
第62回ベルリン国際映画祭でふたつの銀熊賞に輝いた、18世紀デンマーク王宮を舞台にしたラブストーリー『ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮』(12)以来となる、ニコライ・アーセル監督と“北欧の至宝”マッツ・ミケルセンの二度目のタッグが実現。ふたりが再び描くのは、時を同じくしたデンマーク開拓史の裏に隠された、ある愛の物語。
人気ドラマ「ハンニバル」のレクター博士役をはじめ、映画『007/カジノ・ロワイヤル』、『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』、声優を務めた『ライオン・キング:ムファサ』など、これまで多くの話題作で魅力溢れるヴィランを演じてきたマッツ。本作で演じるのもまた、称号にこだわり、“荒野の開拓”という目的のためであれば手段を選ばない冷徹な一面をみせる退役軍人の主人公ケーレン大尉だ。そんなケーレンが、同じように傷つき孤独を抱えた女性たちとの出逢いによって徐々にあたたかな変化を遂げていく様子は本作の大きな見どころとなっている。
今回解禁となったのは、有力者のもとから逃げ出した使用人の女性アン・バーバラと家族に見捨てられた少女アンマイ・ムスと、仲睦まじく触れ合う姿をとらえた本編映像。肌の色が違うことで周囲から“不吉な子”と虐げられることに少女が嘆いていると、バーバラは「あなたは悪くない」と優しく顔をなで、ケーレンは「知らないで怖がってるのさ。お前も虫が怖かったろ」と励ます。続けざまに「やっぱり臭いかな」と茶化しくすぐり笑わせる様子は、まさに本当の家族のようだ。マッツはこの少女を「この映画の心臓部分」と語っており、本編の好きなシーンのひとつにも彼女との共演シーンを挙げている。少女の明るい天真爛漫なキャラクターが、やがてケーレンの心を溶かしていく。
これまで多くの作品でみせてきたヴィランとしての役どころ、さらに本作での序盤の雰囲気とは一変、徐々に心を通わせ“家族”に向けるマッツ・ミケルセンのやさしいまなざし、そしてバレンタインデーにふさわしい〈愛の軌跡〉を描いた物語を劇場で見届けよう。
『愛を耕すひと』
新宿ピカデリーほか全国公開中
配給:スターキャット、ハピネットファントム・スタジオ
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