1993年に始まり、横浜の文化イベントとして定着している横浜フランス映画祭。今期は2024年3月20日(水・祝)から24日(日)の5日間、春の横浜での開催が決定!この度、本映画祭のラインアップ発表記者会見が実施され、特別アンバサダーとして俳優の役所広司が登壇した。
「映画の仕事を頑張ろうと思えた」フランス映画界へ感謝!
3月20日(水・祝)から24日(日)の5日間にて開催することが決定した横浜フランス映画祭 2024。2月5 日(月)に実施した記者会見には、フィリップ・セトン(在日フランス大使館 駐日フランス大使)、エマニュエル・ピザーラ(ユニフランス東京オフィス責任者)、山中竹春(横浜市長)、田川丈二(日産自動車株式会社 専務執行役員 チーフサステナビリティオフィサー)らが出席し、横浜フランス映画祭 2024の作品ラインアップを発表。また、特別アンバサダーとして役所広司も登壇した。
大きな拍手の中、ブラックスーツに身を包み、特別アンバサダーの役所広司が登場。現在全国公開中の主演を務める映画『PERFECT DAYS』にて、第76回カンヌ国際映画祭で最優秀男優賞を受賞し、本年度の第96回アカデミー賞(R)国際長編映画賞に見事ノミネートされたお祝いに、エマニュエルより花束を贈呈。
役所は「ボンジュール、横浜!」とアンバサダーのお決まりの一言でご挨拶。
「この特別アンバサダーという大役に緊張しています。とにかくフランス映画が好きで、フランスという国を旅行するのも大好きです。僕が初めて国際映画祭に参加したのが、カンヌ国際映画祭でした。今村昌平監督の『うなぎ』でパルムドールを受賞して、授賞式に監督が不在だったので代わりに僕が受取りました。その後、様々な映画祭に招待していただき、その後もフランスの様々な映画祭に参加したことによって、映画の仕事を頑張ろうと、今こうして続けてこられたのかなと、とつくづく感じております。フランスの映画界には感謝の気持ちでいっぱいです。この映画祭でたくさんの方にフランス映画に触れていただきたいと思って参加させていただきました」とフランスへの想い、そして長年の感謝の気持ちを明かした。
「マスタークラス」というイベントを毎年開催し、横浜の学生や一般の聴講を募集して交流する機会も設けている横浜フランス映画祭。その横浜についての印象を尋ねられると、「僕は生まれ故郷が長崎なのですが、横浜も長崎も外国の出入口で、横浜ってどこか親戚のような感覚があります。あの海辺の街に一度は住んでみたいと思うところです」と役所のコメントに隣に座る横浜市長も笑顔をみせた。
また、昨年『PERFECT DAYS』で参加したカンヌ国際映画祭について、“忘れられないエピソード”を伺うと、「やはり最優秀男優賞を受賞した瞬間ですね。監督が涙ぐんで喜んでくださったことには本当に感動しました。授賞式の前に取材していただいたり、一般のお客様たちにも受け入れられたというのを実感しました」と振り返り、先日の米アカデミー賞の国際長編映画賞にノミネートが発表されたのをリアルタイムでYouTubeで見ていたと明かした役所。
そして、「スタッフとキャストたちとレストランで食事をしている時、米アカデミー賞の日本代表に決まったと聞いて、みんなで大喜びしたら周りのお客さんが驚いてしまって。でもその場には映画祭に参加した方もいらっしゃってワインを差し入れてくださったり、まるでオスカーをもう取ったかのように喜びました。その後、15作品に絞られたショートリストにも選ばれた時、そこまで行けばもう十分と思っていたら…人間とは欲深いもので、皆で“アレのアレ”が欲しいねって話してます(笑)」と更なる高みを目指し、オスカーへの意欲をみせた。
マスコミの質問受付になると、“生涯に残るフランス映画”を聞かれ、「『禁じられた遊び』(ルネ・クレマン監督)ですね。何度観ても感動するし、今の時代にもマッチするのではないかと思います」と理由とともに挙げた。
続いて、過去のフランス映画にまつわるエピソードを受け、“フランス映画から受け取ったもの”について尋ねられると、「フランス映画は中学生くらいからよく観に行っていて、『個人教授』など、恋愛についてはかなり勉強したと思います(笑)フランス映画は人間ドラマとしても、コメディも、大人が楽しめる作品が多い気がします。日本にも大人のお客さんが足を運んでいただける、大人の映画がもっと増えるといいなと思っております」と返答した。
これから『PERFECT DAYS』のアメリカ公開に向けて渡米する予定とのことで、「来て!と呼ばれまして…行ってきます(笑)。楽しんできたいと思います!」とコメントし、会見は幕を閉じた。
<作品一覧>
「Àma Gloria(原題)」
「アニマル ぼくたちと動物のこと」
「Bâtiment 5(原題)」
「美しき仕事 4Kレストア版」
「画家ボナール ピエールとマルト」
「カネと血」
「けもの」
「コンセント/同意」
「愛する時」
「Neneh Superstar(原題)」
「めくらやなぎと眠る女」
「日本のシドニー(仮題)」
「Vermines (原題)」