本作は、”日本の原爆開発”を背景に、時代に翻弄されながらも全力で駆け抜けた若者たちの、等身大の姿を描いた青春群像劇。
《原子の力を利用した新型爆弾の開発》
歴史的事実を基に描く、激動の時代を駆け抜けた若者たちの青春群像が完結する。
『映画 太陽の子』は、2020年にNHKにてテレビドラマとして放送され、大きな反響を呼んだ。太平洋戦争末期に実際に海軍からの密命を受け京都帝国大学・物理学研究室が行っていた「F 研究」と呼ばれる新型爆弾開発の事実を基に作られたフィクション作品だ。
主人公である極秘任務に携わる科学者・修を柳楽優弥が演じる。修とその弟がほのかな想いを寄せる幼なじみの世津を有村架純、修の弟で戦地で心に傷を負った軍人・裕之を三浦春馬が演じる。
ドラマ版とは異なる視点と結末が加わった物語が『映画 太陽の子』。
日米豪華キャスト・スタッフ集結し、圧倒的スケールで贈る日米合作の本作は、時代に翻弄され、それぞれの葛藤や想いを抱え全力で生きた若者たちの、等身大の姿を描く。
柳楽優弥、有村架純、三浦春馬に加え、田中裕子、國村隼、イッセー尾形、山本晋也らが脇を固め、国際色豊かな演技派俳優陣が顔を揃える。監督・脚本は、「ひよっこ」(17)、そして現在放送中で、高視聴率をたたき出している「青天を衝け」の黒崎博。音楽はアカデミー賞5部門ノミネートの『愛を読むひと』(09)のニコ・ミューリー、サウンドデザインに同賞8部門ノミネート、主題歌賞を受賞した『アリー/ スター誕生』(18)のマット・ヴォウレスと、ハリウッド最高峰のステージで活躍するスタッフが集結。更に、『アルマゲドン』(98)、『ジョン・ウィック チャプター2』(17)で知られる名バイプレーヤーのピーター・ストーメアがアインシュタインの声で出演。10 年以上の年月をかけ構想し、日米最高峰のスタッフ、キャストにより誕生した、今夏最注目の作品が8月6日(金)公開を迎えた。
広島の原爆投下から丸76年となる8月6日、主演の柳楽優弥と有村架純、そしてメガホンをとった監督が登壇。
冒頭の挨拶
柳楽優弥「本日はありがとうございます!2年前に撮影を終えて、いよいよ今日初日を迎えられて皆様にお届けできて嬉しく思います!」
有村架純「2年前に撮影をしていて、公開まではあっという間だなという思いと、今日が広島に原爆が落とされた日ということで、そんな日にこの映画が公開できることが意味があるなと改めて思います」
構想10年以上、膨大なリサーチの上で情熱の全てを注いで作り上げた映画がついに公開を迎え
黒崎博監督「こんなにたくさんの方々に集まって頂けて、胸がいっぱいな思いです。この企画を考え始めてから12、3年を要してしまったので、こうして大きなスクリーンで見て頂けて、そしてキャストのみんなとここに立つことができて光栄です」
3人のキャストの演技に反響
過去に共演経験があったからこそ兄弟・幼馴染という関係性が自然と演じられたというその演技
柳楽優弥「本当にたくさん思い出があるんですけど、3人と監督たちで食事に行ったり、撮影していない時も距離感が役柄と似ている感じでした。中でも京都の川沿いを僕と春馬くんが一緒に走っているシーンで、春馬くんの体力がタフで僕が追いつけなかった。その様子そのものが劇中のキャラクター性とリンクしていて好きなシーンです」
黒崎監督「春馬くんは体力が無限にあるのかと思うくらいタフ。3テイク目まで走った時に柳楽くんが『もう無理です』って言うくらい(笑)」
石村兄弟の密かな想い人であり、戦時下であっても一人未来を見据えて生きる世津を演じた有村架純
柳楽・三浦の2人について
有村架純「柳楽さんと一緒に過ごして思ったのは周りを巻き込む力が強い方だなと。そこにいるだけで周りがどんどん吸い込まれていくような、空気が変わるってこんな感じなんだなと思いました。春馬さんはまたそれとは違って、いろんな空気とか個性とかを全て調合して新しいものを作ってくれるという雰囲気を感じて。春馬さんはどこに行ってもみんなが気持ち良い空気が作れる役者さんだと感じました」
キャスティングについて
黒崎監督「こうやって台詞で演じて作るという以前に、それぞれの俳優さんが持っているもの・準備してくれているものでスタートがかかる前に大事なセッションが始まっているということを現場で感じて撮影していました」
シーンについて振り返る
柳楽演じる主人公の修が黒板に数式を書き進めて、書ききれなくなって壁や棚のガラスにまで書き進めてしまうというシーン
ーーMC:このシーンは撮影当日の朝に突然追加台本を渡されたそうですね。
柳楽優弥「数式を覚えなきゃいけないんですけど、みんなで頑張りながら覚えていきました。書き方でも、京大生の日々書いてる“慣れ”が出るみたいで、そういうところも教えていただきました」
黒崎監督「どうしても直前に思いついてしまうということがあって、柳楽くんはすごく準備をしてくれる俳優さんでもあるけど、反射神経の方でもあるので、お芝居としては面白いと思ってくれるんじゃないかなと思って…」
3人が京丹後の美しい海でひと時の夏休みを過ごすシーン
有村架純「すごく大きな蜂の巣があって。カメラには映る場所ではなかったんですけど、私が出番を待つところにちょうどあって。『蜂の巣があります』っていう話をしたら現場のスタッフさんが頑張って取ってくださって、みんな救われました」
柳楽優弥「砂浜から蜂が出てくるくらい蜂がいたよね。京丹後の海の色が本当にキレイで脱いで入りたくなるような。このシーン自体もまだみんなの心にこみ上げてくるものが爆発する前だったので、純粋に楽しかったなと」
有村架純「京都ロケの最初の方に撮った記憶があるんですけど、初めて3人の幼馴染の空気感が出るシーンで、3人が子供に返ったような気持ち
で過ごす重要なシーン。でも、すでに空気感が出来ていて、アドリブもやりとりの中にあったり、印象に残っているシーンです」
田中裕子演じる母・フミが戦地に戻る三浦春馬演じる弟・裕之を見送るシーン
有村架純「段取りから現場で見ていて、この時の田中さん演じられたフミさんは一言も発していないんです。私も日ごろから台詞のない部分を大事にしているんですけど、改めて言葉で表現できない思いっていうのがあるんだなと確信しました。より自分自身も台詞に囚われず、言葉以外の思いをもっと熱量を高めて表現していきたいなと勉強させてもらったシーンです」
柳楽優弥「裕子さんの演技も勿論なんですけど、やっぱり春馬くんの雰囲気っていうのも素晴らしいなと見ていました。修として、ただ応援しているだけではなく複雑な心境でした。シンプルな心理状態じゃないところが後半は多かったです」
科学者・アインシュタイン役のピーター・ストーメアからの手紙
ここで日米共同制作である本作の重要なキャストのひとりである科学者・アインシュタインを演じたピーター・ストーメアからの手紙をMCが代読。
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オーディエンスの皆さん、ようこそ。今夜は参加できず申し訳ございません。しかしながら、私の愛する妻と娘は参加させていただいております。もちろん、私の魂も皆さんと共にここにあります。
この作品は、才能あふれる黒崎監督の情熱から生まれたものです。日本、そして米国から様々な人々が参加し、この価値のある映画が作り上げられました。この作品に参加できたことは、私にとっても名誉なことであります。他の作品の撮影の最中に本作ナレーション収録がカナダのトロントで行われました。私が参加できるよう、黒崎監督はわざわざカナダまでお越しくださいました。
我々人類が学ばなければいけないこと、そして、その学びから明るく希望溢れる未来を創造していかなければいけないことを伝えるこの作品に参加でき、自分自身を誇りに思いますし、とても嬉しく思います。
是非『映画 太陽の子』をお楽しみください。お越しいただきありがとうございました。
愛をこめて。 ピーター・ストーメア
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ピーターの声の出演について
黒崎監督「最後の最後に揃っていないピースのようだったんです。どうしても柳楽くん演じる修の心の中の対話の相手としてピーターさんの声が欲しいと思って諦めかけた瞬間もあったんですけど、急遽トロントで半日だけ時間がもらえるということになり、撮影しました。ご家族が広島の方ということもあって、愛を込めて演じてくださいました」
柳楽優弥「撮影していく中で日米合作というのがすごく気になっていて、(原爆開発が)どういう視点で見られるんだろうと思っていたので対話のシーンは、現場で“英語で話すこと”を提案させて頂きました」
最後にメッセージ
黒崎監督「この難しいテーマをはらんだ物語ですけど、敵と味方の話ではなくて、それを超えたところで人間みんなの問題として見てもらえる映画にしたいと思って日本人だとか何人だとかを超えて理解して感じてもらえるように演じていこうとキャストの皆さんとも話しました。こうしてここに立って、正直に申しますと『足りないんじゃないか。春馬くんが何でここにいないんだろう』と思います。このことをコメントすることはとても難しいですが、今日はそれをお伝えしたいです。ただ見ていただいたみなさんに感じていただけたたら嬉しいのは、スクリーンの中に一緒に走り切ったその姿は完全に残っていて、今でも、こうやって僕たちが話していてもリアルタイムにお互いを感じながら話をすることができるっていうのはすごい幸せなことだと思います。柳楽くんも有村さんも春馬くんもその他のキャストみんなで言いたかったのは、どんな難しい状況でも最後は生きて、生きて、生き抜くことしかないということ、バカみたいにストレートなメッセージだけは少しでもみなさんに届くと、残ると、こんなに嬉しいことはないなと思います」
有村架純「この作品においては本当にたくさんの伝えたいメッセージというものがあって、戦時下の話ではありますが、当時生きた若者たちが未来を作るために懸命に生き抜いていく青春のお話でもあります。今は先行きが不透明で、なかなか未来のことを考えるのも疲労してしまうような状況ではあると思うんですけど、考えることを諦めてしまうのは私としては心苦しいなと思うので、春馬さんもよく仰っていた『自分たちの仕事・役目は想像力を届けることだ』ということを改めて自分もみなさんと一緒に考えていけたら嬉しいなと思います」
柳楽優弥「こういう状況の中で来ていただいたことにまず感謝です。この映画があるということが大事だなと思います。今日、広島で行われた式典で小学生のスピーチがとても印象に残っています。『別れるというのは出会えなくなるからではなく、忘れられるからです』ということを仰っていてすごく腑に落ちました。人に対しても、歴史に対しても、“忘れていくこと”が一番怖いなと感じました。こういう風に映画を通して、みなさんに伝えていくことが平和への第一歩なのかなと思いました」
予告映像
STORY
静かな涙が、あふれる夏になるーー。悩んで、泣いて、笑った3人の300日!
1945年の夏。軍の密命を受けた京都帝国大学・物理学研究室の若き科学者・石村修(柳楽優弥)と研究員たちは原子核爆弾の研究開発を進めていた。研究に没頭する日々の中、建物疎開で家を失なった幼馴染の朝倉世津(有村架純)が修の家に居候することに。時を同じくして、修の弟・裕之(三浦春馬)が戦地から一時帰郷し、久しぶりの再会を喜ぶ3人。ひとときの幸せな時間の中で、戦地で裕之が負った深い心の傷を垣間見る修と世津だが、一方で物理学に魅了されていた修も、その裏側にある破壊の恐ろしさに葛藤を抱えていた。そんな二人を力強く包み込む世津はただ一人、戦争が終わった後の世界を見据えていた。それぞれの想いを受け止め、自分たちの未来のためと開発を急ぐ修と研究チームだが、運命の8月6日が訪れてしまう。日本中が絶望に打ちひしがれる中、それでも前を向く修が見出した新たな光とはーー?
『映画 太陽の子』
全国公開中
柳楽優弥 有村架純 三浦春馬
イッセー尾形 山本晋也 ピーター・ストーメア
三浦誠己 宇野祥平 尾上寛之
渡辺大知 葉山奨之 奥野瑛太 土居志央梨
國村隼 田中裕子
監督・脚本:黒崎博
音楽:ニコ・ミューリー
プロデューサー:コウ・モリ 土屋勝裕 浜野高宏
エグゼクティブプロデューサー:井上義久 山口晋 佐野昇平 森田篤 松井智 有馬一昭 東原邦明
共同プロデューサー:山岸秀樹 松平保久 淺見朋子
ラインプロデューサー:小泉朋 撮影:相馬和典 照明:鈴木岳 録音:弦巻裕 美術:小川冨美夫 衣装:宮本茉莉 ヘアメイク:永江三千子 スクリプター:天池芳美
助監督:柿田裕左 制作担当:篠宮隆浩 キャスティング:おおずさわこ 編集:大庭弘之 サウンドデザイン:マット・ヴォウレス カラリスト:アロン・ピーク
VFX スーパーバイザー:オダイッセイ
制作:KOMODO PRODUCTIONS
宣伝:KICCORIT
配給:イオンエンターテイメント
製作:「太陽の子」フィルムパートナーズ
Presented by ELEVEN ARTS STUDIOS / NHK
©2021 ELEVEN ARTS STUDIOS / 「太陽の子」フィルムパートナーズ