2025年10月27日から開幕した「第38回東京国際映画祭」が11月5日に閉幕した。同日クロージングセレモニーで、東京グランプリなどコンペ部門の各賞が発表された。
現実の問題も照射する『パレスチナ36』がグランプリに
注目の東京グランプリ/東京都知事賞に選出されたのは、1936年英国委任統治時代のパレスチナを舞台に、パレスチナのアラブ人たちがユダヤ人入植者たちと、英国植民地支配への反発から起こした民族主義的な反乱を描くアンマリー・ジャシル監督の『パレスチナ36』(パレスチナ=イギリス=フランス=デンマーク)。現代のパレスチナ問題も照射する本作の受賞は審査員満場一致の結果だったという。また最優秀女優賞を『恒星の向こう側』(中川龍太郎監督)で母娘を演じた福地桃子と河瀨直美が同時受賞した。
主な受賞結果は以下の通り。
●コンペティション部門
東京グランプリ/東京都知事賞 『パレスチナ36』(アンマリー・ジャシル監督)
審査委員特別所 『私たちは森の果実』(リティ・パン監督)
最優秀監督賞 アレッシオ・リゴ・デ・リーギ&マッテオ・ゾッピス(『裏か表か?』)
〃 チャン・リュル(『春の木』)
最優秀女優賞 福地桃子、河瀨直美(『恒星の向こう側』)
最優秀男優賞 ワン・チュアンンジュン(『春の木』)
最優秀芸術貢献賞 『マザー』(テオナ・ストゥルガル・ミテフスカ監督)
観客賞 『金髪』(坂下雄一郎監督)
●アジアの未来部門
作品賞 『光輪』(ノ・ヨンワン監督)
●エシカル・フィルム賞 『ガザ・ブランカ』(ルシアーノ・ヴィシガル監督)
●アジア学生映画祭コンファレンス
作品賞 『フローティング』(イ・ジユン監督)
審査員特別賞 『永遠とその1日』(チェン・リーシュエン監督)
〃 『エンジン再始動』(チョン・ヘイン監督)

