アイドルグループ「SKE48」を卒業後、「私の頭の中の消しゴム 14th Letter」で朗読劇に、舞台「アビリティイレブン」でコメディーに、そしてTVアニメ「絆のアリル」では声優に、女優として挑戦を続けている古畑奈和が、卒業後ソロとして初となるシングル「鍵の在処(ありか)」を8月16日に配信リリースする。初めて作詞に挑戦した「Moonlight parade」も収録したこのシングルで、〈ソロ・アーティスト 古畑奈和〉が始動する!!
画像: 撮影/久保田 司

撮影/久保田 司

今は自分でつかみにいくという感覚が近いです

──SKE48を卒業したのが、2022年9月30日。あれから約1年が経ちますが、その間には女優として、コメディーだったり、声のお仕事だったり、新しい挑戦もいろいろあったと思います。この1年間はどんな年月でしたか?

「挑戦することも多かったですし、今までは〈アイドル・古畑奈和〉の人生を歩んでいたけど、これからは本当の意味で自分の人生を歩むというか、考えながら歩んできたので、自分への向き合い方が変わった1年だったかなとは思います」

──〈SKE48の古畑奈和〉という名刺がなくなったことで、責任を追う機会も増えただろうし、自分がやりたいことを選択する機会も増えたと思うんです。

「言ってくださったように、本当に自分でいろいろ選択することもできるし、そこは今までやってこなかったことだから、選択する上では悩むこともたくさんあるんです。でも、選択する楽しさもわかるようになってきたので。
 今までは与えられたものの中から自分で選択して歩んでいくっていう感じだったんです。今は自分でつかみにいくという感覚が近くて。選択肢も今までよりも膨大な量があって、だから怖くなることもあるんですけど、何を選択しても、どう転んでも、“自分が決めたことだからいいかな”って割り切りながらやっています」

──特に得るものが多かった作品を教えていただけますか。

「4月に「私の頭の中の消しゴム」という朗読劇に出させていただいたんです。朗読劇は以前からすごく好きで、「私の頭の中の消しゴム」もやりかった作品だったので、出られるって決まった時はすごく嬉しくて。私の役が若年性アルツハイマーになってしまうカップルのお話なんですけど、感情の伝え方、なんでここはこういう感情になってという部分で、今まで以上に台本を読み込んだり、ステージ上で得られたものが本当に多かったんです。感情の流れがスムーズにいって、役に入り切るというか、その物語に溶け込む感覚もありましたし、純粋に本当に楽しくて。“演じるってやっぱり好きだな”って改めて思えた作品でした」

──朗読劇は、言葉と声の音量や強弱だけで伝えなくてはいけないから難しさもあると聞くのですが。

「難しかったです。演出家の方に“声が大きいね”って言われたんですよ。ウィスパーボイスでしゃべってくださいというところがあって、私の中ではウィスパーボイスをしたつもりだったんですけど、“それ、ウィスパーボイスじゃないね”って言われちゃって、“あれ?”みたいな(笑)。あまりに声が大きいということで、そこを集中的に……」

──レッスンさせられた。

「はい(笑)。でも、声のボリュームを落とすっていうところ、勉強になりました。あと、“声が大きい”ってあまり言われたことなかったので、単純に嬉しかったです」

画像: 今は自分でつかみにいくという感覚が近いです

私の前では偽らないでいてほしいなって

──8月16日にSKE48卒業後ソロとして初となるシングル「鍵の在処(ありか)」を配信リリースします。ファンの方にとっては、ようやく古畑奈和の音源が聴ける喜び以外ないと思うのですが、ご自身はどういうお気持ちでいますか?

「本当に嬉しかったです。今までとは違う曲調に出会っていくじゃないですか。そこへのワクワクもありましたし、一番はファンの皆さんが待っていてくださるということ。そして、今後、曲を通して出会えるかもしれない方々がいるという未来へのワクワク感。トータル、嬉しいって感じです」

──歌い方って、アイドル時代とは少し変えました?

「そうですね。芯のある声がいいなと思っていて。私、もともとそんなにアイドル要素満載の声ではないので、アイドル時代は曲に合わせてちょっとアイドルっぽい歌い方をしたり、語尾を跳ね上げてみたり、工夫していたんです。可愛く聴こえるように頑張って。今後も、可愛く歌う曲だったらそういうテクニックがまた出てくるかもしれないですけど、芯のある声で歌えていけたらいいなとは思っています。(グループの)みんなの素敵な声に紛れられないっていうところは、ちょっとプレッシャーではありますけど(笑)」

──表題曲の「鍵の在処(ありか)」ですが、どういう想いが込められています?

「これは作詞家さん、スタッフさんとかと一緒に考えて作った曲になっていて、私の意見も入ったものになっているんですけど。というのも、私がグループからソロの活動になって、いろんな曲を歌ったり、役を演じたり、それこそいろんな人に会ったりして、ふと、どれが本当の自分かわからなくなる瞬間ってあったんですよ。そんな時に答えを出してくれる曲が欲しいと思って。
 でもたぶん、聴いてくれる皆さんも仕事とか友達とか家族の前、今だったらSNSかな、の前だと違う自分だったりもするじゃないですか。違う自分に出会って、違う自分に気づいて、それって嬉しい時もあると思うけど、不安にもなると思うんですよ。どれが本当の自分かわからないし、〝こんな自分……〟ってなる時もあると思うんですけど、そこを不安にならないで、これも自分なんだと思って受け入れてもらえたら嬉しいなって。それが正解の一つでもあるんじゃないのかなと思って。〝私は私なんだ〟って、そう自信を持ってほしいと思ってこの曲を書いていただきました」

──もう1曲の「Moonlight parade」は、初めて作詞に挑戦した曲です。詞は、自分で書きたいと言いましたか? それとも、書いてみませんかと言われた?

「どっちもです。〝挑戦してみる?〟っていう話もあったし、私もずっと書いてみたいと思っていたので、その二つが一致したっていう感じ。合致したからよかったなって思いました」

──曲先? 詞先?

「詞先です」

──じゃあ、書きたいことをいっぱい詰め込んだのでは?

「詰め込めた感じはありますね。初めてだったから想像ができなくて。どんなテンポの曲になるかもわからないし。もちろん、こういう感じのサウンドがいいっていうのは相談させてもらったんですけど、書いている時点ではそこまで深くまで考えられなくて。音もメロディーラインも出てこなかったから、そこへのドキドキはあったかもしれないです。逆に言うと、割と自由に書かせてもらったというか。深く考えずに〝好きな言葉を並べちゃえ〟と思って書き始めました」

──韻を踏んでいたりもしますよね。

「韻を踏むのって気持ちいいじゃないですか。いろんなアーティストさんの曲を聴いていても、〝ここ、踏んでる。カッコいい〟みたいなのがあったので、ちょっと憧れはあったんです」

──きっとライブで披露することも踏まえた上で詞を作ったんだろうなってことも感じたのですが。

「“絶対にライブしたい!”っていう気持ちを持って書きました。ライブをした時にこういう風景が広がったらいいなとか、こういう声を聞きたいなっていうのを、想像を膨らませてっていう感じですね」

──受け止め方は聴く人それぞれだと思うんですけども、こんな風にこの楽曲を受け取ってもらえたらなって思うところはありますか?

「暗闇の中で悶々としている子の物語として書いたんですけど、悶々としている日々から私が連れ出す、この音楽に乗せて私が手を引っ張ってあげるという曲にしたくて。優しく大丈夫だよって寄り添うのもありだなと思ったんですけど、背中を押されたい瞬間ってあるじゃないですか。そういう時に聴いてもらえたらなって思います。
 あと、(歌詞の)〈僕〉というのが、まさに私なんです。〈君〉が聴いてくれるみんななんですけど、ライブで、私の前では偽らないでいてほしいなっていう気持ちがあって。ライブの空間くらいは君のリアルな姿を見せてほしいと思って。そういう気持ちを受け取ってもらえたらなって思います」

──今回のシングル2曲から、古畑奈和のこれから前に進んでいく決意みたいなものも感じ取りました。

「嬉しいです、ありがとうございます」

──このシングルを引っ提げて、8月26日に初のソロ・ライブを開催します。意気込みを聞かせてください。

「ライブは本当にずっと楽しみにしていて。というのも、私、卒業する時に(コンサートの)声出しNGだったんですよ。2年間ぐらい、ファンのみんなの声援を聞けなかったのかな。だから、卒業コンサートの最中も〝またみんなの声を聞くために、私、絶対に帰ってこなきゃ!〟って思ったんです。それがようやく叶うことがすごく嬉しいので、ぜひ、みんなに声を出してほしいなって思うし、忙しい日々のことを忘れてちゃんとステージにいる私に集中できるような、そういう空間を作っていけたらいいなと思っています。私、たぶん、感動しちゃうんじゃないかな」

──泣いちゃいます?

「泣いちゃうんじゃないかなぁ。〝みんな、こういう声してたね、そういえば……〟って。感動しちゃうんじゃないかなって思います」

──最後にメッセージをお願いします。

「ソロになって初めての楽曲を配信させていただきます。どちらの曲もみんなの日常に寄り添えたらいいな、背中を押せたらいいなという想いで届けたいと思っているので、ぜひ、受け取っていただけたら嬉しいなと思います。
 この2曲とも、今まで出会ってくれたみんなには、これからも一緒に歩いてこうねっていう気持ちが隠されていますし、この曲を聴いてもらって出会える方もすごく楽しみにしているので、私の想いが伝わったらいいなと思います」

画像: 私の前では偽らないでいてほしいなって

PROFILE

古畑奈和 NAO FURUHATA

1996年9月15日生まれ。愛知県出身
2011年、SKE48に5期生として加入。SKE48の25thシングル「FRUSTRATION」で表題曲では初のセンターを務めた。2022年9月にグループを卒業後は、女優、歌手として活動中。

古畑奈和 1st LIVE 「Moonlight parade」
2023年8月26日(土)東京 The Garden Room
<1部>開場 13:15 / 開演 14:00
<2部>開場 17:15 / 開演 18:00

・YouTubeチャンネル「古畑奈和 official channel」
 https://www.youtube.com/channel/UCOHrKi-zQ-bvYPOs0vopKRQ

・なおパレ 古畑奈和 OFFICIAL FANCLUB NAOPARADE
 https://furuhatanao.com

PRESENT:サイン入りチェキ1名様

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2023年8月23日(水)23:59まで

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