインバーグは、前代未聞の難題に直面する。それは、年齢も職種もバラバラの犠牲者たちの“値段”を算出することだった――

全米の道徳観を揺さぶったこの知られざる実話は、犠牲者遺族それぞれの苦悩と向き合い、厳しい批判に晒されながらも、使命に立ち向かった弁護士たちの驚くべき2年間の軌跡。マイケル・キートンが主演とプロデュースに名乗りを上げ、熱狂的な映画好きとして知られるバラク・オバマ元大統領夫妻が創設した製作会社ハイヤー・グラウンド・プロダクションズがいち早く配給権を獲得したことでも話題の一作だ。

画像: 2/23(木・祝) 公開『ワース 命の値段』本予告 www.youtube.com

2/23(木・祝) 公開『ワース 命の値段』本予告

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『ワース 命の値段』
2月23日(木・祝)、TOHOシネマズ シャンテほか全国公開
配給:ロングライド
© 2020WILW Holdings LLC. All Rights Reserved.

揉み消されてきた性的暴行事件、それを明るみにした者たちの戦い
『SHE SAID/シー・セッド その名を暴け』全国公開中

2017年、ニューヨーク・タイムズ紙が報じた1つの記事が世界中で社会現象を巻き起こした。数々の名作を手掛けた映画プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタインのセクハラ・性的暴行事件を告発したその記事は、映画業界のみならず国を超えて性犯罪の被害の声を促し、#MeToo運動を爆発させた契機となった。

ピューリッツァー賞を受賞した調査報道を基に制作され、その衝撃の事件を追う2人の女性記者の視点で描かれる本作には、『それでも夜は明ける』『ムーンライト』の製作陣が集結。巨大権力に挑んだ2人の記者を、2度のアカデミー®主演女優賞ノミネートのキャリー・マリガンとゾーイ・カザンが演じており、マリガンは第80回ゴールデングローブ賞にて助演女優賞にノミネートされたことも話題に。

画像: 映画『SHE SAID/シー・セッド その名を暴け』90秒予告/2023年1月13日(金)全国公開 www.youtube.com

映画『SHE SAID/シー・セッド その名を暴け』90秒予告/2023年1月13日(金)全国公開

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『SHE SAID/シー・セッド その名を暴け』
公開中
配給:東宝東和
© Universal Studios. All Rights Reserved.

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