1945年、沖縄県伊江島で激しい攻防戦が展開される中、二人の日本兵が木の上に身を潜め、終戦を知らずに2年もの間生き延びた――そんな衝撃の実話から着想を得た作家・井上ひさしが原案を遺し、こまつ座にて上演された舞台「木の上の軍隊」が映画化、6 月13 日(金)より沖縄にて先行公開、7 月25 日(金)より全国公開。
この度、映画『木の上の軍隊』の沖縄完成披露上映会を実施。本イベントがワールドプレミアとなる記念すべき日に、平一紘監督に加え、ダブル主演を務める堤真一、山田裕貴が本作の舞台である沖縄の地に駆け付け登壇、作品に込めた想いをたっぷり語った。

「やらされている人が誰もいない」――堤と山田が語る現場の空気と沖縄の力

画像1: 「やらされている人が誰もいない」――堤と山田が語る現場の空気と沖縄の力

拍手に迎えられて登壇した堤は、笑顔で「楽しんでご覧いただき、ぜひ感想をお聞かせください」と挨拶した。山田は「やっと皆さんに見ていただけることが本当に嬉しい」と、感無量の面持ちを見せた。平監督は「この日のために頑張ってきた」と語り、「企画が始まったのは約2年前だが、つい最近のことのようにも感じる。本当にみんなで力を合わせて、伊江島の本物のガジュマルの木の上、本物の土地、本物の戦場で撮影した。今日、皆さんにこの作品をご覧いただけることが、何よりも幸せだ。公園のような場所に複数の木を組み合わせて植えた場所での撮影だったため、この映画にはほとんど“嘘”がない。画面に映っているものは、すべてありのままの現実である」と、力を込めて語った。

本作は現地の協力を得て制作されたこともあり、現場の雰囲気について堤は「戦争をテーマにした映画なので、“楽しい”という言い方は少し違うと感じている。むしろ“なんて前向きな力で、みんな進んでいくのだろう”と感じていた。スタッフはもちろん、カメラマンや技術スタッフもいるが、それ以外にもお茶を出してくれたり、準備を手伝ってくれたりする人たちがいる。そういった人たちから“やらされている”という空気はまったくなく、皆が先回りして動いてくれる。それは単なる“熱意”という言葉では表現しきれない、沖縄が本来持っている力、前向きさといったものを強く感じた」と、感激の様子で語った。

画像2: 「やらされている人が誰もいない」――堤と山田が語る現場の空気と沖縄の力

堤の言葉に大きくうなずいていた山田も「この劇場でアルバイトをしている子も、制作スタッフとして関わっていた。衣装のアシスタントだと思っていた子が、実はある役を演じていたりする。皆で一緒に作品を作っているという感覚が非常に強く、“自分の担当だけをやっている”というのではなく、皆が全体を見渡しながら関わっていた。その姿勢に、沖縄らしい温かさを感じた」と、感慨深げに語った。

「沖縄から発信される意義」――平監督が観客に託したメッセージ

最後に平監督は、「自分の想いひとつで、皆さんに作品を観てもらえることが嬉しい。そして、この映画が“沖縄から発信される”という意義の大きさを、作品の中に込めたつもりだ。今日ここにいる皆さんは、世界で最初にこの映画を観る人々である。ぜひ、観終わった後に感じたことを、簡単な言葉で構わないので、どんどん広めていってほしい」と、観客に向けて呼びかけた。

画像: 「沖縄から発信される意義」――平監督が観客に託したメッセージ

続けて山田は、「皆さんが観終わったあと、どんな人や言葉を思い浮かべるのかと想像している。そういった思いを馳せながら、皆さんがこの映画を観てくれることが楽しみだ」と語り、観客の感想に期待を寄せた。

堤は、「この作品は戦争を描いているが、本当に伝えたいのは、沖縄の人々が6月になると自然と戦争について考え、語り継いでいるという事実だ。今もなお基地の問題を抱える沖縄だからこそ、そうした感覚が根付いているのだと思う。だからこそ、むしろ沖縄以外に住む人々──特に都会の若い世代にこそ観て感じてほしい。そして、まずは沖縄で撮ったこの映画を、沖縄の皆さんの力を借りて全国へ届けていけたらと願っている。今日感じたことがあれば、SNSなどを通じて発信し、ぜひ周囲の人にも薦めてほしい」と、作品に込めた思いを語り、舞台挨拶は、温かな拍手に包まれながら幕を閉じた。

映画「木の上の軍隊」
6月13日(金)沖縄先行公開
7月25日(金)新宿ピカデリー他全国ロードショー

出演:堤 真一 山田裕貴
津波竜斗 玉代㔟圭司 尚玄 岸本尚泰 城間やよい 川田広樹(ガレッジセール)/山西 惇
監督・脚本:平 一紘
原作:「木の上の軍隊」(株式会社こまつ座・原案井上ひさし)
配給:ハピネットファントム・スタジオ
ⓒ2025「木の上の軍隊」製作委員会

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