(写真左から:チャンス大城、杉野遥亮、清野とおる)
――杉野さん、本作の出演が決まった時はどのような心境でしたか?
杉野「最初は迷いました。僕の中では心霊現場でお酒を飲むという行為が理解し得ないということや、いろんな思いがあって僕にはできないと思いました」
――杉野さんは幽霊を信じているということですか?
杉野「目に見えないもの、そういう世界がないなんて誰が決めるんだと、見えない人には見えないし、見える人にはある世界という認識です。そういう世界を知っている人もたくさんいる中で、それを僕は否定をしないし、そういった世界をバカにするということを僕はできないなという価値観がありました。憑りつかれたらどうしようと思いましたし、それは僕だけではなく、スタッフさんに憑りつくというのも嫌な話だと思っていたので、何があってそういうことが起こるのかわからないですが、バカにしてはいけないですし、怖いことはよしたほうがいいんじゃないですかと思いました。その上で、「東京怪奇酒」をどうやってホラーコメディとしてみなさんに届けられるのかを監督やプロデューサーと話していきました」
――どうおもしろくするかというのを考える上で、ドラマの中で出てくる“混ざる”というキーワードから、生きることに昇華していった感じですか。
杉野「それは監督たちと一緒に話し合ってたどりついたものかなと思っています。2話3話以降観ていただければわかるかと思いますが、顕著にそういったところがフォーカスできたのはよかったなと思いましたし、ありがたいと思いました。人を怖がらせるために作品を作るというよりも、これを観てこういう世界観で笑っていただこうというほうが僕の性にあっていますし、観ている方にお届けできるかなと思いました。役名が杉野遥亮という人物なので、そのほうが僕自身に近いのかなと」
――最初の出演の話を聞いてからと撮影してみて、心境の変化はありましたか?
杉野「監督とお話していく中でもその質問を何回も聞かれました。監督たちと模索したホラー・コメディになっていると思います。怪奇酒という行為に対する考えは一切変わらなかったです、僕は。こんな世界ダメだと思いましたし、今でも思っております!」
――客観的にみて笑えるとは思いましたか?
杉野「笑えるというのはわかりました。役に入りすぎるのも違うといいますか、今回は杉野遥亮役なので、いろんな視点から物事を考えたときに、準備前段階やシーンに臨むにあたって、感覚というよりも頭を使うお芝居のほうが多かった気がします。とても勉強になる現場でした」
〈ここから杉野遥亮×清野とおる×チャンス大城の対談〉
――清野さんはなぜ東京怪奇酒を描こうと思ったのですか?
清野「それまでは、主に居酒屋やスナックに通いつつ、そこで体験したことを漫画にしてきたのですが、40歳に差し掛かって、余り刺激を得られなくなってきたのと、人と密に付き合うのに疲れて、じゃあ心霊スポットに行こうかなと思ったわけです。人間とのかかわりに疲れてきたけど幽霊なら気を遣いまくらなくていいし、単純に怪奇的なものや怪談が好きだったので、一石二鳥かなと。そんなに深い意味はないです」
――実写化のオファーがきてどう思いましたか。
清野「実写化はそもそも期待していなかったです。不謹慎と言えば不謹慎ですし、自分が楽しいように描いていましたので。今思うと、漫画の中で怪奇スポット以上に俗にいうパワースポットと言われるような縁起のいい場所にも足繁く通っていました。ボルサリーノ関さんの開運飯を食べたり、陰陽師さんから運気があがるお札をその場で作っていただいたりしたので、計らずもそっちの力を証明したのかなと思います。実写化や豪華なキャストで放送されるのはパワースポットのおかげなのかなと思いました」
杉野「それならば、パワースポットの漫画を描いていただいて、そこに僕が行きます!その実写化どうですか?」
清野「杉野さん的にはそちらのほうがやりやすいかもしれないですね」
杉野「もちろん!みんなで運気を上げに行きましょう!」
清野「怖がりの杉野さんだからこそドラマがおもしろいかたちになったと思うので、怪奇現場行きましょうよ!」
杉野「いや、もういいです(笑)。パワースポットの漫画を描いていただいて……、よろしくお願いします」
清野「実はパワースポット系の漫画を描いている人はけっこういるんですよね。漫画を描く上での大前提として、まだ誰もやっていないことをやりたいということを常に思っているので、怪奇現場で食べたり飲んだりするグルメ要素のある漫画はまだ誰もやっていないかなというのも、描いたきっかけの1つですね」
――怪奇酒体験をしてからアイデアが浮かぶようになったとおしゃっていたと思うのですが、もしかするとそれもパワースポットのおかげですか?
清野「怪奇酒は己との闘い、オバケとの闘いと思っているんですけど、ハイリスクノーリターンともいうんですが、人が率先してしないようなことを敢えて率先してすることにで、自分の頭をビックリさせるんです突拍子もないことをすると脳がビックリするので、その分だけそれまでなかった新たな視野や価値観が得られると思っています。怪奇酒はまさに僕の中でそういうことなんです。脳トレというんですかね、それまで思いつかないようなアイデアや表現方法が得られたのではないのかなと」
――杉野さんにとって今回の作品は脳トレと言いますか、頭を使うとおっしゃっていましたが、清野さんのお話を聞いていかがですか。
杉野「お話を伺っていて、ジェットコースターではダメだったのかな?と(笑)。でも、そのおかげで生きていることの実感になっていったというか、シフトチェンジするきっかけにもなったのかなと思いました」
――チャンス大城さんは聞いていかがですか。
大城「お酒を飲んで酔うということと、オバケを見るというちょうどぶつかるところが、清野さんの天才的な発想なんだなと思いました」
――チャンス大城さんはドラマ初出演で緊張されていたようですが。
大城「セリフが棒読みになってしまって……。あたたかい現場で杉野さんはじめスタッフさんにも助けていただきました」
杉野「1話で大城さんに監督から怖い顔をして振り返ってくださいとのオーダーが入って、僕が大城さんを見送るというシーンだったのですが、大城さんがウソみたいな漫画のような顔をしていたんです。その様子をスタッフさんたちもモニターでみていてゲラゲラ笑っていました」
大城「あのとき追い込まれていまして、僕の棒読みがNG連発で」
杉野「そのあと、監督があまりにも漫画っぽ過ぎる顔をしていたので普通の顔をしてくださいとおしゃっていて、先日完成したものを観てみたら、大城さんがウソみたいな顔をしていました。ぜひ大城さんの顔を楽しみにしていただければと思います」
清野「その直前のシーンでは、チャンスさんが杉野さんにご自分が体験をされた話をするシーンでしたけど、そこは本当の体験なので割といつも通り自然体でしたよね」
杉野「棒読みとのギャップ」
清野「あれは笑っちゃいましたよね」
大城「セリフを追わなくていいですよ、普段通りと言われたんですが、普段通りが分からなくなりまして(笑)。でも楽しかったです」
――撮影中のエピソードを教えてください。
杉野「怪奇酒」中は怖くて赤いパンツを履いていました。赤いパンツで身を守ってくれると聞いたので、赤いパンツでずっと撮影に臨みました」
大城「赤っていいんですよね」
清野「魔よけの色ですよね」
大城「赤ちゃんの赤、パワーがあるという意味で。おじいちゃんのちゃんちゃんことか」
清野「僕も今日たまたま赤いパンツ履いてきました」
――開運飯のパートは怪談オールスターズ※が勢ぞろいしています。
杉野「開運飯までちゃんと観ていただきたいですね。各話の最後のシーンに開運飯が登場します。怪談オールスターズが集合したポスタービジュアルの撮影はすごかったですよ。スタジオに入るとき、すがすがしいスタジオだなと思って(怪談オールスターズの)みなさんがいらっしゃるところに入っていったんですが、出ていくとき、時空がゆがんでいましたよね」
清野「ゆがんでました」
杉野「変な感じになりました。みんな集まっているから」
清野「まず一堂に会さないメンバーですもんね」
大城「とんでもないメンバーですよ」
――怪談オールスターズのみなさんとは初対面の方が多いですか。
大城「ほぼ初対面です。OKAMOTO’Sのオカモトショウさんとか。大島てるさんは引っ越すたびに事故物件のサイトを見てはいました」
――事故物件のサイトを見ていたのに “霊穴アパート”に住んでしまったんですか?
大城「あの辺は殺人事件が多いところで。もともと小さいころから不思議な体験が多かったんです。高校生の時に悪魔を見たり」
杉野「清野さん、見えない世界を信じない人と信じる人の価値観の違いは確実にあると思いますが、どうすり合わせていくかというのは難しくなかったですか?」
清野「信じたいから見たいんですよね。100%信じたいから自分の目で見たいんです。大城さんの悪魔の話もうらやましいです。そのレベルのものを見たいですもん」
杉野「大城さんは自分自身が経験しているからそれは当たり前の世界だし、清野さんはそういうものがあると信じているから自分の目で確かめたくてというのが最初だったんですね」
――大城さんはお酒を飲むと霊媒師さんから悪いものが憑くと言われたそうですが、怪奇酒も憑いてきてしまうということですか?
大城「僕は霊媒師さんに言われました」
清野「諸説あるんですけど、お酒は神聖なものでもあるわけですよ。神様にお供えされますし。心霊スポットに行ってお酒を飲むことによって、逆に除霊とか浄化できてしまっているのではないのかと、だから体験できないんじゃないかと言われたことがあります」
※怪談オールスターズ
・「東京怪奇酒」の原作者で、実話系漫画の独自路線を走り続ける漫画家・清野とおる。
・原作漫画にも登場し、よく怪奇体験に遭遇するお笑い芸人・チャンス大城。
・「事故物件住みます芸人」で、映画「事故物件 恐い間取り」原作者である松原タニシ。
・本ドラマのエンディングテーマを手掛けるOKAMOTO’Sのオカモトショウ。
・音楽活動だけでなくバラエティ番組でも大人気のHIPHOPユニットCreepy NutsのR-指定。
・今や物件探しの必須サイトとされる事故物件検索サイト「大島てる」管理人・大島てる。
・40年以上の歴史を持ち、日本のオカルト界を牽引する雑誌「ムー」の名物編集長・三上丈晴。
・数多くの実話怪談の収集・調査を行ってきたオカルト研究家・吉田悠軌。
・食べたら運気がアップする「開運飯」で知られるお笑い芸人・ボルサリーノ関。
・「直ちゃんは小学三年生」で杉野と共演した俳優・岡山天音。
各話に登場するスペシャルゲストの“怪談オールスターズ”によるドラマでは描き切れなかった・伝えきれなかった“もっとヤバい話”をお届けするオンラインイベントが開催される。
オンラインイベントの概要は下記の通り。
「東京怪奇酒」の“もっとヤバい話”オンラインイベント
出演者は右にスクロールにてご確認ください。
日程 | タイトル | 出演者 |
---|---|---|
2021年2月20日(土) 18時00分〜19時30分 | チャンス大城の昨日の怪奇酒で話せなかった もっとヤバい話 | チャンス大城、吉田悠軌、松原タニシ、 三上丈晴、大島てる ゲスト出演:BB ゴロー |
2021年3月20日(土) 18時00分〜19時30分 | 昨日話せなかった吉本劇場のもっとヤバい話 | チャンス大城、ありがとうぁみ、 シークエンスはやとも、 ヤースー(スマイルシーサー) ゲスト出演:未定 |
2021年3月27日(土) 18時00分〜19時30分 | 大島てる・ムー編集長のもっとヤバい怪奇酒 〜心霊写真つき〜 | チャンス大城、吉田悠軌、松原タニシ、 三上丈晴、大島てる ゲスト出演:田中俊行、桜井館長 |
〈チケット代金〉
各回 視聴のみチケット1,800円(税抜)
〈発売期間〉
▼2 月 20 日(土)配信分
2021年2月 4 日 (木)11時00分 〜2021年3月 5 日 (金)18時00分 終了
▼3 月 20 日(土)配信分
2021年2月 4 日 (木)11時00分 〜2021年4月2日(金)18時00分 終了
▼3 月 27 日(土)配信分
2021年2月 4 日 (木)11時00分 〜2021年4月9日 (金)18時00分 終了
〈プレイガイド〉
チケットぴあ https://w.pia.jp/t/kaikizake/
e+(イープラス) https://eplus.jp/kaikizake/
※詳細は各プレイガイドをご確認ください。
あらすじ
俳優・杉野遥亮はホラーが大の苦手だが、海外ホラー映画の主演オファーがきてしまう。そしてある日、自身のラジオ番組「杉野遥亮の今度は長ズボン」にゲスト出演した漫画家・清野とおるから「怪奇酒」の話を聞く。怖がりな人ほど「怪奇酒」は向いていると言われ、勧められるままに杉野は「怪奇酒」を体験することに――――。 各話に怪談マスターが登場、杉野にホラー話を吹き込みます。
ドラマ 25「東京怪奇酒」
【放送日時】 2021年2月19日スタート(全6話) 毎週金曜深夜0時52分〜1時23分 【放送局】 テレビ東京 テレビ大阪 テレビ北海道 TVQ 九州放送 ほか
【原作】 清野とおる「東京怪奇酒」(KADOKAWA刊)
【タイトルデザイン】関 善之+村田慧太朗(ボラーレ)
【出演】 杉野遥亮
【監督】 太田勇(テレビ東京) 広瀬陽一 山口将幸
【脚本】 山田能龍 辻健一 福田晶平 太田勇(テレビ東京)
【音楽】 遠藤浩二
【オープニングテーマ】酸欠少女さユり「かみさま」(ソニー・ミュージックレーベルズ)
【エンディングテーマ】 OKAMOTO’S「Complication」(ソニー・ミュージックレーベルズ)
【プロデューサー】 太田勇(テレビ東京) 青野華生子(テレビ東京) 向井達矢(ラインバック)
【制作】 テレビ東京
【公式 HP】https://www.tv-tokyo.co.jp/kaikizake/
【公式 Twitter / Instagram】@drama25_202101 「公式ハッシュタグ #東京怪奇酒」
「東京怪奇酒」は毎週地上波放送に先駆けて、動画配信サービス『ひかりTV』『Paravi』で先行配信。
■初回配信日:2021年2月12日 金曜夜11時〜
※放送直後に翌週分を配信
【ひかりTV】 URL:
https://www.hikaritv.net/
【Paravi (パラビ)】 URL:
https://www.paravi.jp