撮影/久保田司
スタイリスト/津野真吾(impiger)
ヘアメイク/林美由紀
取材・文/BIG ONE GIRLS編集部

――舞台『家政夫のミタゾノ THE STAGE レ・ミゼラ風呂』への出演オファーを受けた時のお気持ちを教えてください。
ずっと続いているドラマ作品の舞台に、このタイミングで参加させていただくのは本当にありがたいです。なにより手練れなキャストの方たちの中に自分も参加できるので、いろんな先輩たちの技を盗めるチャンスだなと思い、今から稽古や本番が楽しみな気持ちでいっぱいです。
――第7シリーズまで続く大人気ドラマですが、『家政夫のミタゾノ』の印象は?
やっぱり松岡さんのビジュアルの印象です(笑)。毎回、ほぼほぼ1話で完結するところも観やすいポイントですね。途中から観た方もシリーズを好きで追いかけている方も、好きなお話がたくさんできる作品だと思います。私もそういう作品が好きで、身構えずに観られる上に、観たら生活に役立つ知識がもらえるところもあって。いろんな人が観て、誰もがクスッと笑えるのが素敵だなと思います。
――ドラマを観ていて、家事の裏技で気になったネタはありますか?
今年放送されていた第7シリーズのドラマを観ていたのですが、凍った自転車の氷を溶かすのはアルコールがいいというのを知って、それはいつやるんだろう?と突っ込んでました(笑)。そんな面白ネタから、本当にためになる小ネタだったり、いったいどこから仕入れてくるんだろうとスタッフの方々のこだわりを感じます。
――今回は、東京・大阪以外に石川、愛知、広島、宮城と4カ所増えて、全国6カ所で公演となります。
宮城だと東北の人や私の地元の秋田の人も来やすいのかなと思います。ぜひたくさんの人に生のミタゾノを舞台で観て欲しいです。今回は期間も長いので、体力をしっかりつけて作品の中で掲げた目標を超えられるように頑張っていきたいです。
――コメディタッチの舞台になりそうですし、歌やダンスもあるのかも?
現時点では私のパートで歌やダンスがあるのかは未定です。ダンスはいいのですが、歌がとても不安です。乃木坂46時代、卒業する時にソロ曲を断ったくらいに歌には苦手意識があります(笑)。どういう可能性があるのか今からドキドキしています。
――家政婦の役ということで、生駒さんの得意な家事、苦手な家事を教えてください。
私は料理が苦手で、掃除が大好きです。そもそも人よりも食べることにあまり興味がないので、疲れちゃったらごはんを食べないんです。だから、料理を作って欲しいと言われたら断ります(笑)。その他の家事もこだわっちゃうとそれが出来ないときにストレスになっちゃうので、そういうストレスをためないように普通のことしかしないです。あとはあまり物を買わないようにしています。だから、収納ボックスはまず買わないですね、物が増えるので。断捨離が大好きなので、ストレスがたまったら、断捨離を定期的に行ってスッキリさせています。

――今年は初舞台から10年経つと。生駒さんにとって舞台とは?
安心できる仕事ですね。アイドル時代、自分の中でまだ納得できてないまま仕事に出る瞬間もありました。でも舞台って最低限1カ月稽古があって、初日までに自分の中で納得させて舞台に上がれるという保証があるのを知りました。仕事としてお客さんにちゃんと面白いものを提供できることが明確に見えやすいのが舞台です。時間に追われてとかを言い訳にすることが多かった中で、妥協なく、自分が納得して作ったという自信があるのがいちばん大事だと思っていて。私の性格に合っているのが舞台の作り方で、大事な存在の仕事になっています。
――それに気づいたのはいつ頃ですか?
乃木坂46を卒業するきっかけが舞台でもあったんです。二十歳くらいの時、少年社中さんの舞台(「モマの火星探検記」)に出て、「いつもより時間をかけて、ちゃんと突き詰めて練習したら、自分でもできるんだ!」と思えました。そのお陰で今の人生があるので、舞台は私にとっては特別です。生活の中で衣食住にはお金が必要になりますが、エンターテイメントに対してわざわざお金を払って楽しんでくださる方がいらっしゃいます。そういう観てくださる方がいらっしゃるので、価値を作らないといけないと思って仕事していますし、それが自分のモットーになりました。その価値が明確に見えるのが舞台なので、私は舞台が好きです。
――舞台でのお客さんの反応は気になりますか?
役者もスタッフも、毎日、お客様からの拍手が唯一、安心できる瞬間だと思います。そこがやる気に繋がっているのですごくありがたいです。ただ、私は役として作品を面白くすることに専念しているので、舞台で、その日のお客様のために違ったことをするよりも、毎公演、平等にお客様に満足してもらうお芝居を提供するという考え方です。
――これから、お稽古が楽しみですね!
楽しみです!百戦錬磨の現場を経験してきた先輩たちの振る舞い方を全部勉強させていただきたいと思っています!
<PROFILE>
生駒里奈
生年月日:1995年12月29日
出身地:秋田県
<近年の主な出演作>
映画『死神遣いの事件帖 終』(25年6月13日公開)
映画『室井慎次 敗れざる者』『室井慎次 生き続ける者』(24年)
ドラマ「推しを召し上がれ〜広報ガールのまろやかな日々〜」(24年)
ドラマ「社内処刑人〜彼女は敵を消していく〜」(24年)
朗読劇「モノクロの空に虹を架けよう」(25年)
水谷千重子50周年記念公演「また!また!また!また!50周年!? 水谷千重子、4度目の明治座!」(25年8月より上演)
『家政夫のミタゾノ THE STAGE レ・ミゼラ風呂』
【原案】八津弘幸 【作】後藤賢人 【演出】村上大樹
【出演】松岡昌宏 生駒里奈 岡 佑吏(AmBitious) 蘭乃はな 吉田ウーロン太 川久保 晴/平田敦子 しゅはまはるみ/久ヶ沢 徹 マルシア 金田明夫 余 貴美子
【東京公演】5月16日(金)~6月8日(日)/EX シアター六本木
【大阪公演】6月13日(金)~17日(火)/森ノ宮ピロティホール
他、石川、愛知、広島、宮城公演あり