『哀れなるものたち』につながる監督の原点がここにある。
2009年、世界中を驚愕させたヨルゴス・ランティモス監督のカンヌデビュー作『籠の中の乙女』が4Kレストア版として復活し、2025年1月24日(金)よりBunkamuraル・シネマ 渋谷宮下ほか全国で順次公開されることが決定した。本作で確立された唯一無二の奇妙で異常な描写は、ランティモス監督のその後の作品でも表出し、傑作揃いのフィルモグラフィーを彩ってきた。2023年、同監督作『哀れなるものたち』がアカデミー賞主演女優賞・美術賞・衣装デザイン賞・メイクアップ&ヘアスタイリング賞受賞、ヴェネチア国際映画祭金獅子賞受賞を果たし、興行的にも全世界で大ヒットを記録したが、『籠の中の乙女』はその原点ともいうべき、「支配と服従、自我の目覚め」についての物語である。
今回、4Kレストア版としてのリバイバル上映にあたり、ポスターや予告編も一新された。ランティモス監督は本作について、「私が描きたかったのは、人の心を操作しようとすること、自分の意のままに何かを信じ込ませようとすることが、相手をどこまで極端に走らせてしまうかということです」と語っているが、まさに、その制作意図が表現されたビジュアルと予告編となっている。ランティモス監督の奇妙で不思議な世界を、ぜひ4Kレストア版の美しい映像で体感してほしい。
監督・脚本:ヨルゴス・ランティモス 脚本:エフティミス・フィリップ 製作:ヨルゴス・ツルヤニス
製作総指揮:イラクリス・マヴロイディス 製作補:アティナ・ツァンガリ 撮影:ティミオス・バカタキス
美術・衣裳:エリ・パパゲオルガコプル 編集:ヨルゴス・マブロプサリディス 録音:レアンドロス・ドゥニス
出演:クリストス・ステルギオグル、ミシェル・ヴァレイ、アンゲリキ・パプーリァ、マリア・ツォニ、クリストス・パサリス、アナ・カレジドゥ
2009/ギリシャ/ギリシャ語/シネマスコープ/96分/原題:DOGTOOTH/配給:彩プロ
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