人気アメキャラ系映画ライター・杉山すぴ豊さんが、アメコミ・ホラー・SFなど多様なジャンル映画の情報を“深い知識と深い愛”をもってお届けする本連載。今回はこの夏の宇宙人・宇宙生物事情について。「エイリアン」シリーズ初のドラマシリーズだけでなく「プレデター」のアニメ映画も必見の模様。どんどん両シリーズの世界が広がっていきそうです。(文・杉山すぴ豊/デジタル編集・スクリーン編集部)
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「エイリアン」初のドラマがいよいよ配信開始です

『リロ&スティッチ』の実写版が大ヒット。スティッチはモフモフでキュートですが、騙されてはいけない!(笑)。元は宇宙から来た生物兵器。従って本作は地球にやってきた“エイリアン”物です。そして今年はこれからも沢山のエイリアンが地球にやってきます。まずは『スーパーマン』。8月13日には「エイリアン:アース」がディズニープラスで配信。あの「エイリアン」の初のドラマ・シリーズです。アースという名前からもわかるように地球が舞台。物語的には『エイリアン』(1979)1作目の2年前の出来事。宇宙船が地球にあの危険生物を持ってきてしまい、という流れでしょうか。79年版では、あの宇宙船ノストロモ号のオーナー企業(ウェイランド・ユタニ)が、そもそもエイリアンの存在を知っていたから船員を騙してあの星に行かせるわけですよね。あの企業がなぜエイリアンのことを知っていたのか?そこにこのドラマがつながるのかもしれません。

「プレデター」アニメ映画は『ザ・プレイ』とも繋がっている!

画像: 「エイリアン」&「プレデター」、2大人気シリーズも熱い! photo by Getty Images

「エイリアン」&「プレデター」、2大人気シリーズも熱い!
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さて、ディズニープラスでは先月6月にも地球にやってきたエイリアン物の傑作をリリース。アニメ映画『プレデター:最凶頂上決戦』。そう、あのプレデターです。実は今年、プレデターの最新作『プレデター:バッドランド』(25年11月7日全米公開)がリリースされます。監督は日本では22年にディズニープラスで配信された映画『プレデター:ザ・プレイ』を担当したダン・トラクテンバーグ。従って『〜ザ・プレイ』の続編が『〜バッドランド』と思いきや、この間に『〜最凶頂上決戦』を突如入れてきたわけです。

この『〜最凶頂上決戦』はオムニバス形式で、ヴァイキングの時代、日本の戦国時代、そして第二次世界大戦の現場に様々なプレデターが現れ、その時代ごとの戦士と戦うというものです。プレデターは1作目がミリタリーアクション、2作目が刑事ものとSFモンスター物の要素を足したものです。『〜ザ・プレイ』は18世紀のアメリカを舞台にネイティブ・アメリカンの女戦士とプレデターの死闘を描いていました(この映画の主人公を演じていたアンバー・ミッドサンダーはバイオレンス・コメディの傑作『Mr.ノボカイン』のヒロインです)。監督の頭の中で、様々な人間の戦いの歴史の中にプレデターを出す、をもっと描きたいと思ったのかもしれません。

そして『〜ザ・プレイ』と『〜最凶頂上決戦』はちゃんとつながるのです。ということはこのアニメからまた『〜バッドランド』への話が進む可能性もあり?「エイリアン」も「プレデター」もこれからますます配信と映画がつながり、マーベル・シネマティック・ユニバース/MCU的な広がりを見せるかもしれませんね。

“スピ”ノサウルスも活躍!恐竜もいい!「ジュラシック」新作

そのMCUの出演俳優スカーレット・ヨハンソン、マハーシャラ・アリ(MCUの『ブレイド』の出演がアナウンスされながらいまだ製作にいたっていませんが。)が参加しているのが『ジュラシック・ワールド:復活の大地』。2022年に『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』で一旦終了したシリーズをリブートさせました。監督は2014年のハリウッド版『GODZILLA ゴジラ』のギャレス・エドワーズ監督。前シリーズで世界中に恐竜が広がってしまいましたが、本作は原点ともいうべきとある島(閉鎖空間)が舞台のサバイバル物。訳ありの島にあるミッションを帯びて上陸したチームに恐竜たちが次から次へと襲い掛かります。

感心したのは恐竜の見せ方のうまさ。エドワーズ監督の「今までに観たことのない恐竜像を観客に届けたい」という気持ちが伝わりました。特に海の恐竜たちとの戦いは『ジョーズ』へのオマージュ。なおこの場面ではスピノサウルスが活躍。自分も“すぴ”なのでこの恐竜が大好きです。クライマックスではとんでもない恐竜が登場。このラスボスについては評価が分かれるでしょうが筆者は気に入っています。スーパーマンのフィギュアを買おうか、それともファンタスティック4にしようか迷っているときに、恐竜のおもちゃも欲しくなってしまいました。

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