今年で14回目となる「ポーランド映画祭2025」が11月14日(金)から11月20日(木)までYEBISU GARDEN CINEMAにて開催される。

ショパンの若き日を描いた伝記映画、
2025年が生誕100年の伝説的な映画監督ハスの特集など、注目作が目白押し!

注目作は、本国ポーランドでも10月10日に公開となったばかり、ポーランド映画としては破格の製作費を投じて作曲家ショパンのパリ時代の若き日に迫る『ショパン、ショパン!』。そして女性監督マリア・ズボンスカの長編デビュー作、倦怠期を迎えたカップルが冬のバルト海沿岸を旅することで本当に大切なものを見つける『これは私の映画ではない』。両作とも日本初上映となります。また小さな恐竜の大冒険を、アニメと実写を交えたユニークな構成で描く『ディプロドクス~恐竜とボク~』も話題作のひとつ。

さらには独特の世界観がブニュエル、スコセッシら名だたる映画人に絶賛されてきたものの、日本では正式に劇場公開されたことのない伝説的な映画監督、ヴォイチェフ・イエジー・ハスの生誕100年を記念して特集上映を行う。
上映作品は1930年代、共同生活を送る若者たちを描いた『共同の部屋』、ワンシーンごとに驚愕のイメージが炸裂する幻想奇譚にしてハスの代表作『サラゴサの写本』、ポーランド近代小説の最高峰と言われるボレスワフ・プルス原作の『人形』。作家ブルーノ・シュルツの小説世界を大胆に映像化した『砂時計』、そして死と生の境を軽やかに飛び越える遺作『バルタザール・コベルの驚くべき旅』の5本。11月15日(土)には『ショパン、ショパン!』上映前にポーランド広報文化センターによる開幕挨拶を行う予定。

イエジー・スコリモフスキ監督(監修)から日本の皆さまへ

毎年、ポーランド映画祭にお越し頂きありがとうございます。今年で14回目を迎えることを大変嬉しく思います。現在新作の準備中のため、残念ながら日本へ行くことはできませんが、今年ポーランドで公開されたばかりの新作や、偉大なるヴォイチェフ・イエジー・ハス監督の特集など、今回もバラエティに富んだ映画を上映することになりました。きっと皆様のご期待に応えられると自負しています。またお目にかかれる日を楽しみにしています。

上映作品:全8作品

■ショパン、ショパン!
Chopin, Chopin!  日本初上映!
監督:ミハウ・クフィェチンスキ 2025年/ポーランド語・仏語・スペイン語/133分/カラー
AKSON STUDIO SP. ZOO, WYTWÓRNIA FILMÓW FABULARNYCH WE WROCAWIU CANAL+ POLSKA S.A> DOLNOŚLẠSKIE CENTRUM FILMMOWE EC1 LODZ MAZOWIECKI INSTYTUT KULTURY NARODOWY INSTYTUT FRYDERYKA CHOPIINA INSTYTUCJA FILMOWA SILESIA FILM ©︎2025

画像1: ショパンの若き日を描いた伝記映画、 2025年が生誕100年の伝説的な映画監督ハスの特集など、注目作が目白押し!

ポーランド映画としては破格の製作費をかけて完成させた、フリデリク・ショパンの伝記映画。健康に問題を抱えながらも1930年代のパリに拠点を構え、創作活動に身を捧げる若き天才の姿を豪華絢爛に描く。壮絶な復讐劇『フィリップ』でもコンビを組んだ監督のミハウ・クフィェチンスキと主演のエリク・クルムが今回も息の合ったところを見せる。

■これは私の映画ではない 
To nie mój film  日本初上映!
監督: マリア・ズボンスカ 2024年/ポーランド語/99分/カラー 

画像2: ショパンの若き日を描いた伝記映画、 2025年が生誕100年の伝説的な映画監督ハスの特集など、注目作が目白押し!

倦怠期を迎えたワンダとジャン。永遠の愛を確かめるため、冬のバルト海沿いをソリで旅するふたりだったが、数々のトラブルに見舞われる。果たして彼らは関係を修復できるのか……。美しくも過酷な大自然の中、無謀な賭けに挑むカップルの関係をコミカルに綴る。監督はフォトグラファーとしても活躍、本作が長編デビューとなるマリア・ズボンスカ。

■ディプロドクス~恐竜とボク~ 
Smok Diplodok
監督: ヴォイテク・ヴァヴシュチク 2024年/ポーランド語/93分/カラー

画像3: ショパンの若き日を描いた伝記映画、 2025年が生誕100年の伝説的な映画監督ハスの特集など、注目作が目白押し!

好奇心旺盛な小さな恐竜ディプロドクスは沼地で平和に暮らしていたが、いきなり両親が消えてしまったことから、憧れていた外の世界へと旅立つ。本作に出演もしているタデウシュ・パラノフスキのコミックをもとに、アニメで描かれる恐竜の冒険と、その物語を創作する作者たちの実写パートがクロスオーバーするユニークな構成のファンタジー作品。

<生誕100年 ヴォイチェフ・イエジー・ハス特集>
■共同の部屋
Wspólny pokój  日本初上映!
1959年/ポーランド語/89分/モノクロ

画像4: ショパンの若き日を描いた伝記映画、 2025年が生誕100年の伝説的な映画監督ハスの特集など、注目作が目白押し!

ハスの長編劇映画第3作目。雑然とした古いアパートに越してきた文筆家の青年はそこで若い知識人や学生たち、芸術家たちと出会い、怪しくも魅惑的な<楽園>へと巻き込まれてゆくのだが・・・・・・。1930年代、ポーランドの戦間期のとある一つの部屋を舞台に、災いの予感が忍び寄るなかで日々を過ごす若者たちを描いた青春群像劇。

■サラゴサの写本
Rekopis znaleziony w Saragossie
1965年/ポーランド語/182分/モノクロ

画像5: ショパンの若き日を描いた伝記映画、 2025年が生誕100年の伝説的な映画監督ハスの特集など、注目作が目白押し!

考古学者、民俗学者として活躍したポーランド貴族、ヤン・トポツキによる「サラゴサ手稿」を映画化したハスの代表作。17世紀スペインを舞台に繰り広げられる幻想怪奇譚である本作は、ブニュエル、コッポラ、スコセッシ、リンチら世界の巨匠たちも虜にした。ポーランドが生んだ鬼才、クシシュトフ・ペンデレツキによる音楽も魅力。

■人形
Lalka
1968年/ポーランド語/153分/カラー

画像6: ショパンの若き日を描いた伝記映画、 2025年が生誕100年の伝説的な映画監督ハスの特集など、注目作が目白押し!

舞台は19世紀後半、酒場の給仕から貿易商へと出世した男ヴェクルスキは、ある日落ちぶれた貴族の美しい娘、イザベラに心を奪われる。彼女を射止めようと苦心するヴェクルスキだったが…・・・。原作はボレスワフ・プルスによるポーランド文学界を代表する長編小説。息をのむほどの幻想的な映像美のなかで狂おしい「愛」の物語が展開される。

■砂時計
Sanatorium pod klepsydra
1973年/ポーランド語/125分/カラー

画像7: ショパンの若き日を描いた伝記映画、 2025年が生誕100年の伝説的な映画監督ハスの特集など、注目作が目白押し!

ゲシュタポの銃弾に倒れた作家ブルーノ・シュルツの「砂時計サナトリウム」「春」を中心に、シュルツの小説世界を大胆に映像化。失われた時代への郷愁、時空を超えて交錯する過去と現在、死の予感までも官能的に匂いたつ美しさといったハスならではの驚異のビジュアルに酔いしれる。1973年度のカンヌ国際映画祭審査員賞を受賞。

■バルタザール・コベルの驚くべき旅
Niezwykła podróż Balthazara Kobera 日本初上映
1988年/ポーランド語/110分/カラー

画像8: ショパンの若き日を描いた伝記映画、 2025年が生誕100年の伝説的な映画監督ハスの特集など、注目作が目白押し!

16歳のバルタザールが荒廃したヨーロッパを旅する中で出会うのは風変わりな宗教家、錬金術師、大天使ガブリエル、さらには亡くなった者たちまで。フランスの作家、フレデリック・トリスタンの小説をもとに、奇抜でエレガントな映像美で生者と死者の境目も曖昧になった旅を描く、まさにハスの遺作にふさわしい作品。主人公バルタザールの師匠を演じるのは生涯200本以上もの映画に出演した名優マイケル・ロンズデール。ラストシーンは必見。

~ヴォイチェフ・イエジー・ハス Wojciech Jerzy Has~
1925年、ユダヤ人の父とカトリックの母のもと、クラクフで生まれる。戦時中から戦後にかけてクラクフ美術アカデミーで学び、映画製作を開始。同年代の監督たちが取り上げた政治的な主題とは異なる様式美で、個人の内省的な心理ドラマや超現実的な幻想世界を描く作風はポーランド映画界のなかでも異彩を放ち、欧米の映画作家たちにも多大な影響を与えている。1990年から19996年まではウッチ映画大学の学長を務め、現代ポーランド映画界の興盛を支えた。2000年、ウッチで死去。

ポーランド映画祭2025
2025年11月14日(金)-20日[木]
会場:YEBISU GARDEN CINEMA
主催:アダム・ミツキェヴィチ・インスティテュート、ポーランド広報文化センター、スコピヤ・フィルム、マーメイドフィルム、VALERIA

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