北川尚弥主演の演劇×ゲーム×謎解きの要素が詰まったオンライン体験型演劇「イマーシブミステリー『アウフヘーベンの牢獄』」が、12月4日、11日にオンライン上演された。本作は、記憶を失い、自分の名前も場所も分からなくなってしまった主人公”彼”に観客が話しかけ、観客自らが謎を解き、囚われの“彼”を救い出すストーリー。脚本・演出を手がけたのは、多岐にわたる作品でヒット作を連発してきた劇作家・舞台演出家の岡本貴也。主演を務めたのは、第26回ジュノン・スーパーボーイ・コンテストのファイナリストとして注目され、2.5次元ミュージカルなどで活躍中の北川尚弥。記憶を失い、自分の名前も場所も分からなくなってしまった主人公を、ZoomとLINEのオープンチャットを用いてリアルタイムに観客と対話しながら演じる。舞台『刀剣乱舞』や映画『君たちはまだ長いトンネルの中』(2021年12月2日公開)などに出演し、舞台『フルーツバスケット』(22年3月上演)などの出演を控える北川尚弥に、新たな試みとなる本作についての魅力を語ってもらった。

――演劇×ゲーム×謎解きの要素が詰まったオンライン体験型演劇を演じてみて、いかがでしたか。

北川「本作は、僕から物語は進んでいくんですが、僕主導ではなく、参加者のみなさん主導で物語がドンドン流れていきます。普段の舞台や映像作品のお芝居は、役者と役者同士の会話で物語が進んでいくんですけど、僕と参加してくださるみなさんとの掛け合いによって、物語が進んでいくので、今までやってきたものとまったく違うなと思いました」

――参加者のみなさんとの掛け合い、テンポ、反応によって、ストーリーが分岐していきます。難しかった点はありますか?

北川「時間を気にしながら進行させることは、難しいところでもありますし、コメントがたくさんきているほうが、僕としては嬉しいです。タイムキープを担当してくださる方もいらっしゃるんですが、なかなか問題が解けなかったりすると物語が進んでいかないので、上手く参加者のみなさんを誘導しなくてはいけません。僕が演じている役柄は、みなさんに出されている問題が見えないという設定なので、なかなか言葉だけでは、みなさんを誘導するのが難しいので、参加されるみなさんが、オープンチャットで助け合いながら繋がって、ヒントを出し合いながら答えを合わせながら、物語を進めていかなければならないという点で、難しいことをやっているなと思いながら演じていました」

画像1: 北川尚弥「イマーシブミステリー『アウフヘーベンの牢獄』」インタビュー

――オンラインではあるものの生の舞台でもあり、映像での配信作品ということで、それぞれの特徴を踏まえながら演じられていたように思いました。

北川「撮り直しのきく映像作品とは違い、生配信で1時間半~2時間一本勝負なので、常に気を張りながら、コメントも拾いつつ、周りで何が起きているのか状況把握をしながら、演じなければいけないので、五感をフル活動しながらお芝居をしていました。参加者のみなさんからの流れてくるコメントをまず読んで、僕がそれに対して発しないと、見ているお客さんが何のことを言っているのかがわからないということになるので、投げかけられた一つの言葉に対して、僕は二を返さないといけないんです。口数が多くなるので、とても大変でもあります」

――普段の舞台稽古の仕方とどんな違いがありましたか?

北川「ほぼ稽古をせずにきたのですが、ある意味それがリアルでよかったりもしました。照明の位置や2箇所カメラがあるのでカメラチェンジの部分で、どうやって自分が映っているかを見ながら演じるということを意識しました。舞台と映像の狭間のことをやっている感覚です。結構視野を広く持たないと、画変わりがなく面白くないので、参加するみなさんの視線を誘導しながら作品を作っていかなくてはならず、とても難しいなと思いました」

画像2: 北川尚弥「イマーシブミステリー『アウフヘーベンの牢獄』」インタビュー

――脚本・演出の岡本貴也さんとは、演出に関してどんなお話をされましたか?

北川「主人公の心情であったり、参加してくださるみなさんにいかに主人公“彼”という人を助けたいなと思わせることであったりが重要で、助けたいなと思わせれば、思った参加者の方はたくさんコメントしていろいろ投げかけてくださいます。なので“いかに深みというか、“彼”という人を助けたいなと思わせるかが一番重要。たがら、そこに重きを置いて作っていったほうがいいよ”と、お話しいただいたので、それを大切に演じさせていただきました」

――コメントを発する参加者の方々のお名前を北川さん演じる主人公が呼ぶ場面が多々ありましたが。

北川「名前を呼ぶように意識していました。そのほうが、親近感が湧きますし、“私もこのストーリーに参加しているんだ”という気持ちになると思いますので、なるべく名前を呼んで、会話をするというのを大切にして作り上げるようにしています」

画像3: 北川尚弥「イマーシブミステリー『アウフヘーベンの牢獄』」インタビュー

――北川さんのさまざまな表情・側面が見られる内容でもありましたね。

北川「最初と最後はあらためて、物語を作る上では重要だなと感じました」

――ちなみに北川さんは、クイズ、ゲーム、謎解き関係は得意ですか?

北川「今回初めて謎解きに触れましたが、難しいなと思った一方で、負けず嫌いな部分があるので、“確実に解いてやる!”という気持ちで、ドンドン解いていったので、ハマりそうです!解けなかった問題の答えを聞いた時には、“そういう考え方があるんだ”と、学校の授業でわからなかった問題がわかった時みたいな、懐かしい気持ちを何十年かぶりに味わって、“コレ、ハマるな”って思いました」

――最後にメッセージをお願いいたします。

北川「新たな試みとして、作品に携わらせていただいて、出演者は僕一人かもしれないんですけど、裏で支えてくださる技術さんであったりとか、スタッフさんであったりとか、制作の方々たくさんの方の力で「イマーシブミステリー『アウフヘーベンの牢獄』」ができています。なので、みんなで新しいものを作って、みなさまにお届けできることはとても幸せなことです。とても大変なことなんですが、それを成し遂げた時は、達成感もあります。また、オンラインでお芝居をするというコンテンツがこれから広がっていくんじゃないかなと思っているので、そういう意味でも、オンラインで僕とお客様との掛け合いによって作られる作品が、日常的になっていけばいいなと思います。この作品を通じて、謎解きが好きな方も、初めての方も、“謎解きってステキだな、楽しいな”と思っていただけたら、嬉しいなと思いますし、趣味がない方も、謎解きを趣味にしていただけるように、僕が新しい扉を開いていけたらいいなと思います」

PROFILE

北川尚弥 KITAGAWA NAOYA
1996年5月15日生まれ、北海道出身。

〈近年の主な出演作〉
舞台「27-7ORDER」(2020年)
映画『死神遣いの事件帖~傀儡夜曲~』(2020年)
舞台「死神遣いの事件帖~鎮魂侠曲~」
(2020年)
舞台「刀剣乱舞」天伝蒼空の兵‐大坂冬の陣‐(2021年) 
『青山オペレッタ THE STAGE~ノーヴァ・ステラ/新しい星~』
(2021年)
舞台「魔法使いの約束~第1章~」(2021年)
朗読劇「青空」(2021年)
ミラクル☆ステージ「サンリオ男子」(2021年)
舞台「Requiem」(2021年)
舞台「魔法使いの約束~第2章~」(2021年)

〈待機作〉
迷宮歌劇「美少年探偵団」(2021年12月31日~上演)
舞台『フルーツバスケット』(2022年3月4日~上演)
舞台「魔法使いの約束~第3章~」(2022年4月24日〜上演)

「イマーシブミステリー『アウフヘーベンの牢獄』」

【日時】 2021年12月4日(土)、11(土)、両日ともにオンライン生配信にて20:00開演

【公式サイト】 https://yodaka.info/event/2112aufheben

企画・製作:「イマーシブミステリー『アウフヘーベンの牢獄』」製作委員会
原作・総合監修:イシイジロウ
ゲーム制作:よだかのレコード((株)stamps)
演出:岡本貴也
脚本:岡本貴也、イシイジロウ
配信・テクニカルプランニング:ノーミーツテック テクニカルディレクター 藤原遼
クトゥルフ監修:林譲治
宣伝美術・衣装協力:変身写真館 ミニーナ
演劇制作:松竹(株)

This article is a sponsored article by
''.