江籠裕奈：
1stソロシングル『はじまる』インタビュー

“過ぎて行った時（とき）も自分の中では大事だったんだよ”っていうのを伝えたかったんです

──昨年末にSKE48を卒業をされてから、日常に変化があったのでは？と思うのですが。

「今までずっと、劇場公演とか常にあったりしていたので、そう考えると（卒業してからは）ゆっくりはしていました。変わったことは、ソロライブ始めを誕生日にしたかったので……あれ以来、踊ってないです（笑）」

──基本的には楽曲制作の日々。

「はい。仕事始めが『はじまる』のレコーディングでした」

──新しい自分を届けるという部分で、卒業からの日々は、踊ってないとしても、ワクワク楽しみで占められていたのでは？

「そうですね。だけど、ファンの方には何も言えない状況がずっと続いていたから、それはツラかったです。“卒業して、どんな活動をしてくれるんだろう？”っていう中で、準備は進めているんだけど、“まだちょっと言えないんだよなぁ……”っていう期間が長かったので。（1stソロシングルの）情報解禁をさせてもらって、ファンの方からたくさん言われました。“やっと2024年が始まった”って（笑）」

──今回のシングルは、3曲全て作詞を担当されていますが、表題曲の『はじまる』はまさに、歌うなら今でしょ！という楽曲ですよね。

「“今回どういう方向性でいく？”ってなった時に、“こういうのがいいんじゃない？”と言われていた雰囲気の曲が最初はあったんですけど、“この曲は今しか歌えないと思うので”と私が推して、この『はじまる』を歌うことになったんです。この曲は、SKE48時代に劇場公演で歌った『君は未来に試されている』という、私がすごく好きだった曲を作詞されたkazueiさんとの共作になっていて。kazueiさんは、私が『君は未来に試されている』がめちゃくちゃ好きだって知っていたし、実際に歌って踊っているところを見てくださって、アンサーソングというか、それに近い曲ができたらいいなぁというので作ってくださっていた楽曲なんです。だから、“絶対に歌いたいです”と伝えて。実際に見て、感じて書いていただいた歌詞を活かしながら、そこに自分の気持ちも載せさせていただきました」

──ご自身が書かれた部分は？

「主に書いたのは2番です」

──「過ぎて行った時を ただの思い出にしない」とか、新たな一歩への強い気持ちを2番の歌詞に感じます。

「幼い頃から（SKE48に）いたっていうのもあって、“もう20歳になったんだ”とか“時の流れが早い”とか言われることが結構多いんです。でも、私の中では“とにかく一生懸命やっていた10年だけど”って思うことがたくさんあって。だから、“過ぎて行った時も自分の中では大事だったんだよ”っていうのを伝えたかったんです。“みんなが思っているより、あっという間じゃなかったよ”って」

──これまでがあったから、この『はじまる』がある。

「そうです」

少しでも多く、私がステージに立っている姿を見てもらいたいなと思っています

──カップリング曲の『思い出』（通常盤収録）。バラード曲なので、想いを込めやすかったのでは？

「これは卒業公演の次の日に書いたんですよ。時間がなくてそうなったんですけど、今思うと、そうなってよかったなって。12年グループで活動していたんですけど、その中でいろんな出会いと別れがあって。ファンの方もそうだし、メンバーもそうだし。それで、“気づいたらあれ、最後だったよな……”みたいなこともたくさんあったんです。気づいたら会えなくなっていた。それでも“君の幸せを祈っているよ”って。誰の人生にも出会いと別れがあるものだから、いろんな方に共感していただける曲かなって思っています」

──「もしもう2度と会えなくても」という歌詞に、えごちゃんファンは「そんなことないよー」って言うんじゃない？

「（笑）でも、“それぐらいの気持ちだったよ”って。応援していたアイドルがそう思ってるって、この曲が届いた時に気づいたら、幸せになってもらえるかな」

──卒業公演の次の日って、かなりリアルな気持ちで書いたんじゃないかと思うのですが、時間的にはあっという間に？

「これは一晩です。しかも、ノー直しで（笑）。“「あの日の思い出に後悔してる」という歌詞は違うほうがいいんじゃない？”というアドバイスをもらったんですけど、“このままでいきます”と言って。結果、“この歌詞で良かったね”と言ってもらえました」

──『キミと逃避行☆』（@Loppi・HMV限定盤収録）は、ライブが見える楽曲ですよね。

「これは本当にもう、ライブ曲というイメージで選びました。この曲は〈ポジティブ現実逃避〉というテーマがあって、「笑えなくてもちゃんと可愛い！」とか「越えられない壁を染めたい！」とか、逃げることに対して肯定するようなことをファンタジーに書いたんです。全てのことから逃げるってできないと思うんですけど、“思うように笑えなくなったとしても、それでも素敵だよ”って」

──歌詞に出てくる「青色モンスター」。これ、なんですか？

「これは自分に攻撃してくる人をイメージして書きました。“青色モンスターにはなりたくないなぁ”って」

──そういう人は青色なんですね。

「“何色だろう？”って思った時に、“……青かぁ”って。特に意味はないです（笑）」

──この1stソロシングルを引っ提げて、3月29日の誕生日に、ソロになって初のライブ開催。どんなライブになる予定ですか？

「そうですね……でも、この3曲はやります（笑）。あとは、基本的にSKE48の楽曲は使わず。カバー楽曲はあるんですけど。他のアーティストさんの楽曲を歌ったり、そういうのをやっていけたらなって思っています。自分の曲だけでセットリストを作るのが一番なんですけど、カバー曲で魅せるっていうのは今しかできないのかなって思うので」

──「ソロライブ始めを誕生日にしたかった」と話されましたが、そこはこだわりたかった？

「私、誕生日が昔から好きなんですよ。だから、特別な日に始められたらなって。バースデーライブは毎年続けていけたらいいな」

──（ジャケット写真にも使われている）この衣裳については、希望やこだわりなどはありました？

「ずっとお世話になっている衣裳さんのことを大信頼しているし、なんとなく繋がっているので、衣裳に関しては“この曲だったら白です”というのを伝えただけです。スカートのヒラヒラのところに、劇場公演で『君は未来に試されている』を歌った時に着ていた衣裳の一部が使われているんですよ。卒業したということは、新しい一歩ですけど、私は全然変わらないし、繋がりをこれからも大事にしていきたいと思っているので、そういう意味でも“この衣裳で良かったな”って思っています」

──最後に、『はじまる』にちなんだ質問を。新しく始めていきたいことを教えてください。

「12年間活動してきて、“やっぱり歌って踊るのが好きだな”と思って、新しく一歩踏み出したので、応援してくださるファンの方に少しでも多く、私がステージに立っている姿を見てもらいたいなと思っています。だから、フェスに出たりとか、そういうことは積極的にしていきたいです」

──プライベートではどうですか？

「1月、2月は、今までと比べたらめちゃくちゃ時間があったんですけど、12月に燃え尽きたせいで（笑）、今になって“旅行とか行けば良かった”と思って。旅行って、人生であまりしたことないんです。あまり遠出をしないお家だったし。仕事以外で海外に行ったこともないし。だから、旅行かなぁ。ワンちゃんがいるので、ワンちゃんと泊まれるところがいいです」

──誰かと行くとしたら？

「（SKE48の）メンバーかなぁ。でも、メンバーとも、約束しないと会わなくなっちゃったから。これまでは会うことが日常だったのに。ただ、SKE48じゃなくなったからこそ、みんな、今は逆にいろいろ話してくれたりするんです。だからそういう時、ちょっと力になれればいいなと思います」

PROFILE

江籠裕奈　YUNA EGO

2000年3月29日生まれ。愛知県出身
2011年、SKE48の5期生として11歳で加入。SKE48の17thシングル『コケティッシュ渋滞中』で初選抜入り、以降31stシングル『好きになっちゃった』まで選抜メンバーとして選ばれる。2023年12月31日をもってSKE48からの卒業。2024年1月1日より、ソロ活動開始。

・リリース情報
『はじまる』
2024年3月27日発売

江籠裕奈Birthday Live 2024 ”329”
2024年3月29日（金）名古屋Electric Lady Land
開場18:00／ 開演19:00

・オフィシャルファンクラブ「ないしょばなし」
　https://egoyuna.com

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