登壇したのは主演の役所広司、監督・脚本のヴィム・ヴェンダース、出演者の麻生祐未、柄本時生の4人。
アカデミー賞授賞式に出席するのが初めてという役所広司は、授賞式への出席についてこう語った。
「明日、どんなところに連れて行ってもらえるのか想像がつかないんですが、今まで観ていたアカデミー賞のレッドカーペットから授賞式の映像で、あそこに自分が行くというのは想像しにくくてちょっと緊張しています。楽しめるかどうか分からないですが、恐らく監督の後ろでニコニコ笑っているだけだと思います。テレビで観ているといろいろなパフォーマンスがあったり、有名な歌手が歌ったりというのは楽しみですね。受賞者は、いろいろと時代や世界情勢に合わせていろんなスピーチをされるので、それが楽しみではあるんですけど、テレビで観ているのと違って字幕スーパーがないので、その辺、楽しめるかどうか分からないですね。でも、やっぱり、今までスクリーンで観てきた人達を観るのは楽しみですね」
また、どんな映画人に話しかけたいかと聞くと、「これまで、ヴェンダース監督と一緒にニューヨークやロサンゼルスで上映会をやって来ましたし、ノミネートされた人達のパーティーにも出て、いろんな人を紹介していただいてお話しできました。まだもちろん全員とは言い切れませんけど、結構、お会いしたい人にお会いできたと思います。例えば、マーティン・スコセッシ監督。ヴェンダース監督の古い友人でもあるので紹介していただいて、この映画『パーフェクト・デイズ』もとても気に入ってくださったんで嬉しかったです」と答えると、隣に座っていたヴェンダース監督が、「私たちは沢山の有名人との自撮りを撮りましたよ」と付け加えた。
息もピッタリの2人は、これまで映画のプロモーションに奔走した。そんなヴェンダースとの旅については、「カンヌから始まった監督との長い旅も、明日で一応、最後かなと思うとちょっと寂しいですね。最後はケーキを美味しく食べたいなと思います」と話した。
国際的に本作が評価されたことについてヴェンダーズは、「皆さんご存知の通りこの映画はアクション映画 ではありません。スーパーヒーローではなく、本当の意味でのヒ ーローを描いた映画です。ブロックバスター映画ではない本作がこれだけの成功を収めたのは、私にも驚きであります。それは、とても心を動かされた経験になりました。平 山は人々の心に本当に届いたのだと思います。なので、この時点ですでに私の夢を遙かに超えた結果が得られているのです。そして、ファンの方々から、心を動かされたと沢山のメッセージを受け取りましたが、それ以上に嬉しいことはありません。賞を取るよりも遙かに 嬉しいことです」と話した。
文・写真 はせがわいずみ
編集 K&K