ゼロ年代を代表する青春映画の金字塔『リンダ リンダ リンダ』が8月22日(金)より4Kリマスター版となりスクリーンに蘇る!
女子高生たちが文化祭に向けて「リンダリンダ」を演奏する……ただ、それだけのはずなのに、キラキラして瑞々しい青春を送る4人の女の子たちの姿は20年の時を経てもなお、あらゆる世代の心にぶっ刺さりまくること請け合い。
バンドのギターを担当した恵(ケイ)役で、第29回山路ふみ子映画賞新人女優賞受賞した女優・香椎由宇に当時の大切な思い出をたっぷり振り返ってもらった。

撮影/久保田司
スタイリスト/小浜田吾央
ヘアメイク/大園蓮珠
取材・文/柳真樹子

画像1: “こんなに青春を味わえた私、羨ましいでしょ?”って(笑)
香椎由宇にとって大切な映画『リンダ リンダ リンダ』の存在

――20年の時を経て「リンダ リンダ リンダ 4K」が上映されます。香椎さんは改めて、本作をご覧になったのでしょうか?

ひと足先に4K版を試写で観させていただきました! 我ながらめちゃめちゃ感動しました(笑)。

――色褪せない青春映画ですよね。

いい映画だな~って(笑)。しかも関根(史織)さんと前田(亜季)さんと山下監督と一緒に試写室で観れたんですよ! 観終わった後に、「本当にいい映画だね~」ってキャッキャしながら話しました。今、ちょうど青春を過ごしている世代の方にも観て欲しいです。音も良くなっています。かといってすべてがはっきり見えるわけではなくて、“リンダ”っぽい、下駄箱の雰囲気とか、夜の部室の暗さとかはそのままでした。『リンダ リンダ リンダ』の世界観をそのまま残した4Kになっているのですごくよかったです!

――当時、この映画のお話をいただいた時の心境って覚えていますか?

「ギターをこれからやるの?」と。キーボードとか、触れたことのある楽器ならまだしも、まったくもって経験のない楽器を今から練習するプレッシャーでいっぱいでした。また、リアルに高校3年生でしたが、これまで文化祭という行事に参加したことがなかったし、他校の文化祭を見に行くこともなかった私がこの役を?と。漫画で読むような文化祭はキラキラしていて、それを映画に置き換えた時に、文化祭経験のない私が演じるというのが何とも複雑な気持ちでした。

――今となっては、映画で香椎さんが文化祭を経験できたのでは?と思いました。

はい! めちゃめちゃ楽しかったです!

――バンドの練習はいかがでしたか?

この作品の中で描いている、恵ちゃんそのままでしたね。恵ちゃんも元々はキーボード担当だったのですが、劇中で「風来坊」を歌っている萠ちゃんが手を骨折したために「私がギターをやる!」と言ってギターを弾くことになるんですよね。本当に劇中の恵ちゃんぐらいできなかったんです。リアルにあのまんまの撮影でした。

――じゃあ、練習を兼ねて本当に部活だったんですね~。

撮影期間中は文化祭に向けて、部室で練習をして、みんなでスタジオに入ってそこでも練習するみたいな生活をしていましたね。

――4人で練習している時の様子って思い出せますか?

部室には雑誌とかがいっぱい置いてあったのでそれを見て、「この人かっこいいね!」とか話していました(笑)。で、「やばい練習しないと!」と慌ててまたバンドの練習をすると(笑)。

――JKの会話だ(笑)! 関根さんはバンドをやられているし、他のメンバーはどうだったんですか?

じつは前田さんはもともとドラムをされてたんですよ。だから本当に私だけが楽器ド素人で(笑)。どれだけやったか覚えてないぐらい、ギターを練習させられた感があります(笑)。

――そして、ぺ・ドゥナさんがボーカルで参加。ドゥナさんは日本語の歌詞を練習されていたのでしょうか?

THE BLUE HEARTSの楽曲に関しては、歌を覚えてくださっていたそうです。割と撮影の直前にギリギリで日本にいらっしゃると聞いていたので、コミュニケーションとかは、みんなでどうしようと考えていました。ドゥナは年齢もいちばんお姉さんで、すでにたくさんの作品にも出演されていました。私からすると、前田さんもしっかりとしたキャリアがあるし、関根さんはまったく畑は違うけど、めちゃ雰囲気ある子だし……。

画像2: “こんなに青春を味わえた私、羨ましいでしょ?”って(笑)
香椎由宇にとって大切な映画『リンダ リンダ リンダ』の存在
画像3: “こんなに青春を味わえた私、羨ましいでしょ?”って(笑)
香椎由宇にとって大切な映画『リンダ リンダ リンダ』の存在

――4人が合流できたのはいつだろう?

最初に4人で会ったのは、スタジオに入った時だったんですよ。その時に英語と韓国語と日本語を駆使して、なんとなくのコミュニケーションは取れたんですよね。なんとなくの英語でたどたどしいながらも(笑)。日数を重ねるごとに、お互いがお互いに、日本語と韓国語を教え合うと。当時の台本を見ると最後のページにメモがあるんですけど、韓国語が単語帳みたいにたくさん書いてありました。

――何がきかっけで打ち解けたんでしょう。

撮影が合宿みたいだったんです。スタッフさんたちは別で、私たちだけが同じホテルでした。ホテル内の部屋を行き来して、結局一つの部屋にみんなで集まるとか(笑)。どこ行くにも一緒だったし、同じ部屋で、豆腐と納豆ばかりを食べていましたね(笑)。そういう風に毎日、みんながその現場を楽しんで日々過ごしていました。

――練習もすごくされたんでしょうが、今、ギターは弾けます?

「リンダリンダ」は弾けるかもしれないですけど、「僕の右手」はもう弾けないかもしれません。「終わらない歌」なんか、指がついていけないかも(笑)。

――当時、と今で、本作の印象は変わりましたか?

当時は当事者として映画を観ていたので、ちょっと恥ずかしいぐらいの気持ちでしたね。「なんで私の青春を全員に見せなきゃいけないんだろ」と気恥ずかしさが第一にありました。今は「羨ましいだろ~?」と(笑)。

――自慢できる経験です(笑)。

こんなに青春を味わえた自分が羨ましいでしょ?と同年代には言えますし、今の青春を送っている年代の子には「携帯ばっかり見てないで、ちゃんと青春しなさい!」とこの作品で説得したくなります(笑)。

――香椎さんにとって、青春の名曲ってありますか?

私たちの学生時代は、GO!GO!7188とかBUMP OF CHICKENとかGOING STEADYとか、すごくバンドが多かったんです。当時、聴いていた方々が、最近の音楽番組に出ているのを見ると、「うわあ!」って懐かしい気持ちになりますね。

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