東京・京橋の国立映画アーカイブでは、2024年12月10日(火)より、ポーランドが生んだ巨匠の特集上映企画「映画監督 アンジェイ・ワイダ」を開催する。同タイトルの展覧会に合わせて開催する。

ワイダの作品世界の豊穣さを堪能できる特集上映&展覧会

「ポーランド派」の若き筆頭監督として『地下水道』(1957)や『灰とダイヤモンド』(1958)で世界の映画界に新風を巻き起こし、後には『大理石の男』(1977)や『鉄の男』(1981)を発表して当時の社会主義体制にも抗いながら、ポーランドがたどった苛酷な歴史を題材として、またポーランド文学の名作をたびたび翻案して壮大な物語世界を築き上げてきた巨匠アンジェイ・ワイダ(1926-2016)。

画像: 『鉄の男』©WFDiF

『鉄の男』©WFDiF

本特集は、2019 年に日本美術技術博物館 Manggha(マンガ)のコレクションを中心とする貴重な資料群をもとにクラクフ国立美術館で開催されたワイダ展の初の外国巡回が実現するのを機に、長篇デビュー作の『世代』(1954)から、ワイダが築いた日本との深い関係を示す後期作品『ナスターシャ』(1994)までの 14 作品(14 プログラム)を厳選して上映する。

●貴重な35mmプリントでの上映

ラインナップには貴重な35mmプリントでの上映も含まれる。ワイダの初期作品にして初のカラー映画『ロトナ』(1959)、名優ジョン・ギールグッド主演の『ザ・コンダクター』(1980)は、長年、国内で上映される機会の無かった貴重な作品だ。また、『白樺の林』(1970)と『ヴィルコの娘たち』(1979)は日本におけるワイダの認知に重要な役割を果たした岩波ホールでの公開当時のプリントで楽しむことができる。

画像: 『ロトナ』©WFDiF

『ロトナ』©WFDiF

画像: 『ザ・コンダクター』©WFDiF

『ザ・コンダクター』©WFDiF

画像: 『ヴィルコの娘たち』©WFDiF

『ヴィルコの娘たち』©WFDiF

●ワイダの作品世界への理解を深める講演を開催

『灰とダイヤモンド』の上映後にはポーランドの映画史家ラファウ・シスカ氏(ヤギェロン大学視聴覚芸術研究所准教授)の講演会を開催。本特集と連動する展覧会のキュレーターも務めたシスカ氏の講演を聴くことで、映画監督ワイダの作品世界への理解がいっそう深まることだろう。

画像: 『灰とダイヤモンド』©WFDiF

『灰とダイヤモンド』©WFDiF

●ワイダと日本との深い関係を示す『ナスターシャ』を上映

アンジェイ・ワイダ展の初の外国巡回の場として選ばれた日本。ワイダと日本との関係を示す象徴的な一作として、日本との合作作品『ナスターシャ』を35mmニュープリントで上映。ワイダ自身が演出した舞台劇を原作に、坂東玉三郎が主演を務めた本作に改めて注目したい。

画像: 『ナスターシャ』©1994 H.I.T., SAY-TO WORKSHOP Inc., and Television Tokyo Channel 12 Ltd. 写真提供:松竹

『ナスターシャ』©1994 H.I.T., SAY-TO WORKSHOP Inc., and
Television Tokyo Channel 12 Ltd. 写真提供:松竹

上映作品(計 14 作品、14 プログラム)
『世代』(1954)/『地下水道』(1957)/『灰とダイヤモンド』(1958)/『ロトナ』(1959)★/『夜の終りに』(1960)/『サムソン』(1961)/『すべて売り物』(1968)/『白樺の林』(1970)★/『大理石の男』(1977)/『ヴィルコの娘たち』(1979)★/『ザ・コンダクター』(1980)/『鉄の男』(1981)/『コルチャック先生』(1990)/『ナスターシャ』(1994)★
★印の作品は35mmプリントでの上映。

上映企画と連動して、展覧会「映画監督 アンジェイ・ワイダ」を開催。
展覧会名「映画監督 アンジェイ・ワイダ」
会期:2024年12月10日(土) -2025年3月23日(日) ※月曜日、12月27日(金)-1月5日(日)は休室
会場:国立映画アーカイブ 展示室(7階)

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