80年代NYタイムズ・スクエアに渦巻くエネルギーが甦る!
『タイムズ・スクエア』は、1970年代のロックミュージックを背景に、ニューヨークの交差点に渦巻く熱気とエネルギーをスクリーンに映し出し、反抗心溢れる若者たちのバイタリティを描いた作品(日本初公開は1981年)。

本作のメガホンを取ったのは、カナダ出身のアラン・モイル。当時33歳の新人で、本作は長編2作目となった。脚本はモイルとリーン・アンガーの原案を基に、ジェイコブ・ブラックマンが執筆。このプロジェクトは、モイルが初監督作『The Rubber Gun(1977)』の制作中、古いソファの底に挟まっていた若い女性の日記の一部を見つけたことから始まる。
その断片は、22歳まで生きることを期待しないような、疎外された若者たちを思い起こさせ、モイルに次作へのインスピレーションを与えた。モイルは本作に取り掛かった当初、小規模なインディペンデント映画を作ることを意図していたが、オーストラリアの実業家ロバート・スティグウッドが製作に乗り出し、500万ドルという潤沢な予算を提供。その結果、クライマックスでは42丁目の一角を閉鎖して撮影するなど、ニューヨーク全域を舞台にした大規模な作品へと発展していった。

80年代のニューヨークで全編撮影され、当時の空気が活き活きとリアルに映し出された本作が、約45年の時を経て4Kレストア版として日本で上映される。ふたりの少女が出会い、自分を見つけていく物語は荒々しくもみずみずしい。スクリーンの中の少女たちの逃避行は、時が経っても観客に感動を与え続けるだろう。
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舞台はニューヨーク。政治家の父親により神経病院に入院させられた内気な少女パメラは、破天荒で反抗的な性格のニッキーと同室になる。性格も育ちも異なるふたりだったが、徐々に心を交わせるようになり、ある日一緒に病院を脱走してしまう。廃墟を隠れ家にして新たな生活を始めたふたりは、ラジオ番組を通じて自分たちの存在を世の中に発信するようになる。彼女たちの歌や叫びは若者たちの共感を呼び、カルト的な人気を集めるが、パメラの父は娘を探し続け、次第にふたりの逃避行は終わりを迎えようとしていた──。

『タイムズ・スクエア 4Kレストア』
7月11日(金)シネマート新宿、Strangerにて奇跡のロードショー
1981/アメリカ/カラー/111分
監督:アラン・モイル
脚本:ジェイコブ・ブラックマン
原案:アラン・モイル、リーン・アンガー製作:ロバート・スティグウッド、ジェイコブ・ブラックマン
製作総指揮:ケヴィン・マコーミック、ジョン・ニコレラ
撮影:ジェームズ・A・コントナー
出演:トリニ・アルヴァラード、ロビン・ジョンソン、ティム・カリー、ピーター・コフィールド
提供:JAIHO 配給:グッチーズ・フリースクール
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