『青空娘』の若尾文子の弾けるような笑顔にうっとり! 公衆電話の鮮やかな赤、ブラウスの清廉な白など60s’のキュートな色彩が蘇る!
『青空娘』は、親代わりの祖母を失い、上京して実父と義母、異母姉弟と暮らすことになったヒロイン・夕子が、逆境から爽やかなラストを迎える青春ドラマ。
義理の母(沢村貞子)には家政婦扱い…それでもめげずに飼い犬や青空に寄り添う夕子②④。優しい家政婦(ミヤコ蝶々/③左)に気遣われ、腹違いの弟に懐かれながら明るく振る舞う夕子。
母にそっくりな夕子を溺愛する父や、図らずも卓球対戦したブルジョワボーイ(川崎敬三)に気に入られる夕子⑦。夕子への嫉妬うずまく本妻と姉。初恋の美術教師(菅原謙二/⑥手前男性)との再会、どこかで生きている実の母親探し。テンポよく新たな展開が次々に起こり、意外なほど現代的なラストを迎える本作は、現代を生きる私たち世代にも納得のハッピーエンドの名作。

① 旧映像

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② 旧画像

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③ 旧画像

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④ 旧画像

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修復では、当時のアグファカラーの色彩再現を目指し、赤の鮮やかさを際立たせる一方、それ以外の色味は抑えめのトーンに調整されている。
旧素材よりも彩度は落ち着いて感じられる場面もあるが、上映当時の印象に近づけている。
さらに、4Kによる解像度の向上で細部まで鮮明になり、経年変化で黄みがかっていた映像も補正。ブラウスの白や公衆電話の赤など、当時の記憶をよみがえらせるディテールも再現されている。

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『若尾文子映画祭 Side.A & Side.B』について
昭和を代表する映画女優・若尾文子――増村保造、溝口健二、市川崑、川島雄三ら日本を代表する監督のもと、京マチ子、山本富士子、市川雷蔵、勝新太郎、田宮二郎…昭和を代表する名優と共演し、女優として絶えず進化してきた。
このたび5年ぶり3度目となる「若尾文子映画祭」の開催が決定、ひとりの女優が出演した作品の映画祭を、しかも3度にわたり全国上映されるのは日本中で若尾文子ただひとり、唯一無二の存在だと言っても過言ではない。
今回の『若尾文子映画祭』は初の試みとして〈Side. A〉〈Side. B〉と2つに分けて実施。〈Side. A〉では初披露する『青空娘』『最高殊勲夫人』の4K版を目玉に、明るく純粋な若尾文子を堪能できる作品18本を上映。〈Side. B〉では同じく初披露の『妻は告白する』『清作の妻』の4K版を目玉に、濃厚な若尾文子を堪能できる作品を同じく18本上映。
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youtu.be「青空娘 」4K版 初披露
©KADOKAWA1957
(1957年/カラー/89分/スタンダード)
監督:増村保造 原作:源氏鶏太 脚本:白坂依志夫 撮影:高橋通夫 美術:柴田篤二 音楽:小杉太一郎
出演:若尾文子、川崎敬三、菅原謙二、品川隆二
逆境に負けない少女の姿を爽やかに描く、女優・若尾文子の原点!
【見どころ】
困難に耐え、明るく強く生きる少女の姿を古典的な情緒を一切排除し描く。登場人物の早口での怒涛の応酬も見どころ。計算し尽くされた演出が随所に冴えわたる増村×若尾ゴールデンコンビの原点、必見の傑作。
【物語】
高校卒業後、離れて暮らしていた父親を頼りに上京した夕子(若尾)は、継母からの仕打ちに合いながらも、恩師(菅原)の「いつも心に青空を持ち明るく生きる」の言葉を胸に、行方不明の母親を探すことに。
©️KADOKAWA