アメリカ・インディーズ映画界の鬼才、アベル・フェラーラと名優にして怪優、ハーヴェイ・カイテルがタッグを組んだ、世にも強烈な映画『バッド・ルーテナント/刑事とドラッグとキリスト』が2024年1月19日(金)よりシネマート新宿ほか全国順次リバイバル公開される。

この傑作に対峙する時がやってきた

ハーヴェイ・カイテルが笑みとも泣き顔ともとれる表情を浮かべ、全裸でカメラに前に現れている衝撃的なカット。本作『バッド・ルーテナント/刑事とドラッグとキリスト』は、稀代の名優カイテルが『ピアノ・レッスン』や『スモーク』の記憶を我々から喪失させるほどの怪演、『タクシードライバー』の狂気をはるかに超える凄まじい演技をみせ、全米を驚愕させた作品である。
監督はクリストファー・ウォーケン主演の『キング・オブ・ニューヨーク』『フューネラル』、それから『スネーク・アイズ』『アディクション』などで知られ、俳優ローレンス・フィッシュバーンからは「ギャングスタ詩人」とも呼ばれている、アメリカのインディーズ映画界でも一際異彩を放つ鬼才中の鬼才アベル・フェラーラ。
二人がタッグを組んだ、作品自体が怪物的存在感を放つ『バッド・ルーテナント/刑事とドラッグとキリスト』が2024年1/19(金)よりシネマート新宿他にて堂々リバイバル公開。コカイン中毒、アルコール漬け、買春、賭博とあらゆる悪徳の限りを尽くす、どうしようもない警部補LTを主人公に、都市の退廃、信仰、暴力と弱さの間で葛藤する人間を描いた本作は、神をも恐れぬ描写の数々で公開当時物議を醸すと同時に、批評家たちからはカトリシズムと贖罪を真っ向から描いた作品として高く評価された。ショッキングな暴力描写の数々、映画自体が強いアルコールに沈んでいるかのような酩酊感あふれる映像、そしてなんといっても、都市の暗部を剥き出しの肉体に引き受け、怒り、嘆き喚き、爆走するハーヴェイ・カイテルの演技は最高と言っても過言ではない素晴らしさ。

画像: この傑作に対峙する時がやってきた

この度、二枚の場面写真も解禁。前述した写真に映された、全編の中でもとくに堕落をきわめたシーンは、カイテルの文字通り体を張った姿とともに見る者の脳裏に刻まれること間違いなし。もう一枚は、車にてカイテル=L Tがカメラに銃口をつきつける印象的なシーン。アベル・フェラーラの多くの映画を手がけ、惜しくも2023年12月に亡くなったゲリラ撮影の名手、ケン・ケルシュによる、都市と男たちの貌に肉薄したカメラワークは本作の見どころのひとつだ。

神などいるか分からない地獄のような世界は、悪と絶望をもってしか描けない。だが、そこにも確かに宿る神々しさの正体はいったい何か。アベル・フェラーラが放つ過激な傑作に、対峙するときが再びやってきた。

1992年 / アメリカ / カラー / 96分
監督:アベル・フェラーラ 脚本:ゾーイ・ルンド、アベル・フェラーラ 撮影:ケン・ケルシュ 音楽:ジョー・デリア 製作:エドワード・R・プレスマン、メアリー・ケイン
出演:ハーヴェイ・カイテル、ゾーイ・ルンド、ヴィクター・アルゴ、ポール・ヒップ
© 1992 Bad Lt. PRODUCTIONS, INC

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