人気アメキャラ系映画ライター・杉山すぴ豊さんが、アメコミ・ホラー・SFなど多様なジャンル映画の情報を“深い知識と深い愛”をもってお届けする本連載。今回は2026年大注目のトム・ホランド出演作のほか、公開中の『ヴェノム:ザ・ラストダンス』から製作発表された新作「ゴジラ」に至るまでHOTな話題を横断します!(文・杉山すぴ豊/デジタル編集・スクリーン編集部)
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杉山すぴ豊
アメキャラ系映画ライター。雑誌や劇場パンフレットなどにコラムを執筆。アメコミ映画のイベントなどではトークショーも。大手広告会社のシニア・エグゼクティブ・ディレクターとしてアメコミ映画のキャンペーンも手がける。

ノーラン監督の新作の一週後に「スパイダーマン」第4弾が公開?

画像: 大作のニュースが続々飛び出すトム・ホランド Photo by Lionel Hahn/Getty Images

大作のニュースが続々飛び出すトム・ホランド
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トム・ホランドによるスパイダーマン4作目の公開日が決まったようです。2026年7月24日なんですが、この公開日が話題を呼んでいるんです。まずこの年の5月1日に、ロバート・ダウニーJr.がドクター・ドゥームを演じることで話題の『アベンジャーズ:ドゥームズ・デイ』が公開。翌年の5月7日には『アベンジャーズ:シークレット・ウォーズ』が公開。つまり2つのアベンジャーズ映画の間にスパイダーマンの新作が登場。これだけでもすごいのに、このスパイダーマン4作目の一週間前、つまり7月17日にトム・ホランドとマット・デイモン共演の映画が公開。タイトル、ストーリーは未定ですが、なんと監督はクリストファー・ノーラン!というわけでトム・ホランドのファンにとっても、アメコミ映画好きにとっても2026年はすごい年になりますね。

気になるのはスパイダーマン4作目ですが、ヴェノムは出るのかな?というわけで『ヴェノム:ザ・ラストダンス』もうご覧になりましたか?僕はこの作品の日本語監修を務めさせていただいてわりと早い段階から本編を観ていたのですが、何度観ても最後のくだりにウルっとしてしまいます。ここで一つトリビアを。ゼノファージという怪物にヘリコプターに乗っていた兵士が両足を喰われ「トンプソンがやられた」と上官が叫びます。これはアメコミ好きならニヤリとする場面なんですが、コミックではフラッシュ・トンプソン、そうスパイダーマンことピーターをいじめていた高校時代のあいつが軍人になる。そして両足を戦争で失うんですがシンビオートと合体して限られた時間だけ<エージェント・ヴェノム>という超人兵士になるのです。従ってこの映画で負傷するトンプソンは将来的にこのキャラが映画に登場することを示唆しているのかもしれません。

「スター・ウォーズ」ドラマと『ヴェノム3』に意外なつながり

『ヴェノム:ザ・ラストダンス』ではバンで旅する一家がエディ/ヴェノムと出会います。その時車の中で歌うのがデヴィッド・ボウイの“スペイス・オディティ“という歌です。で、この歌にインスパイアされた“Major Tom (Coming Home)”という曲があって、ドイツのミュージシャン、ピーター・シリングが歌っています。

この“Major Tom (Coming Home)”がなんとスター・ウォーズの新ドラマ「スケルトン・クルー」の予告編に使われているのです!こういう既存の楽曲がスター・ウォーズの世界に使われるのは異例。このことからも本作は今までのスター・ウォーズとは一線を画そうとしているのかな。

「スケルトン・クルー」は4人の子どもたちが古びた宇宙船を見つけ、スター・ウォーズの銀河で冒険するというドラマ・シリーズで「ストレンジャー・シングス 未知の世界」路線を狙っている?配信は12月4日(水)からですが、本作に出演するジュード・ロウは12月6日(金)–8日(日)、東京コミコン2024に参加します。「スケルトン・クルー」について日本のファンの前でなにか語ってくれるかもしれませんね。

「ゴジラ」新作に山崎貴監督続投!

なお「スケルトン・クルー」って骸骨乗組員みたいな意味ですが、これは子どもたちが見つけた宇宙船の中に白骨化した乗組員の死体があったから、という設定によるものです。ちょっとホラー映画っぽいタイトルですよね。というわけで最後にホラー映画の話題を。

アメリカではホラー映画にジャンル分けされるのですが、日本の「ゴジラ」新作が、『ゴジラ-1.0』の山崎貴監督続投で決まりました。この号が出るころにはもっと詳細が出ているかもですが、噂によると新怪獣も登場か?山崎監督自身、ニューヨーク・コミコンでリメイクするなら『ゴジラ対へドラ』(1971)と発言したそうです。このへドラはヘドロから名前をとっていて、当時問題になっていた公害(海洋汚染・大気汚染)をテーマにした怪獣。宇宙生物と公害が化学反応を起こして生まれました。核のゴジラと公害のへドラという、文明批判的な要素が強い怪獣映画です。へドラは怪獣というより洋物ホラーのクリチャー系のモンスター。噂が本当なら山崎マジックでぜひ観てみたい。

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