1974年のアビイ・ロード・スタジオにタイムスリップ!
デヴィッド・リッチフィールド監督による映画本編に加え、今回の劇場公開では、ポール・マッカートニーがアコースティック・ギターで彼のカタログから愛すべき楽曲を演奏する未発表のバックヤード・セッションが初披露。ハイライトは、未発表曲「ブラックプール」や、ジョン・レノンと初めて会った時に演奏した「トゥエンティ・フライト・ロック」のようなパーソナル・フェイバリットなど。またこの劇場公開では、劇場独占映像となるポール・マッカートニーによる撮り下ろしのイントロダクションや、レコーディング・セッションの未公開ポラロイド写真も初公開される。
『ワン・ハンド・クラッピング』では、シングル「ジュニアズ・ファーム」をレコーディングしたナッシュビルから戻ったばかりのウイングスの新ラインナップが披露された。前年1973年にリリースされたウイングスの傑作『バンド・オン・ザ・ラン』のレコーディング直前に、デニー・サイウェルとヘンリー・マカロックが突然脱退した後、ポール、リンダ、デニー・レインの3人は、ギタリストのジミー・マカロックとドラマーのジェフ・ブリトンを新たにメンバーとして迎える。スタジオにはさらにオーケストラ・アレンジャーのデル・ニューマンとサックス奏者のハウイー・ケイシーが加わった。
『ワン・ハンド・クラッピング』のテーマ曲とも言えるインストゥルメンタル・ジャムで幕を開ける本作は、観る人の心に響く魅惑的なライヴ・パフォーマンスが目白押し。「007 死ぬのは奴らだ」、「バンド・オン・ザ・ラン」、「ジェット」、「マイ・ラヴ」など、ウイングスの名曲が次々とスタジオ・ライヴ形式で演奏されていく。映画の中でポールは、バンドで活動することの楽しさ、作曲のプロセス、そして14歳の時にキャバレー・シンガーとしての将来があるかもしれないと思ったことなどについて語る。バンドのメンバーからは、ウイングスの一員として、ポールと一緒に仕事をした経験について聞くことができ、リンダと並んで演奏するポールの姿や、ドラマーのジェフ・ブリトンの見事な空手も見られる。
『ワン・ハンド・クラッピング』は、ポール・マッカートニー&ウイングスの揺るぎない功績を称える作品となるだろう。本作にはウイングスが彼らならではのサウンドを発見し、確立した瞬間が捉えられている。ちょうど、ポールがこの10年前にビートルズとともにポピュラー・カルチャーを形作ったのと同じことを、70年代にはウイングスと一緒にやってみせた。
本作は、スタジオで一緒に演奏し、作品を創り上げていくバンドの姿を観ることができる。 ピッチフォーク誌は、『ワン・ハンド・クラッピング』のアルバム記事で「このセッションでのウイングスは、わずか数週間にも関わらず、既に1万時間を一緒に過ごしたかのように結束の固いロックンロール・バンドだ。鋭い集中力と、遊び心にあふれる自然なパフォーマンスをみせてくれる」と述べている。
『ポール・マッカートニー&ウイングス - ワン・ハンド・クラッピング』
9/26(木)ドルビーアトモス特別上映 TOHOシネマズ 日比谷ほか公開
監督:デヴィッド・リッチフィールド
音楽:デニー・レイン、ポール・マッカートニー
出演:ポール・マッカートニー、リンダ・マッカートニー、デニー・レイン、ジェフ・ブリトン、ハウイー・ケイシー、ジミー・マカロック
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