撮影/久保田 司
スタイリスト/町野泉美 【山下】
和田ミリ【祷】
ヘアメイク/徳永 舞【山下】
山口恵理子【祷】
インタビュー・文/瀧田有子
衣裳/
【山下】トップス¥41,800、スカート¥253,000、ピアス¥11,000:すべてBASICKS(contact@basicks.jp)
靴:スタイリスト私物
【祷】トップス¥36,300:OPEN SESAME CLUB(www.open-sesame-club.com)
ラップスカート¥70,400:ROLF EKROTH、靴¥82,500:ADIEU(ともにBOW INC 03-6427-1590)
あの現場の空気の、あの三人だからこその、素なのかなんなのかっていうのがピッタリはまった映画でした
──完成版の脚本を読まれた感想から聞かせてください。
祷「(監督でもある)堀内(友貴)さんが書いたセリフの、本当に小さなところに焦点を当てて、ちょっとした言葉とか空気のニュアンスを成立させようとしているんだと私は感じました。だから、映像としてどう出来上がるかはわからないけど、作品に出てくる人たちが愛おしいキャラクターだなと思えて。そこがクランクインしてからの楽しみでした」
山下「私は“とにかく現場に行ってみないとわからないな”って思いました。特に大事件が起こるわけでもなくというのもありましたし。ただ、(エグゼクティブプロデューサーである)河瀨直美さんの「NARAtive(ナラティブ=奈良と世界をつなぐ映画制作プロジェクト)」ということもあるので、堀内さんのような新しい方と仕事ができるというのは、自分にとっての成長になるのかなって。だから(舞台となる)宇陀という土地を信じて、現場に期待してクランクインした感じでした」
──山下さんが演じられたサエ、祷さんが演じられたアカリについて、それぞれどう演じようと臨まれましたか?
山下「もちろん脚本を読んでいろいろ役作りをした部分はあったんですけど、 サエは自分発信なことがなく、 受けの芝居が多かったので。 宇陀の空気感や、 二人(細川岳・祷キララ)と一緒に過ごしていく時間の中で、 自然発生していくであろう自分の感情を素直に受け取っていけばどうにかなるかなって思っていました 」
祷「アカリは亡くなった友人が見たと言っていたフラミンゴを探しに宇陀に来るんですけど、その気持ちは共感できる部分が結構ありました」
──とはいえ、冷蔵庫を背負っているという設定って非日常的ですよね。
祷「そうですね。ただ、不思議と違和感なかったんです。観てくださった方から“冷蔵庫、インパクトがあったね”とか言われたりするんですけど、なぜか私は異物感がなく。それは何度も脚本を読んで、自分の役を考えたこともあるんですけど……でも、今考えると、すごい違和感ですよね(笑)」
山下「(クランクイン)初日は不安がってたよね(笑)」
祷「でも、冷蔵庫を背負うということを私自身はしないかもしれないけど、例えば“この人が言っていたあれを今見ないといけない気がする”みたいな、直感的に“これが今の自分に必要で、だから行ってみる”ということをするって自分自身もあるので、そういう意味では共感できるなと思いました」
──ちなみに、舞台となった奈良県の宇陀はどんなところでした?
山下「もう本当に、癒しの街だなって思います。薬膳とかもそうですし(※宇陀市は日本の中でも特に薬草文化が深く根付いた地域)、竜神を祀る神社にしてもそうですし、すごくパワーが眠っているところなので、私自身、撮影していても心がほどけていく感覚があって。それこそこの撮影が終わった1年後も、両親を連れて宇陀に再訪しました。そういうことってなかなかないので、自分にとって特別な町になったなっていうのはありますね」
祷「私も心がほどけていく感じがしました。自然が美しくて、歴史を積み重ねてきているものにも力を感じましたし。この作品では芝居をする時に“自分を制御するストッパーを外していこう”と思っていたんですけど、一番にボタンを押してくれたのが、宇陀の自然とか町に流れている空気だったんです。そのおおらかさで、“あ、いける”みたいなものを感じました」

──本作を観て思ったのですが、長回し(カットせずに長い間カメラを回し続ける映画の技法)を多様されていますよね。どこまでがセリフでどこまでがアドリブだかわからないぐらい。
山下「セリフはもちろんあるんですけど、言い終わってからもカットがかからないので、三人で勝手に喋ってましたね。あと、面白かったのが、芝居の間がだんだん長くなっていったことです。普段の撮影現場では、間を取りすぎると不安感が出るんですが、この映画では、不思議なことにだんだんみんな間が伸びていって。それって、意図せずにその場の瞬間瞬間に生まれたものだと思うんです。堀内監督のすごいところは、その空気そのものを長回しで切り取れるところなんですよね」
──演技をしていないんじゃないかと思うぐらい、三人の自然な姿が映し出されていました。
山下「その感覚は強かったです。そのまんま過ぎたかなっていうぐらい(笑)。逆に“こんな芝居をお願いします”と言われても、たぶんできなかった。あの現場の空気の、あの三人だからこその、素なのかなんなのかっていうのがピッタリはまった映画でした。アドリブも他の現場でいつもやっているわけではないですし、堀内さんがそれを面白がってくれたからですね。出来上がった映画を観ると、予想以上にアドリブのシーンがあり “堀内さん、結構使ってるなぁ”って。ただその場で生きてる瞬間がお好きなんでしょうね。 “ゆかり(ふりかけ)あるやん”なんて、台本に何も書いてないですから(笑)」
──祷さんも同じ感覚でしたか?
祷「この三人だからというのは本当に思いました。リオさんも(細川)岳さんも、芝居をすることに対しての情熱や責任感があって、とにかく信頼できる。俳優としてどう演技をしようとか、どういう関係性を築こうとか、そういう気持ちを取っ払って、人として関わっていける。なんか、頑張ろうとかじゃなく、割と自然な流れでお二人と向き合って一緒に時間を過ごしていけた、その積み重ねがちょっとした瞬間に滲み出て、堀内監督はきっとその瞬間を撮ろうとしているんだなって思いました」
クランクインの時に監督と激しくぶつかっているのを見て、“この方と仲良くなれるかな”って……(笑)
──撮影現場もチームとしてまとまっていたのでは?
山下「そうですね。地方ロケということもあり、チーム感は強かったです。で、私、まあまあお恥ずかしながらですけど、初日に監督と喧嘩をしまして……。喧嘩というか、監督が私に気を遣いすぎて上手くコミュニケーションがとれないみたいなことがあったので、撮影が終わった後に“ちょっと二人で話しましょうよ”とか言って(笑)。キララちゃん含めて周りにはビックリさせたけど、話したことでより結託できたような感じがありました」
──良い現場にするために、思ったことを最初に言っておこうと。
山下「そうですね。私は監督についていくって思っているし、才能がある人だからそれをストレートに言ってもらえればいいのにっていうので、私のどストレートな部分が出ちゃって、“優しさや気遣いは私には必要ないです”って(笑)」
──本作を楽しみにされている方へメッセージをお願いします。
山下「私は、この作品は体験型映画だと思っていて。現場中は、堀内さんのまなざしは観察に近いなと思っていたのですが、映画を通して見ると、皆さんが実際に見ているような景色になっているというか、その場に一緒にいるような感覚になれる不思議な映画だなと思うんです。台本も独特ですけど、この映画に流れる時間も含めて独特で……でもそれがなぜか懐かしくも思ってしまうのは、袖触り合うもの多生の縁と思えるような優しい時間を誰しも求めているような気がして。現代社会では、時間の流れも早いですし、考えなきゃいけないことが多く、自分軸を保つのがなかなか難しくなっていると思うんです。この映画を観ると、喧騒から離れて、少し息が吸いやすくなるような作品にはなったなと思います」
祷「リオさんがおっしゃったように、今、特に都会で生きていると、合理とかを求めることが当たり前で、それに慣れてしまっていて、例えば旅行する時だって、できれば直行便に乗って行こうって思うんですよね。5分時間があるからメールをチェックしようとか、ちょっと調べようとか。それが必要な時もあるけど、何かに追われている時こそ無関係な場所に行ってみるとか、自分の人生に必死な時ほど他人の人生に触れるとか、一度離れてみることで自分が頑張りたいことに必要なものが見えてくる時ってあるなと私は思っていて。この作品はまさにそういうことを描いている映画だと思うんです。だから、仕事とか生活とか、人間関係とか、自分の周りの出来事に追われている人たちに観てもらえたらいいなと思っています。映画というもの自体も、別の人間のドラマに触れて何かを持ち帰るってものだと思うんですけど、この作品って、そういう回り道(寄り道)の中で起きる、小さな奇跡なのか変化なのか、そういうものをすごく肯定して寄り添おうとしている映画だと思うので、それが届いたらいいなってすごく思います」
──お二人は初共演ですよね。お互いの印象を最後に聞かせてください。
山下「私、いつもキララちゃんの年齢忘れちゃうんですよ。落ち着いてるし、思慮深いというか頼り甲斐があって。しかも素直で。素直でいられるって最強だなって思うんです。普段どう生きているかって俳優としてとても大切なことになってくると思うんですけど、素直にまっすぐにお芝居してくれたからこそ、私は不安がなかったし、だからこそのこの三人の空気感が作れたと思いますし。やっぱり年上二人だと物怖じしたりするじゃないですか。しかも私は初日に怖がらせてますし(笑)。それでも撮休に一緒に遊んでくれたり、本当に良い関係性を築けたのはキララちゃんの人間力だなって。なので、これからの映画界を引っ張っていく人だなって思いました」
祷「私は正直、クランクインの時に監督と激しくぶつかっているのを見て、“この方と仲良くなれるかな”って……(笑)」
山下「あはは! そやろな」
祷「でも、めちゃくちゃ大好きになっちゃって。私、現場で出会った人の真似をするとか、なんかカッコ悪いなと思うので、自分は自分って思っているけど、リオさんにはいろんな影響を受けて、車の免許を取ったり、海外旅行に行ったり。この映画を撮ってる時にリオさんがぶつかっているのを見て、私は同じぐらいの熱量で、責任を持ってこの映画に向き合えていたのかなと思ったんですよ。他人とぶつかるって避けられるし、私自身避けてきたのかもしれない。じゃあ、どうしてぶつかるのか。それはやっぱり自分が関わるには良い作品を絶対作りたいという想い。そこの譲れなさって、本当に俳優としての強さだし、魅力だし、その強さを初めから最後まで貫き通している姿を見ていると、私自身、“もっと関わっていこう”という気持ちになって。芝居もそうですし、人間としても自分の人生をちゃんと自分の足で歩んでいる方だなって感じて。なんか恥ずかしいですけど、本当にすごく影響受けざるを得ないくらい、ものすごくパワーと魅力に満ちた方だなって思っています」
──ベタ惚れですね。
山下「ありがとうございます!(笑)映画を観たらちゃんと感想をくれたり。私、周りにそんな人いないから。こう見えてネガティブなんで、励みになります。ありがとうございます」

PROFILE

山下リオ RIO YAMASHITA
1992年10月生まれ、徳島県出身
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祷 キララ KILALA INORI
2000年3月30日生まれ、大阪府出身
作品紹介



『トランジット・イン・フラミンゴ』
一緒に移住してきた恋人に置いていかれたサエ(山下リオ)。地元から離れられないまま日々を過ごすリュウタロウ(細川岳)。冷蔵庫を背負い親友キョンちゃんとの思い出を探しにきたアカリ(祷キララ)。たまたま同じ村にいた三人は、偶然出会い、1台の冷蔵庫と共に、ひょんなことからフラミンゴを探す小さな旅に出る。
銭湯に行ったり、スーパーに寄ったり、村の中をあてもなく歩きながら過ごすうちに、三人は少しずつ本音をこぼしていく。迷って、笑って、ときどき立ち止まりながら、それぞれの停まっちゃった時間が少しずつ動き出す。
偶然が重なって始まった、ちょっと不思議であたたかな、人生のちいさな交差点での物語。
出演:山下リオ 細川 岳 祷 キララ
三浦誠己 田中隆三
古川琴音(声の出演)
監督・脚本 堀内友貴
音楽:工藤祐次郎
配給:Stranger
5月15日(金)新宿武蔵野館・Strangerほか全国順次公開
公式ホームページ:https://transitinflamingo.com
Ⓒ2026 ”Transit in Flamingo” NARA INTERNATIONAL FILM FESTIVAL
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