『ビデオドローム 4K ディレクターズカット版』公開記念
独⾃の美学に貫かれた戰慄的な映像と⾁体や精神の変容を追求する作⾵で、<ボディ・ホラー>の先駆者として孤⾼の存在感を放ち続けているデヴィッド・クローネンバーグ監督。先⽇⽇本公開が発表された最新作『クライムズ・オブ・ザ・フューチャー』も話題の、そんなクローネンバーグ監督による『ビデオドローム』が2023年、全⽶公開から40周年の時を経て⽇本初公開となる4デジタルレストアに加え、本編の随所に追加された合計2分間に及ぶバイオレンスシーンを含む89分のディレクターズカット版でスクリーンに蘇る。この度、本作の公開を記念して、6月9日(⾦)〜6月15日(⽊)の1週間限定でシネ・リーブル池袋にて【デヴィッド・クローネンバーグ監督特集上映】の開催が決定︕クローネンバーグ監督の初期作品を中⼼とした計8作品を上映する。
ラインナップは、6⽉16⽇(⾦)に公開をひかえた『ビデオドローム 4K ディレクターズカット版』、7⽉7⽇(⾦)より公開の「12ヵ⽉のシネマリレー」を締め括る、第12弾『裸のランチ 4K レストア版』の2本を先⾏上映。また、出世作であり⼈気作『スキャナーズ』(ʻ81)に加え、夫婦間
や親⼦間の関係を軸に⼈体の変貌や異形の誕⽣を描き出すホラー『ザ・ブルード/怒りのメタファー』(ʻ79)、<クローネンバーグ流レース映画>にして異⾊作『ファイヤーボール』(ʻ81)をはじめ、クローネンバーグ監督が学⽣時代に監督した初期短編『ステレオ/均衡の遺失』(ʻ69)と『クライム・オブ・ザ・フューチャー/未来犯罪の確率』(ʻ70)は2本⽴てで上映する。さらに、⽗デヴィッド・クローネンバーグの遺伝⼦を受け継いだ新たな⻤才ブランドン・クローネンバーグ監督による⻑編第⼆作『ポゼッサー』(ʻ20)も特別上映。尚、『ビデオドローム 4K ディレクターズカット版』上映後にはシネマンション(YouTube チャンネル)によるトークイベントや『ポゼッサー』(ʻ20)の上映後には今回が初のイベントとなる岡奈なな⼦(YouTuber)によるトークイベントも決定︕上映後に映画の魅⼒を深掘れるファンにはたまらないイベントとなっている。
━━ 上映作品 ━━
『テアトル・クラシックスACT.3 ビデオドローム 4K ディレクターズカット版』 ━━ VIDEODROME 先行上映
暴⼒やポルノが売り物のケーブルテレビ局を経営する主⼈公マックスは、ある⽇部下が偶然傍受した電波から<ビデオドローム>という番組の存在を知る。そこには過激な拷問や殺⼈が⽣々しく映し出されていた。そんなある⽇、調査の中で、<ビデオドローム>は⾒た者の脳に腫瘍を⽣じさせ、幻覚を⾒させることが分かる。やがて<ビデオドローム>に⽀配されてゆくマックスの世界も、均衡が崩れてゆく…。
出演︓ジェームズ・ウッズ、ソーニャ・スミッツ、デボラ・ハリー、ピーター・ドゥヴォルスキー
1982年/カナダ/89分/カラー/R-18
©1982 Guradian Trust Company.All Rights Reserved.
『裸のランチ 4K レストア版』 ━━ Naked Lunch 先行上映
1953年、ニューヨーク。害⾍駆除員のリーは誤って妻を射殺、ドラッグに溺れ、謎の⽣物に⾔われるままスパイ活動に巻き込まれていく男の冒険譚。映像化不可能と⾔われたW・S・バロウズの代表作を⻤才クローネンバーグ監督が映画化し、カルト的⼈気を誇る問題作。バロウズ⾃⾝の半⽣を盛り込み、⼤胆な脚⾊と鮮烈な想像⼒で描く。
出演︓ピーター・ウェラー、ジュディ・デイヴィス、イアン・ホルム、ジュリアン・サンズ、ロイ・シャイダー
1991年/イギリス、カナダ/116分/カラー/ビスタ 配給︓東北新社
© Recorded Picture Company (Productions) Limited and Naked Lunch Productions Limited. 1991.
『スキャナーズ』 ━━ Scanners
超能⼒者たちの戦いを描いたSF スリラーにしてクローネンバーグの出世作。無⼝な放浪者キャメロン・ベイルは、警備会社コンセック社に拉致され、⾃分がスキャナーと呼ばれる超能⼒者であることを知らされる。その頃、別のスキャナー、レヴォック(はその能⼒により世界征服を企んでいた。コンセック社の要請でレヴォック殺害を命じられたベイルは、⼥性スキャナー、キム(と共に彼を追跡するが、そこには⾃分とレヴォックにまつわる恐ろしい秘密が隠されていた…。
出演︓スティーヴン・ラック ジェニファー・オニール、マイケル・アイアンサイド
1981年/カナダ/103分/カラー/ビスタ 配給︓TCE/是空
© 1980 Filmplan International Inc. All rights reserved
『ザ・ブルード/怒りのメタファ ー』 ━━ The Brood
夫婦間や親⼦間の関係を軸に科学実験が⽣んだおぞましい恐怖を描いたホラー。⼈体の変貌、異形の物といったクローネンバーグの“恐怖の原点”。幼少期に受けた虐待が原因で神経症を患うノーラは、精神科医ラグラン博⼠の“サイコ・プラズミック"療法を受ける為、郊外の診療施設に⼊院していた。しかしノーラの夫フランクは妻を隔離し⾯会させないラグランに不信感を抱く。そんな時にフラ
ンクの周囲で連続して惨殺事件が発⽣する──。
出演︓オリヴァー・リード サマンサ・エッガー 、アート・ヒンドル
1979年/カナダ/91分/カラー/ビスタ 配給︓TCE/是空
© 1979 The Brood Films Inc. All rights reserved
『ファイヤーボール』 ━━ FAST COMPANY
⽶ドラッグレース界の⼈気レーサー、ロニー・"ラッキーマン"・ジョンソン(ウィリアム・スミス)は仲間たちとチーム“ファスト・カンパニー”を率い、各地のサーキットを巡回する⽣活を送っていた。ところがニューマシンのデビュー戦でマシンが爆発炎上、ロニーは奇跡的に無傷だったものの、この事故をきっかけに悪徳スポンサーのフィル・アダムソン(ジョン・サクソン)と対⽴、レース界から永久追放されてしまう。絶体絶命のロニーと彼のチームは奪われた愛⾞を取り戻し、再びレースに出場するがそこには恐るべき罠が仕掛けられていた・・・。
出演︓スティーヴン・ラック ジェニファー・オニール、マイケル・アイアンサイド
1981年/カナダ/103分/カラー/ビスタ 配給︓TCE/是空
© 1978 QUADRANT DISTRIBUTING LTD. ALL RIGHTS RESERVED.
『ステレオ/均衡の遺失』 ━━ STEREO
クローネンバーグが学⽣時代に監督した初期短編の⼀作。研究施設でテレパシーの実験体となり、投薬や治療を受ける複数の男⼥。
やがて、彼らは対⽴し、あるいは孤⽴していき…。科学やテクノロジーと、それに翻弄される⼈間、というクローネンバーグ作品に通底するテーマの萌芽が⾒られる。
出演 ロナルド・モロジック、ジャック・メッシンガー、K・マイヤー
1969年/カナダ/63分/モノクロ 配給︓TCE/是空
『クライム・オブ・ザ・フューチャー/未来犯罪の確⽴』 ━━ CRIME OF THE FUTURE
クローネンバーグ初期短編の⼀作。2023年公開の新作『クライム・オブ・ザ・フューチャー』と同タイトルだが、直接的な関連性は無いと⾔われている。「私はトライポッド…」謎の男のモノローグで語られる、未来社会における疫病『ルージュ病』の研究にまつわる物語。
出演 ロナルド・モロジック ジョン・リドルト タニア・ゾルティ
1970年/カナダ/63分/カラー 配給︓TCE/是空
『ポゼッサー』 ━━ Possessor
タシャは、殺⼈を請け負う企業に勤務するベテラン暗殺者。上司のミッションのもと、特殊なデバイスを使ってターゲットに近しい⼈間の意識に⼊り込む。そして徐々に⼈格を乗っ取っていきターゲットを仕留めたあとは、ホストを⾃殺に追い込んで“離脱”する。すべてが速やかに完遂されていたが、あるミッションを機にタシャのなかの何かが狂い始める…。
監督︓ブランドン・クローネンバーグ
出演︓アンドレア・ライズボロー、クリストファー・アボット、ジェニファー・ジェイソン・リーショーン・ビーン、ガブリエル・グラハム、ロッシフ・サザーランド
2020年/イギリス・カナダ/ 104分/カラー 配給︓キングレコード