フランス映画界における女性監督の先駆者ディアーヌ・キュリスの監督デビュー作『ペパーミントソーダ』が4K修復版となって12月13日(金)に日本初公開されることが決まった。

13歳と15歳の姉妹を描く青春映画に携わったのは若き日の超一流スタッフたち

本作はディアーヌ・キュリスが少女時代の体験を基に脚本を書き上げ、自ら監督したもので、1977年公開当時、フランスで300万人を動員の大ヒット。ルイ・デリュック賞、全米ナショナル・ボード・オブ・レビュー外国語映画賞に輝き、ニューヨークタイムズ紙ではフランソワ・トリュフォー監督の『大人は判ってくれない』の少女版と評された。

キュリス監督と共同で、少女たちの日常風景を時にコミカルに、時に切なく書いたのは、のちに『つつましき詐欺師』(劇場未) で1996年カンヌ映画祭脚本賞を受賞したアラン・ル・アンリ。

撮影は1992年の『リバー・ランズ・スルー・イット』でアカデミー撮影賞を受賞したフィリップ・ルースロ。1987年の『戦場の小さな天使たち』と1990年の『ヘンリー&ジューン/私が愛した男と女』で2度オスカーにノミネートされている。近年では『ファンタスティック・ビースト』シリーズも担当。

音楽は来日公演も行ったことがある人気歌手兼作家のイヴ・シモン。フランス版ポスターを手掛けたのは、漫画家、イラストレーターとして知られるFloc'hによるもの。後にウディ・アレン作品などを手掛ける彼にとって、初の映画ポスターデザインである。2015年にはルイ・ヴィトンのトラベルブックエディンバラを発表し話題となった。

両親が離婚し、厳しい母とパリのアパルトマンで暮らす13歳のアンヌと15歳のフレデリック。アンヌ役のエレオノール・クラーワインは本作品が映画デビュー作で、後にアニー・ジラルド主演「Vas-y maman」(78・未)「La clé sur la porte」(78・未)やナタリー・ドロン主演「Le temps des vacances」(79・未)に出演。フレデリック役のオディール・ミシェルはブノワ・ジャコ監督イザベル・ユペール主演「Les ailes de la colombe」(81・未)に出演。「Vénus」(84・未)では主演を務めた。

本作の製作40周年記念として、デジタル修復版をフランス・アメリカで公開。米批評サイトRotten Tomatoesの批評家たちが投票するTOMATOMETERで 91%、一般ファンが投票するAUDIENCE SCOREで78%が付与されたのに加え、著名な映画データベースIMDb RATINGで7.0ポイントを獲得。そのみずみずしくも鮮烈な作風は時代を超え批評家、観客に高い評価を得た。

ウェス・アンダーソン監督もお気に入り

『グランド・ブタペスト・ホテル・ブタペスト』のウェス・アンダーソン監督は2021年、自身の監督作品『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』の公開を記念してアリアンス・フランセーズ財団と協力して行った特集上映「ウェス・アンダーソンのフレンチ・コネクション」で、お気に入りのフランス映画7作品を発表。トリュフォーの『恋愛日記』('77)、ジャック・ベッケルの『幸福の設計』('47)などに先んじてトップバッターとして『ペパーミントソーダ』をオープニング作品に選定している。

『ペパーミントソーダ』 4K修復版 
渋谷ホワイトシネクイントほか2024年12月13日(金)公開 
監督:ディアーヌ・キュリス 
主演:エレオノール・クラーワイン 
原題:Diabolo menthe  
英題:Peppermint Soda 
1977年/ フランス映画 / 上映時間 1時間41分 / カラー
配給:RIPPLE V

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