“終活アドバイザー”のバイトをしている不登校 の女子高生・咲(岩本蓮加)は、同僚の敬三(宝田 明)と共に、様々な境遇の「終活」を手助けするうちに、自分の生き方と向き合い始める年の差コンビが描く心温まるヒューマンドラマ『世の中にたえて桜のなかりせば』。
「乃木坂 46」で活躍する17歳の岩本蓮加にとって本作が、映画初主演となる。「終活」に悩む大人たちに真摯に向き合おうとする、等身大の女子高生を熱演する。
そしてW主演を務めるのは大ベテランの宝田明、岩本蓮加が演じる咲に寄り添い、彼女の新たな一歩を導き出す。
本作の企画立案を宝田企画が担当し、宝田明自らもエグゼクティブプロデューサーを務める。さらに共演には、宝田の妻役を名優・吉行和子が演じる。
メガホンをとったのは、多くの映画祭で短編映画賞を受賞し、短編作品「サイレン」(2017年)が国内外の映画祭で賞を受賞した、気鋭の若手監督・三宅伸行。
そして、主題歌は、理論派の ITSUKIと感覚派 の NARITOによる 2 人組ボーカルデュオ all at once が手掛け、ドラマを盛り上げる。
本作のタイトルである「世の中にたえて桜のなかりせば」とは、桜にまつわる詩からの引用。桜の季節、そして「終活」をテーマに、岩本蓮加(17歳)と宝田明(87歳)。【70歳】の年の差コンビが描く心温まるヒューマンドラマだ。
公開記念舞台挨拶に登壇したのは、主演を務めた岩本蓮加(乃木坂46)、メガホンをとった三宅伸行監督。そして岩本蓮加の隣には主演とエグゼクティブプロデューサーを務めた宝田明(2022年3月14日(月)急逝)の等身大パネルが設置され、舞台挨拶がスタートする。
冒頭の挨拶
岩本蓮加「お忙しい中お越しいただきありがとうございます」
三宅監督「たくさんの人に来ていただきありがとうございます。お客さんが入って初めて映画が完成したような気がします」
公開を迎えた感想
岩本蓮加「友人が公開初日に観に行ってくれました。感想をたくさん聞くようになってから作品を届けられるようになっているんだなと実感しました。観た友人からは“考えさせられる映画だった、前を向いていこうと思える作品だった”という感想をもらって伝えたいことが全部伝わっていて嬉しいです」
三宅監督「舞台挨拶に来る途中、桜が咲いているのを見てきましたが、桜を見ていると宝田さんを思い出しました。この映画もみなさんの心に 残るものになればいいなと思っています」
映画初出演で初主演について
岩本蓮加「初めての映画で初めての主演で、プレッシャーや重みがありました。実際に現場に入ってみて、宝田さんはじめキャストの方々や三宅監督とたくさんお話しさせていただいて、リラックスで きるようになったし、現場に行くことが楽しくなりました。プレッシャーを払拭するために毎日台本を繰り返し読んでいました」
三宅監督「岩本さんの撮影前に何度もリハーサルをできたことで、本番の撮影ではたくさんお話をしたうえで挑めたので良かったです」
完成披露舞台挨拶(3月10日開催)の際に、宝田さんから“大女優になる片鱗がある”という言葉について
岩本蓮加「自信につながっていますし、今後演技をするうえで宝田さんの言葉を思い出して前を向いていけたらいいなと思います」
演じた役について
岩本蓮加「最初は暗い子のイメージを持ちましたが、台本を読み進めていくうちに実は明るくて元気な一面もあるんだと思い、咲(岩本)があまり暗くならず普通の女の子だとわかってもらえるように演じました」
三宅監督「岩本さんが咲ちゃんのことを好きになれたと言っていただけたことが嬉しかったですね」
宝田明さんからのオファーについて
三宅監督「お話をいただいた時は嬉しかったけど、テーマが4つ(老人がと女子高生が出演・茨木のり子「さくら」の詩、在原業平の和歌)が決まっていて大変だったんです。宝田さんと脚本づくりをしているときが印象に残っています」
岩本蓮加「オファーをいただいた際は、そんな話本当にするの!?と驚きました。初めて作品のオファーをいただいて出演できるというのは自分にとって宝物だし幸せだなと感じました」
宝田明さんとの撮影エピソード
岩本蓮加「面白い方で、私が緊張しているときも何気ない一言で緊張をほぐしてくださいました。宝田さんがアドリブをされている姿を見て私も頑張ろうと思いました。宝田さんはいつも私のことを孫のようだとおっしゃっていました。“きれいになったね”と言っていただけたり、宝田さんにお会いするのが楽しくて、安心しますし、撮影をするときも腕を組んだりといつも近くにいてくださり、笑顔が絶えなかったです」
三宅監督「先日の完成披露舞台挨拶の際に、肩をたたき、“今度、食事に行こう”と言ってくださりずっと心に残っています」
見どころ
岩本蓮加「宝田さん自身の体験談が見られるシーンが印象的で、そんなお話を聞けるのは貴重だと思いますので、みなさんも注目していただけたら嬉しいです」
高校を卒業したばかりの岩本蓮加、今後の目標
岩本蓮加「活動の幅が広がっていくと思うので、前向きに私なりに頑張っていけたらなと思います。10代の内にまた学生の役をやってみたいです」
撮影中に収録した1分弱の宝田さんのコメント動画がスクリーンに映し出され、宝田さんはこう語った。
「私にとっては、久々の映画でございまして、やっぱり僕は映画からスタートした男ですから、当時はフィルムで今はデジタルですけども映画というものに大変な愛着と未練を感じております。いずれの日にか自分の思うような作品を撮りたいな、撮りたいなと今回念願かなかってできたわけですけども、サポートしてくださった方々、応援してくださった方に心から感謝申し上げたいなと思います。『世の中にたえて桜のなかりせば』ということでございます」
最後にメッセージ
岩本蓮加「宝田さんと映画のお話をするときは、映画に対しての熱をひしひしと感じるの で宝田さんのプロデュースする作品に、宝田さんと一緒にW主演として出演させていただけたことは誇りに思いますし貴重な経験をさせていただけたと改めて感じました。この作品を観て自分の人生と向き合うきっかけになれたらいいなと思いますし、桜を見るたびに毎年この作品を思い出していただけたら嬉しいです」
三宅監督「岩本さん演じる咲ちゃんの成長物語だと思っています。人生どんなところからでも人は前を向いて成長していけると思いますので、明日からの力になる作品になればいいなと思います」
STORY
終活アドバイザーのバイトをしている不登校の女子高生・咲(岩本蓮加〈乃木坂 46〉)は、一緒に働く老紳士・ 敬三(宝田明)と共に、様々な境遇の人々の「終活」の手助けをしていく。咲は危険と隣り合わせの職業で、万が一のために家族に遺書を残そうとする者や余命わずかで思い出を残そうとする者たちに寄り添って「終活」のお手伝いをする日々を送っていた。そんな最中、咲の担任でかつて国語教師であった南雲は生徒からのイジメに遭い、教師をやめ自暴自棄の生活をしていた。咲はひきこもりの彼女の様子を見に度々家を訪れ、様子をうかがっていた。一方で、イジメの張本人の女子生徒を待ち伏せして自分の気持ちをぶつけたりもするが、彼女の中のやるせない気持ちは消えることはなかった。自身も不登校で行き場を求めている咲に、敬三は病気で老い先短い妻(吉行和子)とかつて見た桜の下での思い出を語る。咲は敬三たち夫婦を励まそうと、敬三がかつて見たという桜の木を探しに出かけるのだが・・・。
映画『世の中にたえて桜のなかりせば』
2022年4月1日(金) 全国公開中
■キャスト
岩本蓮加(乃木坂46)
土居志央梨 郭智博 名村辰 柊瑠美 伊東由美子 徳井 優 吉行和子
宝田 明
■スタッフ
監督:三宅伸行 脚本:敦賀 零 三宅伸行 企画・原案:鈴木均 エグゼクティブプロデューサー:宝田 明
主題歌「蒼空」Produced by 亀田誠治
歌:all at once 作詞:Ra-U ,レオリ 作曲:Ra-U
■公式サイト:https://www.toei-video.co.jp/sakuramovie2022/
製作:埼玉県/SKIPシティ彩の国ビジュアルプラザ TOKYOMX ビーイング 東映ビデオ 製作プロダクション:アルタミラピクチャーズ デジタル SKIP ステーション
配給:東映ビデオ
©2021『世の中にたえて桜のなかりせば』製作委員会