幻の未公開映画!侯孝賢監督と脚本家・朱天文の初タッグ作品『少年』デジタルリマスター版 日本劇場初公開!
台湾を代表する世界的映画監督ホウ・シャオシェン(侯孝賢)と脚本家のチュウ・ティェンウェン(朱天文)がはじめてタッグと組んだ、台湾ニューシネマの原点ともいえる幻の作品『少年』デジタルリマスター版が日本劇場初上映となる。
ホウ・シャオシェンが盟友チェン・クンホウ(陳坤厚)の監督作品のために選んだ原作が、気鋭の女性作家チュー・ティエンウェンの短編小説「少年(小畢的故事)」でした。ホウ・シャオシェンとチュウ・ティェンウェン。この劇的な出会いが、ホウ・シャオシェンと台湾映画を世界の舞台に登場させた。
本作はホウ監督の少年期の姿が色濃く描かれ、『風櫃の少年』『童年往事 時の流れ』に連なる≪侯孝賢映画≫の中でも記念碑的な作品と言える。これ以降、ホウ監督作品の脚本は最新作『黒衣の刺客』まですべてチュー・ティエンウェンが担当している。
この度、村上春樹『猫を棄てる 父親について語るとき』(文藝春秋)の装丁・挿画を手掛け、村上春樹や松本隆、浅野いにお等が絶賛した漫画『緑の歌 - 収集群風 -』(KAKOKAWA)の著者で、台湾出身の漫画家・イラストレーターの高妍(ガオ・イェン)より、『少年』の描き下ろしイラストが到着した。
少年アジャの成長譚を描いた本作から、アジャ、母、義父の3人が並んで散歩する後ろ姿が描かれている。少年時代を表現したという青色の背景と、うなだれているアジャを真ん中に、各々の足取りから一家に漂うぎこちない空気が伝わってくる。
また侯孝賢監督の盟友で『少年』のチェン・クンホウ監督より、日本公開に寄せるコメントも到着。
この映画は四十年前の作品です。しかし、その中に描かれた人生の価値が、現代の人々にも理解され共感してもらえるのであれば大変うれしいことにほかなりません。子供が成長していく過程では、どんなことを経験しようとも、それを過ちだと決めつけてはならないと、私はずっと思ってきました。子供たちは、経験の中から、どのように将来に向かい合うのかを学ぶはずだからです。
小畢〔シャオビー〕の姿に、私たちはかつての自分を見出すことができるでしょう。
日本の観客の皆さんが、この映画を気に入ってくだされば幸いです。ありがとうございます。
(陳坤厚/映画『少年』監督)