10月30日より開催されている第34回東京国際映画祭に、11月1日(月)映画『ムーンライト・シャドウ』のキャスト3人が登壇し、撮影でのエピソードなど観客からの質問に答えるなど話しを展開した。

本作は、1988年刊行、世界30か国以上で翻訳され、社会現象ともいえる大ヒットを博した吉本ばなな著「キッチン」に収録される短編小説「ムーンライト・シャドウ」をマレーシア出身のエドモンド・ヨウ監督が映画化し、9月10日に公開を迎えた。監督は以前から原作のファンだったという。吉本ばななの原点とも言える名作ラブストーリーが、33年の時を経て映画となって蘇る。
主人公・さつきを演じるのは、本作が初の長編映画単独主演となる小松菜奈、そしてさつきの恋人・等役を宮沢氷魚が演じ、等の弟・柊役を佐藤緋美が務めた。

10月30日より開催されている第34回東京国際映画祭のNippon Cinema Now部門に出品され、11月1日(月)に上映した『ムーンライト・シャドウ』。
東京国際映画祭への参加は初めてとなる本作のキャスト3名が、第34回東京国際映画祭の上映後に登壇し、観客からの質問、いまの気持ちや、劇中の最重要場面である“月影現象”シーン撮影中に起きたエピソード、そして月影現象になぞらえていま叶えたいことを発表した。

冒頭の挨拶

小松菜奈「今日は初めての東京国際映画祭に『ムーンライト・シャドウ』で参加させていただき、とても光栄ですし、久々にこのメンバーと出会えて嬉しいです。来日しているエドモンド監督と は一緒にこの舞台には立てなかったですけど、きっとどこかで見守ってくれていることと思います」

宮沢氷魚 「この度は、このような素敵な映画祭にこのメンバーで参加できてとても嬉しく思っております」

佐藤緋美「僕も初め ての東京国際映画祭です。小松さんと宮沢さんに会えて嬉しいですし、皆さまからの質問にも色々答えていきたいと 思います」

吉本ばななの同名小説を映画化した作品。監督のエドモンド・ヨウから「主演は絶対、小松菜奈にやってほしい」という強い想いでキャスティング

ーーMC「最初にこの作品のオファーがあったと きにどのように思われましたか」

小松菜奈「監督もキャストも異色のメンバーだったので、どんな”世界”に連 れて行ってもらえるのだろうと、すごくワクワクしました。また、吉本ばななさんの作品は、日本だけでなく、海外で も長く愛され続けている作品でもあるので、そんな作品に参加させていただけるということに、とても感謝しており ます。私もその世界に飛び込んでみたいと思いました」

キャラクターの役作り

小松菜奈「撮影が始まったのは、等(ひとし)が亡くなったシーンからだったので、楽しいシーンからではありませんでした。最初は、さつきが体感していた美しいだけでない現実を想像しながら、自分で丁寧に作り上げていくしかなかったですけど、他のキャストの方々と目を合わせながらお芝居していく中で、さつきの繊細な感情を見つけていきました」

月影現象

満月の夜の終わりにもう一度死者と会えるという不思議な“月影現象”によって、等が再び現世に戻るというシーンについて

宮沢氷魚「あのシーンは、エドモンド監督とも何度も話し合いをしながら、撮影しました。等は、もはやこの世界には存在しない人物ではありますが、さつきに会えた喜びや安堵の気持ちを大事に持ち合わせながら演じました」

撮影を振り返って

佐藤緋美「(セーラー服を着る柊という役を演じ)セーラー服はオーディションの時に着ましたが、着ることに自体にはまったく抵抗はありませんでした。少し変わっている役を演 じることはわかっていましたしね。でも、撮影中は少し寒かったですね。撮影は12月でとても寒い時期でしたが、氷魚君がキンキンに冷えた川に入るシーンとかは、見ていて僕もつらかったですね」

宮沢氷魚「あれは寒かったです。しかも、あのシーンは本編では使われていないんですよね(笑)」

会場「(笑)」

「月影現象」に実際に遭遇した場合、会いたいのは?

小松菜奈「実家で飼っていた猫に会いたいです。(家庭の事情で猫の世話をできる人がいなくなったこともあり)誰かに (猫を)見てもらわなきゃいけない、誰にお願いしようか、と悩んでいた次の日に、猫ちゃんがいなくなってしまい、 そこからもう帰ってきませんでした。もう、何年も経ってしまったんですけど...最後にきちんと『大好きだよ』って言 葉で伝えたかったです。急にいなくなってしまうと、ちゃんと伝えられなかったなとか、いろいろ悔いが残ってしま って...。なので、もし、そういう現象があったら飼っていた猫に会いたいです」

宮沢氷魚「亡くなった祖父です。頭がとても良くて戦争も経験していて。本当に色々つらい経験をして、その結果、お医者さんになったんですけども、医者になって激動の時代を生きた人だったので。その時の生き方とか、 どういう人生を歩んだのか、ということを聞いてみたいです」

佐藤緋美「僕は父方の曽祖父ですね。オランダとノルウェーのミックスのアメリカ人で、まだ戦争中だった時 に料理人として日本に来たんですが、会ったことないので、会ってみたいですね」

イベントは終始、和やかなムードで行われ、3 人にとっての初めての国際映画祭のイベントは幕を閉じた。

<第34回東京国際映画祭 開催概要>
■開催期間:2021 年 10 月 30 日(土)〜11 月 8 日(月)
■会場: 日比谷・有楽町・銀座地区
■公式サイト:www.tiff-jp.net

<TIFFCOM2021 開催概要>
■開催期間:2021 年 11 月 1 日(月)〜3 日(水・祝)
■会場:オンライン
■公式サイト:www.tiffcom.jp

STORY

さつき(小松菜奈)と等(宮沢氷魚)は、鈴の音に導かれるように、長い橋の下に広がる河原で出会った。恋に落ち、付き合うまでに時間はかから なかった。等には3つ下の弟・柊(佐藤緋美)がいて、柊にはゆみこという恋人(中原ナナ)がいた。初めて 4 人で会ったときから意気投合し、自然と一緒に過ごす時間が増えていく。食事をしたり、ゲームをしたり、ゆみこが気になっているという〈月影現象〉について「もしも現実に月影現象が起きたら、誰に一番会いたいか?」を語りあったり。何気ないけれど穏やかで幸せな日々が過ぎていくなかで、別れは前触れもなくやってきた。等とゆみこが死んだ──。深い哀しみに打ちひしがれるさつきと柊。愛する人を亡くした現実を受け止めきれず、ショックで食べることも忘れ、ひたすら走るさつき。そんなさつきを心配しながら、ゆみこの制服を着て何かを感じようとする柊。それぞれの方法で哀しみと向きあおうとしていた。ある日、2人は不思議な女性・麗(臼田あさ美)と出会い、少しずつ“生きていく”という日常を取りもどしていく。そして、以前みんなで語り合った〈月影現象〉に導かれていく。もう一度、会いたい、会いに来てほしい──。その現象とは、満月の夜の終わりに死者ともう一度会える かもしれない、という不思議な現象だった......。

映画『ムーンライト・シャドウ』

全国公開中

原作:「ムーンライト・シャドウ」吉本ばなな(新潮社刊「キッチン」収録作品)
出演:小松菜奈 宮沢氷魚 佐藤緋美 中原ナナ 吉倉あおい 中野誠也 臼田あさ美

監督:エドモンド・ヨウ
脚本:高橋知由
宣伝:S・D・P  
配給:エレファントハウス
©2021映画「ムーンライト・シャドウ」製作委員会

公式サイト:moonlight-shadow-movie.com
公式Twitter: @moonlight_sdw
公式Instagram:@moonlight_sdw

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