カバー画像:Photo by Mike Marsland/WireImage
アメコミ関連スター大量出演!『ノスフェラトゥ』
この号が出るころにはアカデミー賞は発表されていますね。オスカー関連の作品をいくつか観ましたが、やはりジャンル映画ファンとして注目したいのは前回ご紹介したデミ・ムーア出演の怪作『サブスタンス』、そしてヴァンパイアをテーマにしたクラシック映画のリメイク『ノスフェラトゥ』。ホラー映画というより怪奇映画という言葉がぴったりでアーティスティックなムードが漂いますが、怖いところはしっかり怖い。そしてアメコミ映画系のスターが沢山でています。
ニコラス・ホルト(『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』シリーズのビースト、次の『スーパーマン』映画のヴィラン、ルーサー)、アーロン・テイラー=ジョンソン(『クレイヴン・ザ・ハンター』)、エマ・コリン(『デッドプール&ウルヴァリン』のカサンドラ・ノヴァ)、ウィレム・デフォー(『スパイダーマン』シリーズのグリーン・ゴブリン、『アクアマン』のバルコ)そして主人公のヴァンパイア役にビル・スカルスガルド(『デッドプール2』のツァイトガイスト、『エターナルズ』のクロ)。
ホラーではないですが緊迫感あってスリリングだったのは『教皇選挙』。ドラマも見応えありますがオスカーにノミネートされている美術、衣装も素晴らしい。この映画、キーカラーが赤なのです。
今後のMCUの布石がばら撒かれた「キャプテン・アメリカ」新作

キャプテン・アメリカ/サム・ウィルソン役のアンソニー・マッキー
Photo by Mike Marsland/WireImage
そして赤といえばアメコミ・ファンにとってはレッドハルク(笑)というわけで今回は公開から1ケ月以上たった『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』のネタバレ解説です。単体の映画としても面白かったのですがこれからのマーベル・シネマティック・ユニバース/MCUへの布石も多くばらまかれていました。
まずアダマンチウムがついにMCUに持ち込まれたこと。X-MENのファンの方ならご存じですがアダマンチウムとはウルヴァリンの骨格に移植されている超金属。MCUのメイン世界は映画X-MENのそれとは別バースなのでX-MENもウルヴァリンもアダマンチウムも今まで登場してこなかった(『デッドプール&ウルヴァリン』はMCU映画ですが、別バースの彼らが別バースで暴れているという設定なので物語の舞台自体はMCUではないのです)。これで晴れてMCUの世界そのものにアダマンチウムが登場。この世界のウルヴァリンが登場する序章?
今後のレッドハルクの動向も気になる。というのもこの映画の最初のアイデアではレッドハルクは死ぬことも検討されていたそうです。しかし生きていますよね。これによりMCUにはハルク、シー・ハルク、レッドハルクが存在する訳でハルクを中心とした映画がこの先作られるかもしれません。
『サンダーボルツ*』に繋がる要素も?キャラ達の行動や言葉にも注目
あれ?と思ったのはサムに協力するネイビー・シールズの軍人でデニス・ダンフィーというキャラの運命。この事件の黒幕であるサミュエル・スターンズに殺されてしまいますが、コミックでの彼はデモリションマン(ないしD-マン)と呼ばれるコスチュームを着たヒーローになるのです。なんらかの形でこの先のMCUに復活するのかも。
今回のポスト・クレジット(要はおまけシーン)においてサミュエル・スターンズがラフト(ヴィランたちが収容されている刑務所)に収監され、そこでサムと向き合います。その時スターンズが“世界はここだけではない”“この世界を守るための戦いがもうすぐ始まる”的なことを言います。彼の超天才頭脳はマルチバースの存在をとらえ、マルチバース間の争いが起こることを見抜いているわけです。この戦争こそが次のアベンジャーズ映画『ドゥームズデイ』『シークレット・ウォーズ』で描かれると予想されます。サムは新たなるアベンジャーズを立ち上げ、この危機に立ち向かうのでしょう。
さて場内でどよめきが起こったのがバッキーが登場するシーン。嬉しいサプライズですが、ここで彼ははなんと米下院議員に立候補することが明らかになります。ということは次の『サンダーボルツ*』で議員となったバッキーがなぜまた戦士に戻るのか?がストーリーのポイントですね。