物語は、三田園ら「むすび家政婦紹介所」の一行が、創立10周年を記念した社員旅行で老舗の温泉旅館「カモヤ」を訪れるところからはじまる。旅行の幹事は、新人家政婦見習いの荻野千紗子（生駒）、この社員旅行は、千紗子の入社試験を兼ねているのだが……。
訪れた「カモヤ」の支配人・創一（金田）に案内された管内は、レトロというよりかなり古く、到着早々一抹の不安が漂う。一方で、「カモヤ」の過剰なオモテナシは、老舗旅館といえども群を抜くすさまじさ。創一の妻の響子（マルシア）や留学生の仲居・ワハル（川久保）も総出で驚異のオモテナシが一瞬たりとも止まらない。その様子に何かが怪しいと次第に気づき始める一行。
実は旅館の経営は窮地に立たされ、過剰なオモテナシ戦略に生き残りをかけていたことをミタゾノはすぐさま見抜くのだった――。
終演後にキャストたちの取材会を開催
ゲネプロを終えて、主演の松岡昌宏とともにキャストたちが取材会へと集まり、意気込みや見どころを語った。
主演の松岡は「ここからお客様が入っていただいて、さらにグルーヴ感ができるんじゃないかなと楽しみです」と語り、続けて結頼子を演じる余は「座長の松岡さんやしっかり者の生駒ちゃんに引っ張られた」と、ドラマも舞台も隔たりない様子を話した。今回、相棒である新人家政婦を演じた生駒は「スタッフもキャストもカンパニーみんなが仲がいい。全員で一生懸命作った作品をお客様に届けるのが楽しみです」と初日を迎える喜びを述べた。
また、今回、チームに初出演となる岡は、「初めて出演したので、名前を憶えてもらいたいのでギャグを披露したい！」と意気込むと、すかさず松岡が「やめた方がいいんじゃないか？顔合わせでもすべってたぞ」といったん制するが、「みなさん優しい目で（見てください）」と前置きし、「しゃけ～？こんぶ～？それともおかか～？AmBitiousの岡佑吏です！」とやり切った。
人気のドラマシリーズからの出演陣と今作に初めて参加するゲストたちも混ざり合う本ミュージカル。「ドラマにはドラマのよさ、舞台には舞台のよさがあって。ドラマで普段楽しんでいただいている方が、劇場に足を運んでくださって、“あ、いる人間なんだな”という風に思ってもらえるのがいちばんいいなと思います」と松岡が、続けて余も「リハーサルからすごく長い時間みなさんとお付き合いすることになりました。いっぱいお稽古をしているんですけど、何が起こるかわからないドキドキハラハラがあって、毎日が本当に楽しかったです」とコメント。
さらに、初めてこのチームに参加するゲストたちにも稽古を振り返ってもらうと、「すごく面白い空間でした。ドラマのみなさんがどういう感じなんだろうと思っていたんですけど、ずっとこのチームで一緒にいたような感覚が最初の方からしていました」（生駒）、「こういう舞台に参加することや他の事務所の方と共演することが初めてで、すごく刺激的でした。毎回リハーサルではみんなが演技している姿を食いつくように見ていて、毎日が楽しかったです」（岡）とコメントすると、松岡が岡に「最後の8小節のダンスは水を得たような魚だったな！さすがった」と岡の見せ場を褒めていた。また、マルシアは「このカンパニーは最高のエネルギーを持っている方たちが集まっている。生のステージだからそれが伝わるんじゃないかなと思ってます。稽古中は、パパ（金田）がすごく盛り上げてくれて面白かった」と話すと、「盛り上げてるわけじゃなくて、一生懸命やってる結果がね……」と金田が笑わせた。チームの和んだ雰囲気が伺えるキャストたちは、みんなで錦糸町のディープな町中華で食事をしたことを松岡が明かす。「本当にずーっと飲んでらっしゃるんですね！」と参加した生駒は驚いた様子だった。
開幕直前、見どころを尋ねられた生駒は、「『家政夫のミタゾノ THE STAGE レ・ミゼラ風呂』、この約2時間の上演時間だけは、嫌なことも何もかも忘れる楽しい時間をお届けしたいと思います！」と呼びかけた。そして、最後に松岡が「全46公演、一つ一つのステージをみんなで楽しみ、お客さんも楽しんでいただき、最後まで突っ走りたいと思います！」と締めくくった。
『家政夫のミタゾノ THE STAGE レ・ミゼラ風呂』
【東京公演】5月16日（金）～6月8日（日）／EX シアター六本木
【大阪公演】6月13日（金）～17日（火）／森ノ宮ピロティホール
出演：松岡昌宏 生駒里奈 岡 佑吏（AmBitious） 蘭乃はな 吉田ウーロン太 川久保 晴／平田敦子 しゅはまはるみ／久ヶ沢 徹 マルシア 金田明夫 余 貴美子
