⽣中継を阻⽌しようと警察が乗り込んでくる本編映像を公開!
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youtu.be⾃分たちでこの事態を世界中に⽣中継すると決めたスポーツ局のクルーたち。スタジオにあったカメラを外に持ち出し、テロリストたちが⽴てこもる選⼿村にカメラを向けた。すでに2⼈が殺害され、まだ9⼈が⼈質になっている。しかし、彼らはある重⼤なことに気付く。選⼿村のテレビは、どの国際放送も⾒られるようになっているため、ABCも例外なくテレビに映し出されるのだ。スタジオに⼀気に緊張感が⾛る。テロリストたちが潜む部屋の窓をズームすると、カーテン越しにテレビの光がちらついていた。「……奴らも⽣中継を⾒ている︖警察の動きが筒抜けじゃないのか︖︕」
程なく、警察無線がスタジオにも⼊ってくる。警察も同様に⽣中継を⾒ていたのだ。「ABCの放送を⽌めろ︕」という声とともに、スタジオに警察がなだれ込んで来た…
「⼈⽣最⼤の⼤勝負だった」
「⼈⽣で最も重く、⼤変な仕事になる」という覚悟
「ミュンヘンに⼊る前、私たちは⼊念な準備をしていました。しかし、まさかオリンピック中継がテロ事件の⽣中継へと変わるとは、夢にも思っていませんでした。あの⽇、事件が起きた瞬間に感じたのは、『これは⼈⽣で最も重く、⼤変な仕事になる』という覚悟でした」
テロ事件は突如として発⽣し、ABC スポーツ局のクルーは急遽、22時間に及ぶ⽣中継を実⾏することとなった。その中でメイソンが痛感したのは、想像したことないほどの報道の責任の重さだった。
「私たちの⽣中継の映像を⾒ていたのは、⼀般の視聴者だけではありませんでした。⼈質になった選⼿の家族も、⾃宅の居間で事件の推移を⾒守っていたのです。そのことを知ったとき、私は⾃分たちが担うべき責任の重みをまざまざと実感しました」
さらに、報道が事件の進展に与える影響の⼤きさにも直⾯することになる。報道の⾃由と安全確保のバランスを取る難しさを思い知らされたのだ。
「警察から、⽣中継しているカメラを切るよう指⽰された瞬間、ハッとしました。私たちの中継は、世界中、誰でも⾒ることができる。テロリストたちにも⾒られているかもしれない。これは本当に慎重にならなければと」
⽣中継開始から数時間後、ABCニュースが報道を引き継ぐべきかという議論が持ち上がった。しかし、スポーツ部⾨のトップであるルーン・アーレッジは、断固としてそれを拒否した。
「『私たち以上の報道を、ニュース部⾨ができるはずがない』とルーンは⾔いました。私たちは事件現場から100ヤード(約91メートル)も離れていないところにいました。スポーツ中継に特化した数⼗⼈ものチームでした。その状況を考えれば、ニューヨークにいるニュース部⾨よりも、私たちが続けるべきだと判断したのです」
結果として、ABCスポーツ部⾨は22時間にわたり事件を⽣中継し、歴史に残る報道を成し遂げた。
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本作が描く「⼈間の物語」
『セプテンバー5』は、真実を追い求めた者たちの証⾔
メイソンは、本作の脚本を初めて読んだときの衝撃を振り返る。
「当初は、事実を並べただけの単なるテロ事件の記録映画のようなものかと思っていました。しかし、脚本を読んで驚いたのは、⾮常に深くリサーチされていることと、そこに描かれていたのが『⼈間の物語』だったことです。事件の背景や経過だけでなく、私たちが⽬の前の出来事にどう向き合い、何を感じたのか。私たちの⼼情が深く描かれていることに感⼼しました」
さらに、本作の意義についてこう語る。
「私は⾃分の⽬で⾒たことを語れる数少ない⼀⼈です。あの⽇、中継スタジオにいた⼈のほとんどは亡くなってしまって、もういません。だからこそ、あの⽇あの場にいた仲間たちの⽬と⼼を通して伝えることができるこの機会は、私にとって特別なものです。『セプテンバー5』は、9⽉5⽇に何が起きたのかを忠実に描く物語です。事件が次第に⼤きな悲劇へと発展していく中で、私たちは⼿元の技術を駆使し、正確な報道を⽬指して奮闘しました」と確信を持って本作を語った。
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「正直であれ。正確であれ。そして正しいことをする」
メイソンは現在のメディアの在り⽅についても語っている。
「今は業界全体が、情報を発信する責任をより理解するようになったと思います。テレビにおけるスポーツ中継は、基本的に⽣放送です。ということは、何が起こってもおかしくない。だからこそ準備が肝要であり、今はその教訓が活きています。私たちは正直に真実を追求し、徹底した報道を⾏う責任がこれまで以上にあります。『セプテンバー5』は、事件の真相を伝えるだけでなく、それが描けていると確信しています」
「正直であれ。正確であれ。そして正しいことをする」とメイソン⾃⾝が語り、1972年9⽉5⽇が彼の仕事に対する姿勢に多⼤な影響を与えたように、『セプテンバー5』は、あの⽇の出来事の影響が今⽇までマスコミ全体に続いていることを明確に⽰している。情報を発信する側の責任とは何かを問いかけるとともに、膨⼤な情報が⾶び交う中で⽣きる現代の私たちが「何を信じ、どう選択していくべきか」、メディアや情報に対する向き合い⽅を深く問いかける作品でもある。
『セプテンバー5』
2⽉14⽇(⾦)公開
<STORY>
1972年9⽉5⽇ミュンヘンオリンピックでの、パレスチナ武装組織「⿊い九⽉」による、イスラエル選⼿団の⼈質事件。事件発⽣から終結まで、その緊迫に溢れた⼀部始終は、当時技術⾰新がめざましい衛星中継を経て全世界に⽣中継された。
しかし、全世界が固唾を飲んでテレビにくぎ付けとなったその歴史的な⽣中継を担ったのは、なんとニュース番組とは無縁のスポーツ番組の放送クルーたちだった。
出演︓ジョン・マガロ、ピーター・サースガード、レオニー・ベネシュ、ほか
監督・脚本︓ティム・フェールバウム
配給︓東和ピクチャーズ
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