噂の朗読劇「ダンテの声」、一夜限りの日本初上演
2020年ニューヨーク・タイムズによって21世紀の最も優れた25人の俳優の1人に選ばれたイタリアの名優トニ・セルヴィッロが、「イタリア映画祭2023」(東京会場:5月2日~7日)にあわせて初来日する。
セルヴィッロは、当初は演劇を活動の場としていたが、30代になって映画界にも進出。評価を決定づけたのが、アカデミー賞外国語映画賞を受賞した盟友パオロ・ソレンティーノ監督作『グレート・ビューティー/追憶のローマ』の作家でジャーナリストのジェップ役。その他、現代イタリアの腐敗や偽善、栄光、不条理な強さを描くソレンティーノの作品には無くてはならない存在として、実在の政治家、首相など複雑なキャラクターを演じている。ヨーロッパ映画賞〈男優賞〉を二度、ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞〈主演男優賞〉を四度受賞し、今も映画と舞台の両輪で活躍。演出家として舞台や、モーツァルト、ムソルグスキー、ロッシーニ、プッチーニのオペラの演出なども手掛ける。
この度、現代ナポリを代表する小説家・演出家でもあるジュゼッペ・モンテサーノによるセルヴィッロによる朗読劇「ダンテの声」の日本上演が決定。
「ダンテの声」はミラノのピッコロ・テアトロ・ディ・ミラノ - ヨーロッパ劇場により製作され、ダンテ・アリギエーリの『神曲』を原作に現代社会に照らし合わせながら、人間の情熱を探求する旅を描いたもの。モンテサーノは、哲学の教師、演出家、小説家と多方面で活躍しており、イタリア文学界最高の賞であるストレーガ賞のファイナリスト、また1999年発表の 『Nel corpo di Napoli』でナポリ賞を受賞している。モンテサーノによる独自の解釈とセルヴィッロのコラボレーションは、大きな話題を集め、イタリアの各都市のほか、リスボン、プラハ、パリなどヨーロッパ各地で上演されており、今回の初来日に際し、アジア初の日本での開催が叶う運びとなった。
スクリーン越しとはまた異なる舞台俳優・演出家としての顔をもつセルヴィッロの円熟した演技、肉声を生の朗読劇で堪能できる稀有な機会となっている。
くしくも「イタリア映画祭2023」での上映作品は、演劇に関連の深いタイトルが集まっていることにも注目したい。
ロベルト・アンドー監督作『奇妙なこと』は、20世紀を代表するノーベル文学賞受賞作家で劇作家のルイージ・ピランデッロの戯曲『作者を探す六人の登場人物』がどのように世に出ることになったかを描き、セルヴィッロがルイージ・ピランデッロ本人を演じている。オープニング上映作品『遺灰は語る』は、ピランデッロの遺灰がローマから故郷シチリアに運ばれる旅を描く、タヴィアーニ兄弟の弟パオロによるベルリン映画祭国際批評家連盟賞に輝いた一作だ。
朗読劇「ダンテの声」 ジュゼッペ・モンテサーノ作(日本語字幕付)
開催日時:2023年5月5日(金・祝)19:00(開場18:30)
場所:イタリア文化会館ホール
主催:イタリア文化会館
制作:ミラノ・ピッコロ座
※入場無料
お申込み: https://iictokyobooking.net/rsv/6186/
※4/18正午より上記URLより、申込み受付スタート
※定員になり次第、受付は終了いたします。
お問合せ:イタリア文化会館(eventi.iictokyo@esteri.it)
【イタリア映画祭2023】
▼東京会場
会期: 5月2日(火)~5月7日(日)
会場:有楽町朝日ホール(東京都千代田区有楽町2-5-1 有楽町マリオン11階)
▼大阪会場
会期:6月10日(土)~6月11日(日)
会場:ABCホール(大阪府大阪市福島区福島1-1-30)