各メディアで数多の俳優がせめぎ合う中、比類のないアンニュイな雰囲気で役者として独自の立ち位置を確立しつつある、村上虹郎。彼が女優・芋生悠とW主演を務めた映画「ソワレ」が、8月28日に公開。本作のプロデューサー・豊原功補やアソシエイトプロデューサー・小泉今日子との出会いも興味深いが、岩松翔太役を作る過程は、執念とも呼べるほどストイックで脱帽。映画を数え切れないほど鑑賞してきた彼だからこそ語ることができる、本作の魅力とは。

撮影/奥田耕平(THE 96) スタイリスト/望月 唯 ヘアメイク/橋本孝裕(SHIMA) 文/内埜さくら 
衣裳/Shirts ¥49,000、Pants ¥36,000(FACETASM/FACETASM omotesando 03-6459-2223)、Tank top ¥5,500(WACKOMARIA / PARADISE TOKYO 03-5708-5277)、Belt ¥10,000(Scye/Scye 03-5414-3531)、Necklace¥19,800 (Esth. 03-5050-2200)、Shoes ¥96,000(CALMANTHOLOGY / https://calmanthology.com/)

画像1: 映画『ソワレ』村上虹郎インタビュー「翔太は、今まで演じた中でも格別に難しい役。豊原(功補)さんのアドバイスが指標になりました」

――本作は豊原功補さん、小泉今日子さん、外山文治監督らが立ち上げた「新世界合同会社」の第1回プロデュース作品です。起用されたときの感想は。

「豊原さんと小泉さんとは、(2016年公開の)舞台『シブヤから遠く離れて』で、深い縁がある役柄で共演させていただきました。それが今回、自分を起用してくださったきっかけになったのかなと思っています。しかも小泉さんは、僕の両親より少し姉貴分的な存在で、幼い頃は一緒にバーベキューを楽しんだこともあったんです。ですが僕は学生時代、学校と親の教育上の観点から、メディアに触れることを禁止されていまして。一時代を作り上げた大スターだという経歴をうっすらとは存じ上げていましたが、“身近にいるお姉さん”や“遠い親戚”という意識で接していました(笑)。お仕事をご一緒させていただいてからは、意識がガラリと変わりました。舞台では、言葉多くコミュニケーションをとらず、ずっと見守ってくださっていました。そして本番で舞台に立つと、同じイチ役者として向き合ってくださる。役者としての新たな一面を引き出していただき、とても勉強になった思い出があります」

画像2: 映画『ソワレ』村上虹郎インタビュー「翔太は、今まで演じた中でも格別に難しい役。豊原(功補)さんのアドバイスが指標になりました」

――豊原さんとは、先の舞台が初の出会いですよね。印象は。

「舞台のポスター撮影後、(作・演出の)岩松(了)さんと小泉さんと僕で飲み屋にいたら、豊原さんがフラッと立ち寄られたのが初対面です。当時の自分は役者として2年目ぐらいの駆け出しで、大先輩方を前に、どういった言語を扱って接するべきか迷っていました。そして“役者としてどうあるべきか”という自分の考えを話したら、教えていただいたんです。“その思いは、人前で話すべき内容ではない。自分の胸にしまっておきなさい”と。男としてのみならず、役者としての人生論もご教示していただき、“何てカッコイイ大人の男なんだ!”と、尊敬しました。舞台稽古初日のお言葉も、今でも鮮明に覚えています。スマホの音をオフにしていたのですが、着信があったので確認していたら“外でやれ!”とお叱りを受けたんです(苦笑)。もちろん、僕の中で作品を軽く見ていたつもりはありませんが、叱ってくださる大人は少なくなっているので貴重な存在だと感じました。飲みの席で柳楽(優弥)さんにアドバイスを受けることもありますが、豊原さんや柳楽さんなど、“愛ある指導”をしてくださる方々は少ないと思っているので。世の中が、他人に関与しない潮流でもありますし有り難かったです」

画像1: ©2020ソワレフィルムパートナーズ

©2020ソワレフィルムパートナーズ

――その豊原さんから、本作で演じた岩松翔太役に関してどんなアドバイスをいただきましたか。

「“翔太はギター&ボーカルではなく、ベース&ボーカルだよね”とおっしゃっていただき、腑に落ちました。僕にとってベーシストは、裏番長というか真のリーダー。レッチリさんなど例外的なバンドもありますが、ベーシストがバンドの屋台骨というイメージを持っていたからです。翔太は、芋生悠さんが演じた山下タカラの人生に巻き込まれていくうえに、次第に内面をあらわにするという、今まで演じた中でも格別に難しい役。しかも役者としては自分の個性をつかみきっていないというか、原石。というか、売れないかもしれない(笑)。そこをどう計算すればいいのかが自分にとっての新たな挑戦で試行錯誤したので、豊原さんのアドバイスが指標になりました」

画像2: ©2020ソワレフィルムパートナーズ

©2020ソワレフィルムパートナーズ

――映画『ソワレ』の魅力をお願いします。

「説明をせざるを得ない作品が多い中で稀有な、説明不要でストーリーがわかりやすく、没頭できる映画だと思います。洋画は登場人物の説明を入れ込むのが当然の文化ですが、答えを与えているがゆえに観客の読解力や想像力を奪う側面も担ってしまう。ある高名な映画監督は、洋画の特徴を把握したうえで“説明を入れると作品が下品になる”と評していました。僕はどちらのテイストも好きですが、この作品はモノローグで語ることもなく、ナレーションも入りません。限界まで削ぎ落としたこの作品も良作であることを、映画館で確かめてください」

PROFILE

村上虹郎 NIJIRO MURAKAMI

1997年3月17日生まれ、東京都出身。

〈近年の主な映画出演作〉
『銃』(2018年)
『ハナレイ・ベイ』(2018年)
『ある船頭の話』(2019年)
『楽園』(2019年)
『"隠れビッチ"やってました。』(2019年)
『銃2020』(2020年)

〈公開待機作〉
『佐々木、イン、マイマイン』(2020年11月27日公開)
『燃えよ剣』(近日公開予定)

画像3: 映画『ソワレ』村上虹郎インタビュー「翔太は、今まで演じた中でも格別に難しい役。豊原(功補)さんのアドバイスが指標になりました」

二度目のタッグを組んだ外山監督とのやりとりや私生活のお話など村上虹郎さんのグラビア&インタビュー詳細は8月25日発売の「SCREEN+Plus(スクリーンプラス)Vol.68」本誌にてご紹介しています。

画像: 村上虹郎さん:映画『ソワレ』コメント youtu.be

村上虹郎さん:映画『ソワレ』コメント

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本予告映像

画像: 【映画『ソワレ』本予告】8月28日(金)テアトル新宿、テアトル梅田、シネ・リーブル神戸ほか全国公開 youtu.be

【映画『ソワレ』本予告】8月28日(金)テアトル新宿、テアトル梅田、シネ・リーブル神戸ほか全国公開

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STORY

俳優を目指して上京するも結果が出ず、今ではオレオレ詐欺に加担して食い扶持を稼いでいる翔太。ある夏の日、故郷・和歌山の海辺にある高齢者施設で演劇を教えることになった翔太は、そこで働くタカラと出会う。数日後、祭りに誘うためにタカラの家を訪れた翔太は、刑務所帰りの父親から激しい暴行を受けるタカラを目撃する。咄嗟に止めに入る翔太。それを庇うタカラの手が血に染まる。逃げ場のない現実に絶望し佇むタカラを見つめる翔太は、やがてその手を取って夏のざわめきの中に駆け出していく。こうして、二人の「かけおち」とも呼べる逃避行の旅が始まった──。

映画『ソワレ』

8月28日(金)テアトル新宿、テアトル梅田、シネ・リーブル神戸ほか全国公開

出演:村上虹郎 芋生 悠
   岡部たかし 康 すおん 塚原大助 花王おさむ 田川可奈美
   江口のりこ 石橋けい 山本浩司

監督・脚本:外山文治
プロデューサー:豊原功補
共同プロデューサー:前田和紀
アソシエイトプロデューサー:小泉今日子
後援:和歌山県
協力:御坊日高映画プロジェクト
配給・宣伝:東京テアトル

PG12+

©2020ソワレフィルムパートナーズ

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