「花とゆめ」(白泉社)において、1998年から2006年まで連載された大人気少女漫画であり、全世界コミックスの累計発行部数は3000万部を突破した「フルーツバスケット」の完結編を舞台「フルーツバスケット The Final」で描く。主人公・本田透を演じる吉田綾乃クリスティーが、本シリーズで務めてきた役どころについてを振り返った。
(撮影/久保田司 取材・文/BIG ONE GIRLS編集部)
画像2: ――信頼のメンバーたちだから、すぐに戻れるかな?

――世代の近い俳優さんも多かった現場で座長として引っ張ってきましたね。

みんな「座長!」って言ってくださりますが、個人的には周りのみなさんに助けられてようやく立てているような感じがしました。でも、三度目の今回は、率先して引っ張っていきたいな(笑)。周りの方にも支えていただけたら嬉しいです。

――本田透という主人公を演じ、改めて分かった魅力的な部分は?

透くんは、第一に優しい人です。

――すべてのキャラクターに寄り添ってくれる印象を受けます。

どんな人にも分け隔てなく、壁をつくらず、その人のことを考えて寄り添う思いやりのある子だと思います。ずっと演じてきて、透くんってどこか変なところもわかってきました。照れるポイントがちょっとずれていたり。そんな変わったところもあって、知れば知るほど魅力のある素敵な子だと思います。

――普段の自分と似ていると思う部分はありますか?

お母さんが好きなところ(笑)。二人暮らしをしていた透くんには、お母さんしかいなかったんです。私は逆に母と離れて暮らすようになったからこそ、母親を大事にしなきゃと思いました。もし、お互いに何かあった時に、すぐに行ける距離じゃないですから、一緒に住んでいた時より、親は大事な存在なんだとすごく考えさせられました。透と私のベクトルは違いますが、親を思う気持ちに通ずるところがあると思ってます。

――離れて暮らすと親のありがたみが分かりますよね。どういうところで如実に感じましたか?

何でも1人でしなきゃいけなくなりますよね。例えば、朝起こしてくれる人もいないし、遅刻しそうになったら送ってくれる人もいない。帰ったらごはんが当たり前にあったけど、今は自分が用意しなきゃいけないし。ずっと親に頼りっぱなしだったんだなと一人暮らしをして感じました。

――ところで、吉田さんは、可愛らしい声なのに舞台上だと声がすごく通りますよね。舞台ならではの気を付けていることがあれば教えてください。

「フルーツバスケット」に関してですが、きっと自分の普段の声よりも何トーンかあげたほうがキャラクターとしての透くんとして、自然に見てもらえるのかなと私なりに考えました。普段の自分と透くんを自分の中でも差別化したかったので、今のこのトーンで舞台で喋ると、普段の自分が邪魔すると思ったんです。だったら、アニメなどを参考に、私の思った透くんの声を見つけて、透くんとしてセリフを話して物語を作っていきたいなと思っていたので、声の聴こえ方が違うと感じてくれると嬉しいです。

――「フルーツバスケット」シリーズの舞台は、乃木坂46のメンバーは観にきてくれましたか?

ちょこちょこ観に来てくれてたようです(笑)。原作が好きで来てくれたメンバーや、きょうだいを連れて観に来てくれた子も……。

――どんな感想をいただいたんですか?

「フルーツバスケット」を好きな子は、舞台をべた褒めしてくれました(照)。岩本蓮加がフルバ大好きで。ほかにも、「フルーツバスケット」が好きで観に来てくれた子たちは、みんなすごく褒めてくれます。それがすごく嬉しくて! そういった感想を公演中に聞けると、「また明日も頑張ろう!」と思えます。

――舞台は毎回、稽古も含めて長丁場ですが。舞台が始まる前に体力作りみたいなことはやってますか?

とにかくごはんをいっぱい食べる(笑)!

――特に何だろう?

お米が好きなので、炭水化物です。ほかにも、お菓子とかもあれば、ずーっと食べてます。今回もたくさん食べて、パワーを蓄えて千秋楽までがんばります!

――最後に作品のPRを!

ファイナルならではの今まで伏線が貼られてきたものが一気に回収されます。物語の糸口がだんだん見えてきます。慊人が女の子だったというエピソードをきっかけに、なんで男の子として生きてきたのか?をより深く掘ってお届けできると思います。慊人のこともそうですが、ほかのキャラクターのこともより分かりますし、そんなみんなが集まって、この物語がハッピーで終わるのか、そうじゃなく終わるのかを予想しながら見ていただくのが面白いと思います。「フルーツバスケット」を知っている人もそうでない人も、楽しみにしながら見てもらえればいいなと思います。

吉田綾乃クリスティー
1995年9月6日生まれ、大分県出身。
乃木坂46のメンバー。

<主な出演作>
舞台「ゲームしませんか?」(19年)
舞台「フルーツバスケット」シリーズ(22年、23年)
音楽朗読劇「四月は君の嘘」(23年)
映画『三大怪獣グルメ』(20年)

舞台「フルーツバスケット The Final」

10月18日(金)~10月27日(日)

ヒューリックホール東京

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画像3: 本田透を3 season演じてきた吉田綾乃クリスティーの想いとは?
舞台「フルーツバスケット The Final」インタビュー

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